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普通でもいい、違くてもいい。どちらも充分素敵なんです~『岩元先輩ノ推薦』のキャラクターたちが教えてくれたこと~

こんばんは。朝日みうです。いつも読んでくださりありがとうございます!

さて、今回は私の推し作品『岩元先輩ノ推薦』の良さについて語ります。
大好きな割になかなか詳しく言語化できていなかったので、深堀りしたかったのが一つ、
最新話がいよいよ明日の水曜日に控えているのが一つ。
新章突入で、更に世界観が広がりそうな予感がしています!!
いわゆる”にぎやかし“の絶好のタイミングなので、自分の考えを整理するためにも、今回は「なぜこの作品が好きなのか」を書いてみたいと思います。

『岩元先輩ノ推薦』とは?

私が先日推奨した「読まない読書」が皆さんもできるように、最低限の情報だけ書かせていただきますと。

『1910年代の陸軍直属の中学生·岩元胡堂が、不思議な能力を持つ少年たちを中学に推薦する』お話です。

不思議な能力とは?
推薦されたらどうなるのか?

それはぜひ皆さんたっぷりと想像して「読まない読書」を楽しんでから、その後で物語を読んでみてくださいね。
(「読まない読書」についてはこちらをご覧ください!)

キャラクターの持つ個性が光っている

作者である椎橋寛先生の強みは、なんと言っても「キャラクターの魅力が凄い」ところ。

今は亡き小池一夫先生のゼミにて、高橋留美子先生らと共にキャラクターの大切さを学ばれたとのことで、椎橋先生はキャラクターの個性の作り方や世界観の生み出し方が本当に上手なんです。『岩元先輩ノ推薦』でもそれは遺憾無く発揮されておりまして。

物語には大きく分けて不思議な能力を持つ「能力者」と、そうでないいわゆる「普通の人」がそれぞれ登場するのですが。
能力があろうとなかろうと、お互いがお互いを認め合い、支え合っている。そんな作品という印象が私はあるんです。

人が持つ「弱さ」に寄り添う

能力を持っている人たちは、これまでの異能バトル漫画とは少し異なる切り口で描かれています。
“能力があるからこその弱さと儚さ”があるんです。
なるべくネタバレしないように頑張りながら一部を紹介しますが。

·能力のコントロールができず、人を傷つけてしまった
·能力があるからこそ、普通に生きることができなかった
·能力を悪用されてしまった

そういった、”人と違うからこその悲しみ“が美しく描かれています。

そんな彼らを救うべく、主人公である岩元は尽力します。
日本国内だけでなく海外の能力者にも。
時には過去の人物でさえも救おうと手を差し伸べる。
そのための陸軍所属なのです。
人の痛みがわかるからこそ、権力のある地位について、その利点を最大限に発揮する。そんな岩元の優しさに賛同し、同時にその危うさを支えるために、多くの人たちが彼のもとに集まり、共に戦う。
明治大正時代の軍部という、ともすれば暗くなりがちな設定の中に咲いた温かく、時に切ない物語。それが『岩元先輩ノ推薦』です。

異能力がないからこそ、できることもある

そして椎橋先生の世界観を更に素敵なものにするもう一つの理由が、「異能力がない人達」の存在にあると思っています。

·岩元の言動を「書いて残す」ことで貢献しようとする後輩
·岩元と同学年だからこそ、対等に接することができ、彼の本音を引き出せる親友

まさに、「異能力はなくても、無能ではない」。唯一無二の輝くような存在ばかりです。
彼らはある意味で一般人であるからこそ、岩元に守られるというよりも精神的に支える立場になりやすいのかなと思っています。
異能力が軍事利用に使われていく可能性が高い状況下で、岩元の考えに共感し動いてくれる人たちの存在を見ていると、とても優しい気持ちになります。
人とは違う部分も大事にする、ということが重視されている世の中において、ある意味「普通の部分」というのもこんなに光る。

あなたという存在自体、それだけで素敵なんですよ”
そんなメッセージがあるのかもしれないな、と私は感じています。

自分自身を認めたい。支え合って生きていきたい

『岩元先輩ノ推薦』を読んで私が思うことは、
“ありのままの自分でいいんじゃない?”
ということです。

異能力者は「凄い」と思われがちだけど、彼らなりに苦しんでいることは沢山ある。
対していわゆる一般人は、本人は自分は異能力ないしな、と思っているかもしれないけれど、彼らだからこそできることがある。

私達もきっとそうなんだと思います。
周りの人が輝いているように見えて落ち込んで、「自分は特に凄いところもなく普通だ」と思っていたり、自分の嫌な部分ばかり見てしまったりしがちな人も。
他の人から見れば、実は輝いているのかもしれないんです。
自分のコンプレックスが、他の人からは羨ましいとすら思われているかもしれません。
だからこそ、自分らしさを受け入れて、自分らしい生き方を追求したいし、周りの人の良いところを見て学びたいな、と私は思っています。
そんなふうに過ごしていれば、世の中はもっと優しくなるのかなと考えたりしています。
そうやって、支え合って生きる世界の一片が、『岩元先輩ノ推薦』で描かれていると思うので。彼らの行く末を見届けたいな、と思うこの頃です。

長文になってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました!


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朝日みう
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