もしも、「先生」の副業がOKだったら
前回の記事にスキをしてくださった方々本当にありがとうございます。
一つアイデアが浮かんだので、書き留めておきたいと思います。ただ投げっぱなしにしたくなくて。よろしければ、お読みください！
現状、基本的に教員の副業は禁止
学校の先生は、多忙で、トイレに行くことさえ難しい日もある。持ち帰って仕事をすることもしばしば。給与面では、年数を重ねていけば少しずつではあるが安定して増えていく。だから、そもそも副業ができなくても、何とも思わない方もいるかもしれない。
でも、先生が先生でしかいられないと法律で決められているのは、なぜなのでしょうか。
（営利企業への従事等の制限）
第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業（以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。）を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則（人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則）で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員（短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。）については、この限りでない。
２人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。
「第十七条 教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者（地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条第一項に規定する県費負担教職員（以下「県費負担教職員」という。）については、市町村（特別区を含む。以下同じ。）の教育委員会）において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。
２ 前項の規定は、非常勤の講師（地方公務員法第二十二条の四第一項に規定する短時間勤務の職を占める者及び同法第二十二条の二第一項第二号に掲げる者を除く。）については、適用しない。」
消防、警察、役所の方なんかも同じかと思います。非常時にすぐ対応できるようにかもしれません。
そして、先生には特に、先生に集中して！ってところでしょうか。営利目的の事業をして、授業や教育活動をそっちのけにしないように。「片手間でやらないでね。」「他の事業のことで信用失墜しないでね。」ってことかなと思います。
たとえば、漢字検定の試験監督。
放課後（勤務時間終了後。）や休日（もちろん勤務時間外です。涙。）に、漢字検定を学校会場としてやる場合。
会場の準備片付けと、試験監督を（中学校だと大抵国語科の）教員が行います。申し込みの案内配布とお金を受け取りに来る業者さんとのやり取り。漢字検定協会から後日届く結果を渡して、褒めたり慰めたり…。（その前に、HPにログインして早めに生徒の結果を確認し、それぞれの担任の先生にも予め結果を共有しておくということまでしていました。）
もちろん残業手当はないです。漢検担当手当とか、そんなんもないです。例の調整額があるからでしょうか。
でもでも、漢字検定の試験監督をした場合、その報酬が漢字検定協会から少しだけもらえます。（配慮の必要な子の付き添いなどは、貰えないけれど。）
ところが、その際、いちいち管理職に書類を提出する必要があります。
"教育に関する仕事で報酬もらえて、こんな内容なんですが、それに従事して報酬もらってもいいですか？"という内容の書面です。
ここまで読んで、教員でない方からすると、本を出版したり、講演活動を行ったりしている先生は印税や講演料はもらっていないの？と思われる方がいるかもしれません。
そういう場合は、「教育に関すること」でお金をもらうことはOKなので、その都度、上に許可をもらって執筆や講演の活動をされています。
他にも、教員が給与以外に収入を得る方法として、
投資信託・株式投資などの資産運用
フリマアプリを利用した不用品販売（事業にならない程度の一時的なもの）
小規模の不動産投資（事業にならない程度）
小規模の農業（事業にならない程度）
などがあります。
株をやっている方、たまにいらっしゃいました。（勤務時間中はダメだけど、社会の先生とか数学の先生とかに多い印象！）
今だとNISAの話とか職員室で少し盛り上がるみたいです。あとは、宝くじとかでしょうか。アフリエイトも厳しいみたいです。
非常勤講師の先生は、副業OK
ところが、非常勤の先生はその限りではありません。同じように児童生徒に接して、テストを作ったり、採点したりするのにです。
非常勤講師で良かったと言う方の中には、副業ができるからという方が一定数いらっしゃいます。
特に、文系の先生に多い気がします。
英語の先生で、英会話を教えていらしたり、通訳をされていたり。
美術の先生は、イラストレーターやお絵描き教室など。
音楽の先生は、ピアノ教室やボイストレーナー。
国語の先生は、書道教室や添削指導をしている方も。
女性（この時代でも、やはり家事育児や介護の主たる担い手である方）が多いかもしれません。繊細というか、感性が鋭い方が、そういう働き方を選択されているのをみてきました。
実力はあるけれど、学校という昭和的体育会系の世界に、ずっといるのがしんどいってタイプの方が、選択的非常勤をされているという感じです。
非常勤の先生の処遇には、それはそれで解決しなくてはならないものがありますが（時給といっても、準備も採点もご自宅でされているから割に合わなかったり、生活指導やいろいろな共有についての正規の職員の意識だったり。）
なんかいいなと思っていました。
私、講師の先生好きなんです。特に、子育てしてからは、本当にすごいなあと心から尊敬していました。
その分野のプロフェッショナル。腕一本で、やっているって感じ。いきなり教室に入っていっても授業ができるのだもの。
「私、失敗しないので。」みたいな雰囲気。かっこいいです。
「この先生に、我が子も教われたらどんなにいいだろう」と思う時間講師の先生、たくさんいました。
それに、依存先は多い方が、豊かな人格を形成できるのではないかと思います。世界中旅行をしている方もいて、何ヶ国語も話せる国語の先生がいました。子どもたちの目は、異国の話を聴いてキラキラしていました。
もちろん、だったら全員時間講師で！とはいきません。
「おはようございます」から「さようなら」まで、ずっといる人は必要です。
でも、非常勤講師の先生に、見習うところがあるようにおもいます。見下している先生が少なからずいるのは残念なことです。
正規の教員も副業して良くない？
本題に戻って、非常勤講師はいいのに、なぜ、正規の教員や常勤の講師の先生は、副業禁止なのでしょうか。
先生という立場を悪用して、生徒や保護者に何かを売りつけちゃうかもしれないからでしょうか。世間のイメージを悪くするような職業を行なわれたら、学校が困るからでしょうか。副業に時間を割いて、本業がおろそかになるからでしょうか。
私は、そのどれも、いくつかの策を講じておけば、解決できるのではないかと思います。
性善説だと笑われてしまうかもしれませんが、先生をやる人がやる副業って、そんな悪いことしないと思うんです。同僚や、地域とか保護者とか、児童生徒に抱かれる印象だって気にすると思います。そもそも先生の仕事って、際限がないし、いくら時間があっても足りません。時間さえ過ぎれば、という給料泥棒みたいなことは難しいです。
でも、一部、同じお給料でも、仕事量おかしいなって方はいます。そういう方は、副業禁止でも、正直言って、他の人がカバーしなきゃいけない働き方をしています。だから、副業OKでもNGでも、関係ないと思うのです。
ここでチラッと出てくる給与形態のメリハリって、管理職の偏見でみた技量じゃなくて、単純に仕事量でつけてくれるのなら、必要だなと思います。
11ヶ月前の動画とのことです。出てくるデータは少し古いかもしれません。あしからず。
わかりやすかったので、ぜひご覧ください。 【以下、上記リンクの動画からスクリーンショットです。ABEMA Prime ＃アベプラ公式 から拝借します。】
若い人たちが、なりたいと思える職業であってほしいと切に願います。命を輝かせるために選ばれる職業であってほしいです。
この動画も、前回記事の友人が教えてくれました。教員経験者ではないし、教員免許もお持ちでないのに。こういう方がいるってことが、希望。
副業の話に戻ります。
私は、正規の教員が副業をしても、それでその先生が人間らしく生きられるなら、それは、子どもたちに還元されるのではないかと思います。
部活も、副業ってどう？
今、部活動の地域移行やっていますね。これが、夫の頭痛の種の一つです。夫は、簡単にいうと部活やりたい派です。中途半端な地域移行に頭を悩ませています。
また、休職や離職をした人が大きな原因としてあげることが多いものに、専門でない部活を受け持つ苦痛があります。
これを語ると、また一つ記事が必要になるのですが、これも、教員の業務から一度剥がしてみてはどうでしょうか。「クラブや部活は、教員の仕事ではない」とするのです。
そして、同時に、部活をやりたい方には、副業としてそのまま取り組んでいただきます。部活がやりたくて教員になっている人もたくさんいます。好きなことを頑張っている子どもの成長は、何ものにも変えがたい感動があります。
部活をやる人は、そこで給料とは別に報酬がもらえます。やらない人は、お家に帰るか、他の副業をしていいのです。
実を言うと、外部指導員さんには、教員の部活動手当てよりも多くお金が出ています。でも、結局は、教員が生徒を引率したり、大会の申し込みし、活動日時の連絡をしたり、会計業務や保護者対応（外部指導員さんに対するクレームなどを含めて）までしているのです。
一方で、部活だから集まる仲間がいて、部活だからできるスポーツや文化活動があって（経済的理由とか）、普段の様子も見ている先生が部活でしか教えてあげられないこともあります。また、部活動で培われた関係性や自己有用感が学校生活によい影響を及ぼすこともあります。
完全に地域移行して、先生がやる部活をなくすのはどうなのかなと思います。でも、生活を犠牲にしてやるのも違う。
だからせめて、部活にかかった時間は、外部指導員さんと同じお金をもらいたいですよね。あくまでも、勤務終了後に、一生懸命指導している場合ですが。
朝の7時開門の話題もありますが、それも7時に来て見守りをしてくれる先生がいるなら、せめて学童の方と同じくらいの報酬を払ってもらえればなと思います。
「朝は早く来るけど、定時で帰ります。」
って人もいてもいい。
そんな雰囲気ができてくるのではないでしょうか。要は、マインドを変えたいのです。
副業OKで見えてくる3つの可能性
勤務時間以外は、先生は１個人として自由な生き方をしていいという雰囲気の醸成により、長時間勤務やメンタル面での休職が減る。
先生が自身の専門性や特性を活かした教育活動をしやすくすることで、子どもたちが質の良い教育を受けることができる。
共働き世帯の増加に対する様々な問題に対応できるようなフレキシブルな雇用形態が実現できる。
おわりに
すごく、言いたくないことを言います。
部活動指導に邁進する先生で、離婚されている方多いです。
朝早くから、夜遅くまで、休日もそこにいてくださる先生に支えられているのが学校の現実です。
教職と結婚したと言ってもいい独り身の方や『虎に翼』の花江ちゃんのような家庭人に陰で支えられている方。
そういう方がいるからなんとか成り立っているのを感じます。
そして、保護者の立場からするとそういう先生が「良い先生」なんですよね。
いろいろな先生がいるから、いろいろな生徒に対応できるのであって、保護者の方の要望とのバランスも難しいです。
先生の笑顔が、子どもたちの笑顔になることは、お家の中と同じだと思うので、応援して欲しいです。
たつりころも
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