自走する組織
「最近、みんな自走してくれてるなぁ」
こちらが特に指示をしなくても、新しい取り組みの提案を持ってきてくれる。リスクに気づいて先に準備をしてくれている。万が一計画がズレた時のプランBを用意してくれている。
最近、これらのようなシーンが増えてきました。
リーダーの役割
私自身、リーダーの役割はトップダウンで引っ張るのではなく、メンバーの力を引き出すことだと考えています。
しかし、この考え方はこちらが引き出そうと思っているだけでは意味がなく、受ける側も同じように考えていないと機能しません。
今の課は若いメンバーも多く、 2年半前に着任した当初は受け身の姿勢が多く見受けられました。
「自走する組織」に至るまでに、どのような取り組みが良かったのかを振り返ります。
権限委譲
「自走する組織」とは、「権限委譲がうまくできている組織」の状態を意味しています。
「権限委譲」とは、上司の業務権限の一部を部下に委ね、本人の裁量で仕事をしてもらうこと。
部下の自律性や成長を促進し、組織の生産性向上に繋がるマジメント手法と言われています。
しかし、権限委譲において正しく理解しないといけない点があります。
それは「責任の所存」です。
委譲した業務の判断は部下に任せますが、その結果責任はすべて部下に権限を委譲した上司が負います。
このことを上司も部下もお互いに理解していないと、情報共有が疎かになったり、一方的に仕事を押し付けられたと勘違いしたり、上司も部下も責任逃れしたりと、生産性のダウンに繋がるリスクもあるのです。
自走する組織
では、「権限委譲」され「自走する組織」になるために、どうすれば良いでしょうか。
① 主従関係を「信頼関係」へ
まずは「信頼関係」を築くことです。
これは「風通しの良い組織」の記事でも書きましたが、組織には必ず「上下関係」があります。
この関係が「主従関係」になっていることが多いのですが、これを「信頼関係」にすることが重要です。
そして、「信頼関係」とは「お互いの行動が予測できる関係」です。
「これをお願いしたら、しっかり仕事してくれるだろう」「期待した行動をしてくれるだろう」「期待通りの結果を出してくれるだろう」と、部下を信頼することももちろんですが、こちらの考え方も伝えておくことも重要です。
「課長ならこう考えるかな」「課長ならこの点は聞いてくるだろうな」「課長ならここまでやればいいよって言ってくれるだろうな」と、自分自身の価値観や判断基準を普段から見える化しておくことが信頼関係に繋がります。
② 「目的」と「目標レベル」を共有
仕事をお願いする際には、必ず「目的」を確認します。
「何を得るためにこの仕事をお願いするか」ということをお互いに認識する必要があります。
そして、目的と同時に重要なのが「目標レベル」の確認です。
これは私自身の反省です。
当初は「目的」しか確認していませんでした。すると、お互い向いている方向は同じなのですが、納期や達成レベルにズレが出ることがよくありました。
それ以来、必ず「いつ・何を・どういう状態にしたい?」を確認するようにしています。
③ 責任は上司にある
これは繰り返しになりますが、権限委譲の重要なポイントですね。
この点は、私自身も正しく理解できていませんでした。
任せきりにするのでは無く、適宜フォローやフィードバックをして一緒に伴奏することが求められます。
そうすることで部下も安心して業務に取り組め、また上司への報告もしやすくなりお互いの信頼関係が増していくのですね。
今回は「自走する組織」について書きました。
書きながら、「権限委譲」ということを正しく理解できていないことにも気づきました。
正しい理解をメンバーにも伝えながら、今以上に「自走する組織」を作っていきます。
ありがとうございました。