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単元内自由進度学習での評価について

 単元内自由進度学習での評価はどのようにされていますか?といった質問をよく受けますが、安直に「おっ、あの子、いつもより頑張っているから主体的に学習に取り組む態度をAにしよう!」なんてことは絶対にしません。そんなことをしたら、【知識技能】C【思考判断表現】C【主体的に学習に取り組む態度】Aなんてことが起こり得るからです。これはまさに提出物で評価したり、挙手の回数で評価したりするのと同じだと思います。

 そうではなくて、例えば、夢中になって学習に取り組んでいる生徒の姿を写真などで記録しておき、それを本人に伝える(評価する)ことで、価値付けることが大事だと思います。もっといえば、本人だけでなく、学級全体に伝えることで、なるほど、こういう姿が学びの姿なんだなって価値付けることが大事だと思います。簡単にいえば、「いいとこ見つけ」みたいなものです。評定のための評価ではなく、本当の意味でその子のための評価をする、そのためには子どもの様子をよく見とる、これが単元内自由進度学習で大事なことです。評定のための評価は単元末テストで十分でしょう。

 単元内自由進度学習では、自ら学びに向かえない子どももいます。そういう子には個別に指導してあげればいいわけです。こんなエピソードがあります。その子は、学習が苦手で一斉授業では何を言っているのかさっぱりでついてこれていない感じでした。一斉授業だとついていけないから、寝てしまうわけです。単元内自由進度学習でも、計画を立てることすらできません。そりゃあそうでしょう。学習する自分の姿がイメージできないわけですから。だから私は最初からこの子には個別に指導する必要があると思っていたので、計画を立てる段階から、一緒に勉強しようって感じで声をかけました。嫌がるかなと思いましたが、全然そんなことはありませんでした。むしろ、毎回私とのほぼマンツーマン授業を望ようになっていました。しかしここで大事なことがあります。単元内自由進度学習のねらいは、「自力解決」にあります。この子は、私に依存してしまっています。どこかのタイミングで、自立を促す必要がありますが、これがなかなか難しい。まずは勉強の仕方を教える必要がありました。そんなある日のこと、休みの日に自ら勉強してきたと報告してきたことがあります。これには驚きました。絶対に自分からやるタイプではないと思っていたからです。これは価値付ける、つまり、評価に値します。これぞまさに指導と評価の一体化ともいえます。

 単元内自由進度学習の実践では、一斉授業では見られない子どもの姿がたくさん見られます。教師の力量も確実に上がると言えるでしょう。


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