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80年代個人的邦楽10選

80年代は邦楽も何か情緒溢れていて好きでした。テレビでは歌番組全盛でまだ小学生でしたが、毎日どこかしらのチャンネルで「ベスト10」的な歌番組やっていて、家族でテレビ見ていた時代でしたから、子ども心にもその当時のヒットソングは記憶に残っています。後追いでよく聞いていたのは洋楽の方が多かったですが、一通り洋楽聴いた後で邦楽も改めて聞いてみると、いい曲が多いなあって思ったりします。特にチェッカーズは今聴いても、その当時の時代の空気感が半端なく伝わってきて、タイムスリップしたような高揚感が得られます。3曲も選んでしまいました、すいません。他にも中森明菜全盛期の歌いっぷりと来たら、カッコいいことこの上ないです。まあそこら辺の解説やコメントは個々の歌でやりたいと思います。では早速どうぞ。


SWEET MEMORIES / 松田聖子 (1983年)
松田聖子は小学校上がったらもうアイドルの中ではかなりベテランというか、長くテレビに出ている人、みたいな感じで、詳しくはないのですが、ピークはもう少し過ぎたくらいだったのではないでしょうか。1985年とか。でもまだまだ絶大な人気があったことは、当時のクラスメイトの女の子たちが小学1年か2年だったりしましたが、「松田聖子」がいいか、「中森明菜」がいいか、すごく言い合っていたのを覚えているので、日本中でまだまだ日常の話題の中心にいたのだろうな、と思ったりします。この曲はそれより少し前で、個人的に一番聞きやすくていいバラードだなあ、って思います。特にこのPV。本当に記憶の片隅で、5歳くらいの僕がテレビで、CMだったのかな、よく分からないですが、やっていたのを見ていたような。で、この記事書くにあたって見つけて、「そうだったかも」なんて思い出したりして、いい体験出来ました。


翼の折れたエンジェル / 中村あゆみ (1985年)
これは80年代の邦楽でもかなり好きな曲です。何というか、あの頃のヒリヒリした風を感じる、「ホットロード」という10年前に能年玲奈主演でやっていた映画の原作漫画の世界観というか、80年代だからこその情感、不良性、ノスタルジー。僕自身は世代でもないし、不良するほどの根性もなかったですが、憧れる、はみ出たからこそ触れることの出来るあの「ヒリヒリした風」に今でも憧れたりします。不良がモテるのも、何となく納得みたいな。原体験ある人はもっと没入できるのではないでしょうか、この世界観に。


ff(フォルティシモ)/ HOUND DOG (1985年)
カップヌードルのCMソングだったみたいですね。さすがに小学1年だったのでそこまで覚えていないですが、この曲は子供心に刻まれて、後追いで何十年経って聞いてみると80年代の名曲だって思ったり。少しずつアリーナクラスでライブやる日本のバンドが増えてきたのと同時に、そのスケールで何万人の観衆の心を掴めるエネルギーを持った音楽も、それに比例して日本でも作られ始めたり。音楽の成長していく様が見て取れる時代だったんじゃないかな、と今振り返ったら思ったりします。いい感じのPVがあったので、本人たちは出ていないですけど、これで。


熱き心に / 小林旭 (1985年)
80年代を代表するクリエーター大瀧詠一作曲のこの歌が、何故かとてつもなく郷愁を誘い、子ども心にも響きまくっていました。あまり詳しくはないのですが、邦画全盛期の銀幕スター「小林旭」をこうまで飛翔させたのは、やはり大瀧詠一のセンスのいい音楽によるところが大きいのではないかと、後追い世代で偉そうなことは言えないのですが、そう思ったりします。あの当時の子供心の空に永遠に伸びていくようなサウンド、子どもが聞いてもそう思える音楽って本物なんじゃないでしょうか。やはり大瀧詠一は偉大な才能の持ち主だったと思います。


DESIRE ー情熱ー / 中森明菜 (1986年)
80年代最高の歌姫だと思います。聖子ちゃん派と明菜ちゃん派に分かれていたらしい当時の世相ですが、やっぱり二人の音楽性というかアイドル、アーティストとしての方向性が異なって、それも高いレベルで音楽やっていたからこそ、これだけ二分されるのだなあ、と思ったり。僕もどっちも今聴いたら良いと思うのですが、強いて言えばこの曲が圧倒的過ぎるので「明菜ちゃん」に一票を投じます笑。それくらい、このパフォーマンスは日本の音楽の歴史においても群を抜いているというか、神が宿っている、そんな畏敬の念さえ抱かせる圧倒的な存在感ですね。たぶん巫女的な憑依体質で自分を「空」にしてすべてを捧げる真の芸術家だったからこそできる、凄まじいオーラとかさえ感じます。ちょっと大げさかも、ですが。影の要素がまた惹きつけられるとかよく言われていましたが、やっとわかってきました、僕にも。あんまり部外者がいろいろ言うのもアレなので、すいません。でも凄いです、この人は。あの頃は子どもでそこまで思わなかったですけど、今見ると、その凄さが分かってきました。


Song for U.S.A. / チェッカーズ (1986年)
チェッカーズが天下取っていたことがよくわかる曲だと思います。今聴いてもいい曲が多いですもんね。その中でもこの曲が一番くらいに好きですね。バイブスがもう頂点にいる存在にしか出せない感じがしていて。しかもアメリカに対等に並んでいる、そしてそのアメリカを追い抜いたという当時の日本経済の勢いそのままの歌詞も、大胆不敵というか、凄いです。チェッカーズが歌い、またこの曲がいいので、それにも説得力を持たせている感じもします。80年代の楽園をそのまま切り取ったような、だから今聴いても、今がこんな時代だからこそ余計に、響いてくるのかな、と思ったりします。戻りたいけどね、あの時代に──。子供でしたが、人生最高の日々でもありました。それもちょっと寂しいな笑。PVは時代を感じますが、それもいいです。


I love you, SAYONARA / チェッカーズ (1987年)
この曲もカッコいいですね。うーん、こんなこと言ってみたい憧れはありますが、言える男は限られるでしょう笑。藤井フミヤが言うからこその、歌で、カラオケで歌うと少し空気が変わったり、まあ気にしないようにしていますが。でもいい歌で歌いやすいので結構、世代ではないのですが、ミスチル歌うみたいに最近はよく歌っている曲でもあります。80年代の純粋性が現れているようで、時代の空気感を感じさせる、本当のスターだったんだな、って改めて思ったりします。PVはライブ映像で、そのまま藤井フミヤのコメント長めに入っていますが、全盛期のチェッカーズの凄さが垣間見れるのではないでしょうか。


GROLIA / ZIGGY (1988年)
ここら辺に来るともう90年代、平成な感じが出てきますよね。でもギリギリ80年代の良さも纏って、90年代の成熟の予感もさせて、稀有な名曲なんじゃないでしょうか。この曲自体、僕は最近まであんまり知らなかったのですが、古い友人とキャンプに行った時にスマホから流れてきて、懐かしいというか、何というか、やっぱり時代の空気感というものをこの曲からも感じてテンション上がりました。教えてくれた友人には感謝です。でもこれはロックの永遠の名曲ですね。世代ではないのですが、そう思ったりします。90年代邦楽ロックの原型がここにあるみたいな、そんな感じもします。


DIAMONDS(ダイアモンド)/ プリンセス プリンセス (1989年)
あの頃みんなプリンセスプリンセスのこの歌を聞いていたんじゃないでしょうか。それくらい、1989年と言えば、この曲みたいな、ホント時代の空気感(やたら使ってごめんなさい)をそのまま内包して、この時代に持ってくる、そんな音楽の魔法がこの曲には宿っている気がします。小学5年とかでもう早い子は音楽に目覚めて聞き始めていたりしていましたが、僕はそうではなかったですね、まだファミコンがよかった子供でしたから。内向的な性格で、それは今も変わらないですが、こういう陽気な世界観に憧れはあり、届かないバブルな光とともにあの時代を思い出すような、ませたような、そうでもないような、よく分からない「思春期」の始まりを告げる時代に鳴り響いていた音楽とも言えます。だから元々が陰にこもるタイプなので、違う世界で遠くで鳴り響く感覚は当時からしていたのではないでしょうか。今思うとそう感じます。でももうそろそろ明るい世界も肯定していきたいですね笑。


Cherie / チェッカーズ (1989年)
チェッカーズ3曲目ですが、これは外せない名曲なので入れさせていただきます。これを知ったのはおそらくテレビ東京だったか忘れましたが、「カセットミュージック」とかいう80年代にみんな好きな曲をカセットテープに入れてカーステレオで聴きながらデートしたとかの文化から、そういう趣旨で番組やっていて。そこで誰かは忘れたのですが、チェッカーズのみんなが知っている初期の「ギザギザハート」とかじゃなく中期から後半の通好みの名曲を入れていて、そこで初めて知って「めっちゃいい曲やん」と早速TSUTAYAとか行って借りたりしました。今ではチェッカーズでは一番好きな曲かもしれないです。それにオリジナルメンバーの鶴久さん作曲というのもいいですね。デビューからしばらくは外部のソングライターが書いた曲がほとんどのヒット曲を占めていたそうですが、最後らへんはこういう彼ら自身の作詞作曲で名曲を生みだしていたっていうのも、僕がチェッカーズが好きな一つの理由でもあります。平和な豊かなバイブスに溢れていて、夢を見れますね、今でもこういう曲を聞いていると。


今あの当時のバブル全盛期に付けた最高株価を34年ぶりに更新して4万円台に突入したとかニュースで言っていますけど、全然時代は違うし、なんか裏があるんじゃないかって勘繰ったりして、あんまりハッピーな気分にはならないですね、何故か。それくらい、あの時代と今は何もかも異なって、遠くに来てしまったと感じることは多いなあって、この時代の音楽を聴いていると思ったりします。懐古趣味で昔の曲ばかり書いていますけど、そうやって振り返りながら、なんとか生きるエネルギーを遠くへ根っこを伸ばすようにして、手にして何とかここを超えていく、そんな風になっていったらいいな、って思います。自分の好きな音楽や時代と繋がって、誰とも過剰に比べることなく、お金のあるなしに関わらず、自分のやりたいことに向かって生きていく、そんな背中を風のように懐かしい名曲が押してくれたなら、その道で間違っていないといつか、自分を信じることが出来るかもしれません。こんな感じでたまには羽を休めて好きな時代にタイムスリップしていきたいと思います。ではまた何かの10選で。

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