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ジンジニア マガジン

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元エンジニアの人事やエンジニアで人事領域に関わる人たちがエンジニアならではの視点を踏まえた人事領域の情報を発信していきます
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記事一覧

バウンダリースパナーとしての人事

人事は立場上、複数の部門をまたいでやりとりする機会が多くあります。一方、各部門の関係者は、特定の例外を除けば、自分の部門やプロジェクトチームのメンバーとの関わりが中心になりがちです。 任意の領域に詳しい人物(Know Who)や、役立つノウハウに関して橋渡しの役割を果たすことで、各部門の人たちに有益な情報や適切な人材を紹介することができます。人事は採用・育成・組織課題に関する情報を得やすい立場にあるため、特にそれらの情報を流通させる役割を担うことができます。 このように、

想定外の出来事を活用する

仕事において、想定内の出来事ばかりがあるわけではありません。 良くも悪くも想定外の出来事が起こります。想定外の出来事がもたらす変化に対して一喜一憂するだけではなく、変化に適応することや、変化を活かすことで、よりよい結果を生み出しやすくなります。 想定外の出来事とその影響想定外の出来事が起こったとき、その場に何かしらの前提の変化が起こります。想定外の内容は世界単位、業界単位の大きなものもあれば、会社やチームなど小さい範囲のものもあります。例えば以下のようなものです。 コロ

ジンジニアのバリエーション。その役割と担当領域 #ジンジニアマガジン

ジンジニアとは?ジンジニアとは、元エンジニアの人事やエンジニアで人事領域に関わる人たちです。 特に厳密な定義がある概念ではなく、私は比較的ゆるく捉えています。 エンジニアから完全に人事に職種を変えた人もジンジニアでいいと思うし、エンジニアだけど業務の一部分で人事領域の仕事を担当している人もジンジニアでいいと思っています。人事の領域はエンジニアの領域ほど知見がPublicに共有されていません。情報発信の量や勉強会での交流の量を比較すると大きな差があると思っています。これは、

「目標づくり」があまり好きじゃなくなってしまう要因たち

こんにちは。こんばんは。 ジンジニアをやっているtakakazu(@tkkz1009)です。 この記事は目標づくりAdvent Calendar 2024 23日目の記事です。 昨日(22日目)の記事はmkitahara(@mikity01985)さんの「帆船の旅をしながら目標をつくる」でしたね。 「目標づくり」という多くの人がなかなかポジティブに向き合いにくい(私が思っているだけかもしれない)テーマで方々が素敵な記事を書いていて本当に素晴らしいですね。私の方は、ちょっ

人事データを扱うムズかしさ

こんにちは! メルカリのHR部門でマネージャーをしている@_tweeeety_です。 はやいものでもう年末。年末といえばアドベントカレンダーということで、今回のnoteのテーマは「人事データを扱うムズかしさ」です。 また、このnoteはジンジニア アドベントカレンダー Advent Calendar 2024の19日目の記事です。 われわれはどんなHRチームかぼくが所属しているチームは「HR System & Data(通称HRSD)」です。他社でいうHRISに近い役割

触媒であり、パークレンジャーとしての役割を考える

この記事は、ジンジニアアドベントカレンダー Advent Calendar 2024の16日目の記事です。15日目は、にわさんのHRBPを始める人事の方へ 〜そうだ、スクラムを学ぼう〜でした! 前回は採用の話をしましたが、今回は、ジンジニアとしての役割を「触媒」と「パークレンジャー」という二つの視点から考えてみたいと思います。普段の業務で感じることや学びを共有できれば幸いです。 はじめに転職して約半年。エンジニアリングマネージャー(EM)として、採用支援や技術広報、プロセ

Product All Handsをアップデートした話

こんにちは、あるいはこんばんは。 タイミーのDevEnable室におりますtakakazu(@tkkz1009)です。 この記事はTimee Product Advent Calendar 2024 シーズン1 14日目の記事です。 DevEnable室では開発組織と個人の成長をミッションにしており、プロダクト組織の「組織運営」機能と「技術広報」の2つの機能をもっています。 DevEnable室の設立経緯はこちら 私自身は「組織運営」に重心を置いているのですが今回は、その

チームメンバーなど人に関わる方がキャリアコンサルティングを学ぶべき2つの理由

今日12/10は「マネーキャリアの日」だそうです。 新NISAなどが始まり、手をつけなければな・・・と思いつつ手をつけられていない方も多いのではないでしょうか。キャリアについて考えるというのもマネーと似たような面があり、中長期を考えて見直しておかないと後悔してしまうものなのではないかと思っています。 この記事は 2024年 ジンジニア アドベントカレンダー の10日目です。 昨日は西から来た馬ヅラの男さんでした。組織課題への対応について、どう仲間を増やすのか、という観点

EM vs DevHR:埋もれるHRの価値、そして突破口

こんにちは、ジンジニアで活動しているtakakazu(@tkkz1009)です! 普段は開発組織の人事 or Engineering Office的な仕事をしております。 この記事はジンジニア アドベントカレンダー Advent Calendar 2024の6日目の記事です。前回(5日目)はてぃーびーさん(tbpgr)の「ITエンジニアの情報発信文化を人事領域に広げたい」でしたね。 12月1日に引き続き6日目担当させて頂きますのでで何卒よろしくお願い致します。 ちなみに

ITエンジニアの情報発信文化を人事領域に広げたい

この記事はジンジニアアドベントカレンダーの5日目の記事です。 4日目は私の『個別対応と全体対応のバランス』でした。 解決されずに残るのは適応課題仕事において解決されずに残るのは明確な解決策がなく、関係者の価値観や行動の変化が求められる適応課題(Adaptive Challenges)になりがちです。例えば、他者に攻撃的な振る舞いをしている人によって、周囲のパフォーマンスが低下しているような状況です。 逆に、明確な解決策が存在し、既存の知識や技術で対応可能な技術的問題(Te

個別対応と全体対応のバランス

この記事はジンジニアアドベントカレンダーの4日目の記事です。 3日目はna2nekoさんの『企業成長が速い時代に、個人を成長させる組織とは』でした! 私は全社の人事として組織開発を担当しています。CoE・HRSS・HRBPの分類でいうと、CoEになります。 CoE(Center of Excellence) : 専門的な人事領域(例:採用、研修、報酬など)の戦略を立案・策定し、専門知識やベストプラクティスを提供する部門 HRSS(Human Resources Sha

企業成長が速い時代に、個人を成長させる組織とは?

はじめにこんにちは。「なーねこ(@na2neko)」というアカウントで活動しております。 11月末まではVPoE・開発部門長として、約100名の開発部門管理とエンジニア組織のマネジメントをしておりました。 記事執筆時点では、転職活動中となります。 この記事は「2024年 ジンジニア アドベントカレンダー Advent Calendar 2024」の12/3担当分となります!! ジンジニアとは何かについては1日目の「takakazuさんの記事」をご覧頂ければ幸いです。 自

開発組織の発信文化を考える

こんにちは、ジンジニアで活動しているtakakazu(@tkkz1009)です! 普段は開発組織の人事 or Engineering Office的な仕事をしております。 今日から12月ですね。 今年もジンジニア アドベントカレンダー Advent Calendar 2024の1日目担当ということで何卒よろしくお願い致します。 ※昨年のジンジニアアドベントカレンダー(2023年)はこちら 昨年の記事↓ ちなみにジンジニアとは、ここでは以下のような解釈・定義となります。

認知・理想・現実・帰属が導く不満と意欲

仕事において発生した出来事に対して個人が不満を感じるのか、意欲を高めるのかは人それぞれです。 同じ出来事があったとしても、それに対して強く不満を感じる人もいれば、まったく不満を感じないどころかニコニコしながら難題に対して意欲をみなぎらせる人もいます。実際、過去の経験を思い起こすと、他者が全く反応しないような些細な出来事でも不満を抱き、烈火の如く怒る人もいれば、他者が頭を抱えるような難題に対しても嬉々として笑顔で取り組む人もいました。また、このような両極端な例だけではなく、人