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スマホを買う前に親ができること

こんばんは。
Teachers代表の中場牧子です。

マインドフルネスを基盤にしたデジタルデトックスのプログラム「Mindful Digital Diet Program =デジエット」づくりをしています。
それで、しばらくの間は「マインドフルネス×デジタルデトックス」をテーマに書いていこうと思います。

~スマホとの正しい付き合い方を考える~

子どもに初めてスマホを買い与えたとき、皆さんはどんな気持ちでしたか?
「勉強にも役立つし、連絡も取りやすい」と思い、期待を込めて渡した人も多いでしょう。また、「みんな持っているから」という子どもの言葉に、或いは社会の風潮によって、つい購入に踏み切ってしまったとい方も多いでしょう。

しかし、私自身、後になって後悔しました。

夜遅くまでスマホを触り続けるわが子の姿。
何度言っても止まらないゲームやSNS。家族との会話が減り、転落するように成績が急降下。取り上げようとすると、喚いたり、叫んだり、暴れたりする様子に、「これで本当に良かったのだろうか?」「どうすればいいんだろう」と何度も問い直しました。

実は、東北大学の川島隆太先生は「スマホは高校生からがいいのではないか」と提言しています。

科学的なデータに基づかないあくまで「個人的な意見」とお断りしたうえで、あえていえば、「スマホを持たせるのは高校生くらいからかな」と思います。  
私が自分の子どもに持たせたのも高校生からで、これは現在でも間違っていなかっただろうと思っています。  
もっとも高校生がスマホを持つと、現在の彼らの使い方から考えて、大学受験に必ず悪影響が出るでしょう。すると大学入学時に持つのが理想的かもしれません。2022年4月以降、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ「18歳から大人(成人)」ということになりましたから、「成人してから」といってもよいと思います。

川島 隆太『オンライン脳 東北大学の緊急実験からわかった危険な大問題』 (p.131)

脳がまだ発達段階にある子どもたちにとって、スマホが与える影響は計り知れません。

とはいえ、そうはいっても自分の家庭だけ買い与えない、というのも現実的には難しいかと思います。そして、中高生にスマホを買い与える家庭が今後も増えていくでしょう。
では、スマホを買い与える前に、どのような準備することができるのでしょうか?

スマホを与える前に考えるべきこと

スマホを買う前に、以下の準備をしておくことを強くおすすめします。

1. ルールを明確にする

スマホを使う時間帯、用途、場所について、家族でルールを話し合いましょう。たとえば、

  • 夜9時以降はスマホを使わない

  • 食事中はテーブルにスマホを置かない

  • 勉強中はスマホをOFFにする

これらのルールを具体的にすることで、スマホの使いすぎを防ぐことができます。

2. ルールを守れなかったときの対応を決める

ルールを破ったときにどのような対処をするか、事前に決めておくことも重要です。たとえば、

  • スマホを一定期間預かる

  • 使える時間を減らす

  • 家族全員で「なぜルールを守れなかったのか」を話し合う

対応を事前に共有しておくことで、子どもも納得しやすくなります。

3.ペアレンタルコントロール

スマホを買い与える際に欠かせない概念の一つが「ペアレンタルコントロール」です。
ペアレンタルコントロールとは、親が子どものスマホやインターネットの利用を管理・制限するための機能や方法を指します。ペアレンタルコントロールについて、松島恒志さん(子どもとメディア信州 代表)は次のように説明しています。

多くの子どもが、インターネットやSNS、オンラインゲームなどに依存傾向を示し、そこから抜け出すのに苦労しています。いちばん理想的なのは、情報端末との付き合い方を自分でコントロールできるようになることです。自分でコントロールできている子どもには、親があれこれ指示したり制限しなくても大丈夫なのですが、やりたい続けたいという気持ちを上手にコントロールできないという子どもに対しては、家庭で保護者がそのコントロールを少し手伝うとよいのです。
私の考えでは「親がコントロールする」というその言葉通りの対応ではなく、子どもがコントロールしようとする気持ちが親が助ける、親子で話し合って情報端末との付き合い方を共に考えるということが、ペアレントコントロールだと思います。

松島恒志 『スマホ・タブレットと健康的に付き合える子どもの育て方』p.74

ペアレンタルコントロールについて、具体的には、以下のようなことが可能です。

1. 利用時間の制限

ゲームやSNSなど特定のアプリの使用時間を設定することで、使いすぎを防ぎます。

2. 有害コンテンツのフィルタリング

年齢にふさわしくないサイトやアプリへのアクセスをブロックし、子どもを守ることができます。
※ フィルタリング設定により安心と思っている方も少なくないとは思いますが、子どもたちは解除する情報に簡単にアクセスできます。「保護者による使用制限 解除」で検索してみてください。制限解除の裏技がたくさんヒットするはずです。


3. Wi-Fi端末ごとの時間設定

最近のWi-Fiルーターには、端末ごとにインターネット接続の時間を制限する機能が備わっています。これを活用すれば、子どものスマホやタブレットだけを特定の時間帯にオフラインにすることが可能です。
例えば、以下の設定ができます。

  • 夜10時以降は子どもの端末をWi-Fiから切断

  • 宿題の時間帯だけスマホを使えなくする

  • 家族全員の利用時間を管理して公平にする

イメージ図はバッファローサイトよりお借りしました
https://www.buffalo.jp/support/faq/detail/15918.html

これにより、物理的にインターネット接続を遮断できるため、言葉で注意するよりも効果的です。

そして、何より大切なことは、「親自身のスマホ利用を見直す」ではないでしょうか?

4. 親自身のスマホ利用を見直す

子どもは親の行動をよく見ています。親自身がスマホを適切に使い、子どもに模範を示すことが大切です。スマホを手放す時間を増やし、家族と過ごす時間を意識的に確保しましょう。

デジエットが提案する新しいスマホとの付き合い方

私たちが提供する「Mindful Digital Diet(デジエット)」では、スマホとの健全な距離感を築くための具体的なプログラムを用意していきます。親子で参加することで、マインドフルネスの観点を取り入れたルール作りやペアレンタルコントロールの活用法を一緒に学べます。

スマホを買ったことを後悔しないために。
そして、スマホの利便性を最大限に活かしながら、家族のつながりや健康的な生活を守るために、スマホ利用のためのチェックリストを作ってみました。私は来春に、子どもにスマホを買いなおす予定です。その前に読み合わせとルール作りをしておこうと思って、作成したものです。みなさんも、お子さんと一緒に確認をする際に参考にしていただければ嬉しいです。
※中学生以上を想定した文章です。お子さんの年齢に応じてご変更いただけます。

お知らせ
デジエットでは、現在、親子で参加できるプログラムのモニターを募集しています。興味のある方は以下リンクからご覧ください。


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