すこーし気になる病気解説します。【掌蹠膿疱症】の病気 vol.11
仕事でストレス過多になると、手のひらに水泡ができてなかなか治らない人が増えてます。人にうつる病気なの?? 何度も再発する病気なの??頑固な便秘が原因になるって本当???(腸活専門家としては即反応なKW)聖母病院皮膚科部長小林里実先生の話をもとにまとめてみました。
掌蹠膿疱症《しょうせきのうほうしょう》ってなに?
手のひらや足裏などに、たくさんの水ぶくれ(膿疱)が繰り返しできる皮膚の病気です。
皮膚の中にある汗管にできた水疱に様々な「サイトカイン」が関与して、膿疱が形成されると考えられています。
膿疱のでき始めはかゆみを伴うことが多く、しばらくするとかさぶたになり、はがれ落ちます。まわりの皮膚にも炎症が広がって赤くなりカサカサになります。足裏にできると、厚くなった角層が歩くたびにひび割れるため、痛くて歩けないこともあります。10-30%の割合で鎖骨や背骨などの骨関節炎を生じることもあり、そうなると激痛が走ります。
膿疱の中に菌やウイルスは入っていないので、直接触ったとしても、人に感染することはありませんが、見た目の印象が悪いので、人前で手が出せない、サンダルが履けない…などと悩む人が多い。
掌蹠膿疱症《しょうせきのうほうしょう》になる原因は?
解明されていない部分も多いのですが、日本人の場合、無症状の「扁桃炎」や「歯周炎」が関係していることが70-80%。喉や口腔内の炎症がおもな原因という少しやっかいな病気です。
体のどこかに慢性的な炎症があると、それが引き金となって体の別の部位に別の病気を引き起こすことがあります。これを「病巣感染」と呼びますが、掌蹠膿疱症はまさにその代表的な疾患です。
ほかに、喫煙(掌蹠膿疱症患者さんの喫煙率は約80%!)、金属アレルギー、頑固な便秘や過敏性腸症候群などが関係している例もあり、いずれの場合も過度なストレスをきっかけに症状が現れると考えられています。
掌蹠膿疱症《しょうせきのうほうしょう》はどんな人に多い?
多発年齢は、30-60代が90%。男女比は、1:2と女性が多く、ある年のデータでは日本の患者数は約13.6万人との報告があります。小児では希ですが、ほぼ全年齢の特に女性は要注意です。
2020年にウェブサイト「掌蹠膿疱症ネット」が開設されたり、患者会「PPPコミュニティ」が発足するなど、近年、この病気への理解を深める活動がはじまったばかりです。
診断がとても難しい病気なので、専門医を受診することが重要です。掌蹠膿疱症と診断されたら、歯科で歯の根元の炎症や歯周炎がないか?X線画像と歯周ポケット計測で検査します。あれば無症状でも治療する必要があります。副鼻腔炎があれば耳鼻科で、甲状腺炎や糖尿病が見つかれば内科で治療を…と皮膚科ー歯科ー耳鼻科ー内科と、科をまたいだ連携が必要になり、発症にかかわる要因を除去します。
対処療法として、ステロイド軟こうや活性ビタミンD3軟膏などの薬物療法がありますが、まずは、喫煙者ならまず禁煙!そして、日頃から歯科のチェックをし、腸内環境を整えて、過度なストレスをさけるように心がけることが大切です。
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