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就活心理学講座 - あなたの心を解き放つ - 自己分析編第3話:認知心理学 - あなたの思考パターンを知る
ストーリー
「私の価値観は、人に感謝されること、人と協力すること、そして成長することなんだ!」
価値観心理学を学んだ美咲は、自分の価値観を明確にすることができました。
そして、その価値観に合う企業を探し、説明会に参加したり、OB訪問をしたりと、積極的に行動するようになりました。
しかし、面接練習を始めると、新たな課題に直面します。
「面接で、緊張して頭が真っ白になってしまう…」
「うまく話せなかった…もうダメだ…」
何度練習しても、本番を想定すると緊張してしまい、自信を失ってしまうのです。
そんな美咲の姿を見たキャリアセンターの山田さんは、認知心理学の視点から、自己分析を深めることを提案しました。
「美咲さんは、面接でうまく話せないことを、どう捉えていますか?」
「やっぱり、私のコミュニケーション能力が低いんだと思います…。それに、緊張に弱いっていうのも、ダメなところですよね…」
美咲は、自分を責めるように呟きました。
「なるほど…。美咲さんは、うまくいかないことがあった時、自分の能力不足のせいだと考えてしまう傾向があるようですね。これは、認知の歪みと呼ばれ、物事をネガティブに捉えがちになってしまう思考パターンのことです。」
山田さんは、認知心理学の基礎知識や、認知の歪みの種類について、具体例を挙げながら丁寧に説明してくれました。
例えば
・全か無か思考:「完璧にできないなら、やる意味がない」と考える
・一般化のしすぎ:一度の失敗を、「自分はいつもダメだ」と一般化する
・心のフィルター:良い面を見ずに、悪い面ばかりに注目する
・マイナス化思考:良い出来事を軽視し、悪い出来事ばかりを重要視する
など、様々な認知の歪みがあります。
美咲は、山田さんの説明を聞きながら、自分がまさに認知の歪みに陥っていることに気づきました。
「確かに、私は少しのことでも失敗すると、すぐに“自分はダメだ”って思ってしまいます…。でも、それって、考え方のクセみたいなものなんですね。」
「そうです。そして、このクセに気づくことが、ネガティブな思考から抜け出すための第一歩です。」
山田さんは、認知の歪みに気づくための方法や、
ポジティブな思考に転換するための認知行動療法のテクニックを、美咲に教えてくれました。
例えば
・思考の記録:ネガティブな思考に気づいたら、
その時の状況、感情、思考を記録する
・反証探し:ネガティブな思考を裏付ける証拠 と、反証する証拠を挙げて、客観的に検証する
・リフレーミング:物事の見方を変えて、ポジティブな側面を見つける
など、様々な方法があります。美咲は、これらのテクニックを日常生活の中で実践することで、徐々にネガティブな思考をコントロールできるようになっていきました。そして、面接練習でも
「緊張するのは当たり前。大切なのは、緊張に負けずに、自分の想いを伝えることだ!」
と、前向きに捉えられるようになりました。
まとめ
認知心理学を学ぶことで、自分の思考パターンを理解し、認知の歪みに気づくことができます。
そして、認知行動療法のテクニックを身につけることで、ネガティブな思考をコントロールし、ポジティブな思考を育むことができます。
参考文献
・ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの思考はどのように決まるか?』(早川書房, 2014)
・石井 遼介『心理的安全性のつくり方
次回予告
第4話では、「発達心理学 - あなたの成長を振り返る」について解説します。
お楽しみに!
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