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【アート鑑賞部】東京・原宿-空山基個展「Space Traveler」- 無機質なセクシーロボットを見て孫悟空も元気出せ、と願う

昔、アニメ『ドラゴンボール』で主人公の孫悟空がなにやらブースに入った液体の中でコポコポいいながら、戦闘で傷ついた体を休めている、というシーンがあって、それを友達の家で見ていた。

友達の家というか、母が家庭教師をしていた子どもの家に連れていかれていて、その場で母の教え子の兄弟たちと見なければいけなくて、見ていた。

毎週その家に通っていたのだが毎週見ているにもかかわらず毎週ストーリーが進展せず悟空はコポコポ浸っているので、30年近くたった今でもそこだけ妙に覚えている。

なぜ悟空は回復しないのか。そのコポコポ、効いてなくない?

そんなトラウマ(?)を思い出したのが原宿のギャラリー「NANZUKA UNDERGROUND」で開催されている空山基(そらやま・はじめ)さんの新作個展「Space Traveler」。

NANZUKA UNDERGROUND
NANZUKA UNDERGROUND @ 原宿

原宿の喧騒を離れ民家の中に突然現れるこちらのギャラリー、雰囲気的にドアを開けるには勇気がいると思われるかもしれないが、開けたからといって意地悪をされるわけでもなく、人間と喋ることもなくメタリックな空間が待っているので安心して突入してほしい。

空山基 個展「Space Traveler」
照明は極限まで落とされ、幻想的で無機質な空間がドーンと現れる

ヒューマンサイズのロボットたちは完璧なボディバランスで一切の着衣なしにもかかわらず金属という事実が性的な生々しさを打ち消して、そこに佇んでいる。

ブースに収められた彼女らはコポコポしていた悟空よりよっぽどエナジティックな印象が。

こういった人間と同サイズの作品を見るとき、単なる物質だとわかっていても勝手に頭の中で命を吹き込んでしまう。作家が命を賭して制作しているのだから鑑賞する側も当然それを享受するであろうが、それにしても不思議な感覚。動きだす瞬間をみてやろうと、ジッと見入ってしまうのである。

空山基 個展「Space Traveler」
無重力加減が近未来を感じさせる。ところで近未来っていつだろう。

2階はCG映像に加え、近年空山さんが近年取り組んでいるという絵画作品も。

空山基 個展「Space Traveler」


空山基 個展「Space Traveler」


空山基 個展「Space Traveler」
御利益のありそうなウエストとお尻を思わず撮影

こちらのほかにNANZUKA 2G(渋谷パルコ2階)、中目黒の3110NZ by LDH kitchenの3会場で開催されている。

空山基「Space Traveler」
会期 2023年4月27日~5月28日
会場 NANZUKA UNDERGROUND
※休館日・入場料など最新情報は公式HPをご確認ください。
URL: https://nanzuka.com/

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