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昔作ったMD、カセットテープその4【KICK THE BEST CAN CREW(上)】
20代の頃、日本のヒップホップにハマりまして特に好きだったのがKREVAのいたキックザカンクルーでした。何回か音楽記事でも紹介してますが、世代的にそのKREVAの作るサウンドにもの凄い「同時代性」という感性の一番深いところでずっとなっている原風景的な、そんな何かを感じさせてくれた僕にとって唯一無二のサウンドでもありました。これが出来るのはやっぱり天才だけなのかなとか思ったり。等身大、同時代性を感じさせる音楽という意味では人生で一番ハマったアーティストかもしれないです。そして彼らの音楽も当然のことながら当時夢中になって制作していたMDに自分で好きな曲集めて入れて作ったりして、今回のこのシリーズは前置きが長くなりましたが初めて単独のアーティスト、キックザカンクルーでやっていきたいと思います。前半後半2回に分けてですが、早速どうぞ。
旅人
これは彼らのライブの始まりにかかっているSEで。僕が唯一持っているキックザカンクルーのライブDVD「KICK THE CAN KREW LIVE 旅人~STEP IN THE DAY~@HIBIYA YAGAI ONGAKUDO 2004.06.20」の始まりにも流れていて「かっこいいな」と思いこのMDにも初めに持ってきました。オリエンタルな響きがシルクロードを思わせて、時代を超えていく時空の旅へ意識が飛んでいくトリップ感がいいですね。
GOOD TIME !(ver.2001)
キックザカンクルーはメジャーデビューする前にもかなり楽曲を発表していて、この曲はインディーズで出した曲を集めたベスト盤から。この曲を初めて知ったのは件のライブDVDでして、解散前最後のライブでラストとかかなり感動的だったりします。その中でも中盤からヒット曲のオンパレードな中でこの曲も入っていて知らなかったですが、一発でそのノリの良さにやられました。10代の頃は引きこもりとかで大人しかったですが、20代になって遅まきながらこういうヒップホップ的なちょっとアドレナリン出した若気の至り的なムードに憧れ、遅まきながら頑張って取り戻そうと力んでいたのも何か懐かしいです。
イツナロウバ
これはメジャーデビュー後のシングルですね。ラジオからかかってきたのを偶然聞いて「めっちゃかっこいいやん」とこれまた一発で気に入りました。後にメジャーデビュー後のベスト盤借りていろいろ知っていったりしましたが、やはりその中でも上位に来るくらい今でも好きな曲です。あれから15年以上経ってあの頃のまだギリギリ思春期の感受性の残っていた、いろいろ今は見えなくなった世界も見えていた、あの感性でとらえたものがこの曲とシンクロして余計に好きだったんでしょうね。今もいい曲だとは思いますが、若さの深いところに持っていかれる感じはニューロンの鎖が切れたのか、もうあんまりないってのが、歳を取るってことですかね。仕方ないです。もっと見ていたかったけど、青春はいつか終わりますね、やっぱり。寂しいことですが。
Color Variation(feat.SANAE)
この曲もインディーズ時代のベスト盤で知りました。メジャーデビュー後のベスト盤もいいですけど、このインディーズ時代のベスト盤もほとんど楽曲のレベルが同じで驚きました。この曲を始め好きな楽曲が目白押し。KREVAがずっと同じ高いところで音楽作っていたことがよく分かります。早熟の天才やったんかな、やっぱり。こんな都会的なライフスタイル、恋愛に憧れはしましたが、耳だけでそっちへ行くのが精いっぱいではありました笑。
マルシェ
キックザカンクルーで一番くらいに有名な曲なんじゃないでしょうか。関西のFM局、FM802でもヘビーローテーションに選ばれてよくかかっていましたし。ノリがいい聴きやすい曲ですね、大昔のアメリカのジャズのサウンドをサンプリングしたみたいな感じもします。詳しいことは調べられてないので申し訳ないですが。あと余談ですが去年、阪神の佐藤輝明三塁手が自身の登場曲に使っていて「世代やないのに知っているんや」と驚いた記憶があります。今年も使っているんかな、ちょっと観てないので分かんないです。すいません。
クリスマス・イブ Rap
時期的には全く今は逆の真夏ですけど、クリスマスの雰囲気が一気にあの季節に連れて行ってくれるクリスマスの名曲です。山下達郎の永遠のクリスマスナンバーを大胆にサンプリングして、そのセンスのよさを見せつけた楽曲で、これまた一発で持っていかれました。山下達郎の曲も失恋ソングでしたが、これも今時の若者の等身大の失恋ソングみたいな感じで共感性がシングルだったらヤバい感じが身に沁みてきますね。カラオケで歌ったら男女問わずに同情されるくらいに笑。
united rivers
これは歌詞が好きですね。「踏ん張りが見つけ出した自分らしさ」とか。あの当時引きこもりからで出して新聞配達やってなんとか乗り越えようともがいていた僕に深く刺さった歌詞です。トラックもカッコよくて好きですし、本当にかっこよく頑張れる力を与えてくれた、僕の中での応援歌の名曲でもあります。キックザカンクルーの曲はトラック、音楽がいいのも多いですがそれと同時にリリック、歌詞が等身大で生きる僕らに寄り添ってくれる絶妙な塩梅がたまらないです。そこはKREVAだけじゃなく、LITTLEやMCUのライムも響いてきたりして、やっぱりトータルでキックザカンクルー全員好きですね。
ユートピア(ver.2001)
これも件の解散ライブのDVDで知った曲で。キックザカンクルーの曲の中でも一番好きな曲の一つです。特にMCUのライム「どれだけ歩けば救われるのか どれだけ歌えば報われるのか がむしゃらな思いシュートした いまだ見えないあのユートピア」とかが僕自身、どれだけ頑張ってもなかなかひきこもりで作ったマイナスな時間がチャラにならない人生に重ねて、ある時昼ごはん家で食べながらこの曲がランダム再生で流れてめっちゃ刺さって号泣したこともあるくらい、歌詞も、そして音楽も最高な一曲だと思います。
one for the what, two for the who(ver.2001)
前半最後の曲です。夏の季節感、浮遊感、日常感などが等身大でセンス良く表現されていて、結構好きな曲です。インディーズの曲の方がメジャーのプレッシャーがない分、本当に自由に思ったこと表現できている感があって、親近感が湧きます。またそれが名曲でもあるから余計に凄いなとか。メジャーデビュー後はその感性が強化された感もあり、強さとしなやかさも加わって、それもいいし。ホント、活動期間は1997年くらいから2004年と(あ、ちょうど僕が引きこもっていた期間と重なる笑)短いですが、濃密な若い一番いい時期にしか出せないエキスを抽出してくれたことに感謝したいくらい、いい音楽たくさん世に出してくれました。改めてありがとう、です。
これにて前半は終了です。後半はまた時間空くかどうかは気まぐれですが、そのうちにやりたいと思います。前半の方がインディーズ時代の曲多めでしたが、後半はメジャーデビュー後の曲が多いと思います。最後におまけとして「HEY! HEY! HEY!」初登場時の映像と、「木梨サイクル」で楽曲制作をメンバーが語っていた貴重な動画があったのでそれを載せておきます。ではまたお会いしましょう。