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虚堂智愚|破れ虚堂
破れ虚堂 <黄梅院 小林太玄 師筆>
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「破れ虚堂」とは、中国・南宋時代に活躍した禅僧・虚堂智愚が、修行に来た日本の僧侶に書き与えた法語で、印可の証でもある。
千利休の師でもある、武野紹鷗の愛玩を経て、京都の豪商・大文字屋の手に渡ったが、のちに、使用人が蔵に立てこもって、これを切り裂き、自害するという事件が起こった。以来「破れ虚堂」と別称されている。
茶人として知られる松江藩主、松平不昧が入手し、永く雲州松平家に伝えられた。
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この書を書いた方は、大徳寺・黄梅院の小林太玄 師で、老師の書は力強く、とても闊達な字で、私は大好きである。
書かれている文面を意訳すると、以下のようになる。
“世の中は厳しいし、険しい道が多いよ
でもそんなこと考えたり、究めたりすることもないね
お前さんは、いつもあれやこれやと質問するよね
自分もこれまでたくさんの老師たちを見てきたけど、いまや自分が老師になった。
もはや字もよく見えないし、耳も悪くなった‥
でも、それでいいのだ
天に任せて、真っすぐ道を進むのみ!
お前さんももう問うことを休めなさい”
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人生の成功も失敗も、行動してみなければ分からない。
あれこれ問う前に、まずは一歩前に進んでみる。
そんなことを突き付けられている書である。
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なお、オリジナルは国宝で、東京国立博物館に所蔵されている。