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昔作ったMD、カセットテープその3【4 ARTIBTS COMBINATION Ⅲ(下)】
前回の続きを。夏に作ったのでやっぱりそういう夏の雰囲気を持った曲が多かったように思います。邦楽ほどは四季を感じさせる曲は多くはないように思うのですが、それでも雰囲気的に夏を意識して作られたものではなくても、勝手にこっちが夏っぽいと思えるような、そんな曲が結果としてここには多く含まれていると思ったりします。昔からひとりになると黄昏てしまう悪い癖があり、それが転がって行って最終的にはひきこもりになった感もあるので、やっぱりしんどくても社会の中に留まるべきだったと後悔もありますが、鬱やらなんやらを考えるとあの当時は仕方なかったとも思います。そんな夏の侘しい感じも個人的にする後半B面のラインナップですがどうぞ。
This Time / Bryan Adams (1983年)
まだブライアンアダムスが世界的に大ブレイクする前の曲で、若々しい勢いと彼が持つ特有のさわやかさが夏の雰囲気に合っているなとか思ったりする佳曲です。まあ僕もこの当時はまだ18歳とかだったので、ブライアンアダムスと似たような年代でしたが、高校時代に「うつ病」を患い妙になんか、人生を達観したような、でも未熟なままいろいろ避けていたような、ややこしい闇も抱えていて、ここまで爽やかになれなかったので、憧れみたいな気持ちで聴いたりしていました。健康だったら青春をもっと謳歌していたんだろうな、とかパラレルな妄想に未だに取り憑かれたりしています笑。
Isn't She Lovely / Stevie Wonder (1996年)
元々はスティービーワンダーの1976年の大傑作アルバム「キー・オブ・ライフ」に収録されていたアルバムの一曲ですが、1996年のベスト盤発売と同時に初めてリミックスされてシングルカットされた曲です。当時は車のCMか何かに使われていたような記憶もあります。洋楽を聞き始めて1年くらい経ってから聴いた僕にも聴きやすくわかりやすい曲だったので結構このベスト盤のなかでは気に入って聞いたりしていました。
Fields Of Gold / Sting (1993年)
スティングやポリスも洋楽を聞き始めてすぐくらいに聞いた有名な洋楽アーティストでしたね。ポリスの「見つめていたい」とか聞いたことあるソングに出会ったりしてお気に入りになっていました。でも僕はポリスの曲よりスティングのソロの曲の方がより気に入って。大人の渋い感性で高度なロックを響かせている孤高の雰囲気が背伸びしたがりの黄昏好きな当時の僕の感性にピッタリでして。この曲とかもあの夏の黄昏たエアコン効いた部屋で流れると一気にひとりだけの誰にも世間のあの当時のから騒ぎな空気からも切り離された世界へ没入出来たりして癒されていました。そしてどんどん正しい戻り道も分からなくなっていったりしていましたね。
Badlands / Bruce Springsteen (1978年)
このカセットテープに入れた4組のアーティストの中でブルーススプリングスティーンが一番入れる曲には困ったりしていました。当時洋楽初心者だった僕にはややとっつきにくいというか、個人的にかもしれませんが、そういう「スッと」入って来る曲が少なくて、そこはアメリカと日本の文化の違いと言いますか、邦楽に慣れた耳にはどうしても洋楽特有の壁みたいなものはブルーススプリングスティーンには感じたりしていました。それはまた有名なボブディランとか、未だにあんまり聞けない感じがあったり、というところにも通じる部分かな、とか個人的には思ったりします。まあ音楽は完全に個人個人で好みが異なるので、あくまで僕の意見としてです。その中でもまだこの曲が聞きやすかったりしたのでこのカセットテープに入れております。でもこのライブ映像はブルースの若かりし頃の勢いを感じさせてカッコイイですね。
When We Dance / Sting (1994年)
相変わらずの渋い大人なバラードを聞かせてくれています。スティングとかジョージマイケルとか、もう世捨て人になっても構わないって感じの「向こうに」連れて行ってくれる圧倒的な完成度の癒しを提供してくれるから、いろいろと疲れ始めていた僕は誘われるように「部屋」から出なくなっていきましたね。思えばやっぱりこのカセットテープが入り口だったのかな、時期的なタイミングですが、引きこもりの。1997年の丁度この季節7月や8月の夏の日に、異界に入るポータルが開いていたのかって思ったりします。丁度お盆でしたし、供養されていない先祖がその存在を僕に知らしめるために。なんてすいません、またそっち系で話をしてしまいました。でも精神病を患うのは成仏していない先祖がその存在を心の優しい子孫の誰かに取り憑いて起こる現象だ、とかいう本を読んだこともあるのでそれもあながち間違っていないかな、とか思ったりしました。これだけの数の先祖がいれば結構な数の「後ろめたい」ことをしてきた先祖はいるだろうな、とか思ったりしますし。昔の話ならなおさらそうだろうし。まあどうやってあの世で成仏していくのか、考えれば考えるほどにわからなくなって、怪しい宗教に引っかかりそうなので、この辺でやめておきます笑。
For Your Love / Stevie Wonder (1995年)
これも1996年のスティービーワンダーのベスト盤で知った曲で。世間的にはやっぱり70年代とか80年代に代表曲とか多い感じですけど、洋楽初心者には90年代のサウンドも、結構分かりやすくてまとまっていて聴きやすかったのでこのカセットテープに入れたりしていたんだと思います。それまでの蓄積で「軽く」こういう名曲が作れてしまうのかな、全盛期は過ぎたけど安定して音楽が作れる、そんな時期に入っていたのかな、とか思ったりします。
Heaven / Bryan Adams (1984年)
ブライアンアダムスの曲でもかなり好きな曲のひとつで、彼の代表曲でもあります。全米1位にもなりましたし。全世界で1000万枚以上売り上げてアルバム「レックレス」からのシングルで、いかにも80年代の「いい空気感」を纏った曲として個人的に気に入っております。あの頃のアメリカには憧れましたね、後追い世代とかですが。特に映画とか好きで。「グーニーズ」「ET」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とか見ていない映画も結構ありますが、なんか伝わって来る世界観と時代の空気が好きですね。80年代のアメリカの音楽とか映画とかの文化が好きなんだと思います。
Dancing In The Dark / Bruce Springsteen (1984年)
この曲は珍しくブルーススプリングスティーンの中ではかなり時代に寄せた「売れ線」のヒット曲となっております。まあ僕はこういう分かりやすい80年代サウンドが大好物なので、あの洋楽初心者にはやや敷居が高く感じられたベスト盤ではかなりお気に入りソングになったりしていました。実際にチャートではビルボードで2位まで上がり彼自身、最大のヒットシングルとなりました。
If I Ever Lose My Faith In You / Sting (1993年)
この曲もあの夏の雰囲気の中で心地よく響いておりました。でもこの曲自体はあの当時しかほとんど聴いてなかったので、今回の記事を書く中で久しぶりに思い出して、感傷に浸っております。昔から心地よいフィーリングに浸ってしまうと、もうそれ以上行かなくてもいいやって感じになって、正直、10代のあの感性は宝物みたいなもので、直感的に「もうこれ以上はない」と思ってしまっていたので、人生これ以上頑張っても仕方ない的な、黄昏がやっぱりあの夏のエアコン効いた部屋に満ちていましたね。自殺願望にもやや近いような、若いからこそ見れてしまう独特の「タナトス」みたいな感覚ですか、精神医学的に言うと、そんな感じでした。
Stay Gold / Stevie Wonder (1983年)
この曲と初めて出会ったのはまだこの1996年のベスト盤を買う以前、まあ同じ1996年で「NOW」シリーズの確か第2弾に入っていて、聞きやすかったですし、どこかで聞いたことのある大好物な洋楽ソングだったのですぐにお気に入りになったりしていました。記憶が確かかどうかわかりませんが、確か1994年のフジテレビ系列のドラマ、キムタクとかが出ていてミスチルの「Tomorrow never knows」が主題歌に使われていた「若者のすべて」の挿入歌とかでもあったような気もします。間違っていたらすいません。ドラマとかも少し見ていて、この曲が印象に残っていて、だから「知っている」とかになったのかも、です。また元々は1983年のアメリカ映画「ジ・アウトサイダーズ」のテーマ曲でもあり、MVはその映画からとなっております。
This Cowboy Song / Sting (1995年)
僕が持っている「スティング/ポリス」のベスト盤には入っていなくて、このカセットテープ作るのにTSUTAYAで借りたスティング単独のベスト盤に入っていた曲で、その当時しかほとんど聴いていなかったので懐かしいです。スティングのオシャレな感じと、カウボーイ文化の融合というか独特の雰囲気がまたいい味を出している曲でPVだとも思います。カセットテープもいよいよラストに近づいてきた、そんな感じも漂わせていい流れなんじゃないかと思ったりします。
Heat Of The Night / Bryan Adams (1987年)
ラストまであと2曲な感じがいいですね、個人的にこの曲からそんな雰囲気を感じたりします。ブライアンアダムスに限らず1987年という年は奇数の年ということもあって収まりがいいというか、80年代の雰囲気がピークになっているような感じがして変な言い方ですが「安定している」80年代というか、そんな空気感がたまらなく好きです。1987年と言えば僕は小学3年生とかでビックリマンシールが流行ってファミコンではドラクエⅡとかの音楽がたまらなくあの当時の空気感を表現していて、懐かしさしかないですね。でも何故か個人的に小学3年生の記憶がほとんどなくて、その前後2年4年はすごい楽しくて色々覚えているのですが、未だに謎です。トラウマとかもなかったし、あ、仲が良かった2年のクラスメイトと3年で離れて人見知りなところもあってクラスにあんまり馴染めなかったのか。でも4年になって3年の時は話さなかった友達とかと急速に仲が良くなったり、うーん、やっぱりいろいろと思い出しますね。音楽にはほとんど関係ない話題でしたが笑。
Redemption Song / Stevie Wonder (1996年)
最後はこの曲で。ボブマーリーのカバーとかですが、昔そのボブのオリジナルがラジオからかかってきた時に、めちゃくちゃ夏の終わりの浜辺のサウンドって感じがしてすごい、整骨院にいたのですが、トリップしたりしていました。しかし、この曲自体は黒人が奴隷としてアメリカ大陸などに連れてこられた歴史の負の側面を歌っているので、雰囲気と少しずれてはいますが、洋楽なんでやっぱりサウンドのイメージが先行していました。この曲を知ったのはこのスティービーワンダーのカバーが先で、こっちも初見でかなり気に入って、今でも大好きなスティービーワンダーの曲でもあります。作った季節が夏だったということもあり、また人生が斜陽になっていく時期のサウンドトラックでもあり、夏の終わりが季節感を超えて胸に迫って来たりする、思っていた以上に思い出に刻まれていた名カセットテープでしたね。もうカセットテープ自体は聞けないので残念ではありますが。そんな切なさも含めてラストにこの曲で締められたのは良かったと思います。
夏の終わりに聞くと、いい感じなんじゃないかなとか思ったりします。まだ18歳とかの感受性豊かな時代で、やっぱり若い時が一番物事の本質を直観でとらえる力はあったかな、とか。音楽に逃げていた時期でもあり、そのやるせない感性が音楽で癒されていたのかも、です。カセットテープの選曲とかして録音している時が今も昔も一番楽しい時間やったなあ、でももうそういうMDやカセットテープはもう手軽には作られへんなあ、とか思うとちょっと残念ですが、時代の流れということで受け入れるしかないですね。まあもうそんなに自由な時間もないし、生きて行くために勉強や仕事に費やさないとそろそろヤバいし。若い自由な時間がつかの間見せてくれた世界をこういうカセットテープとかの曲順で辿っていけるのは、昔の僕からのタイムカプセルみたいな感じがして、いいかなとか思ったりします。もう少しいろいろ残しておけばよかったとも思いますが、あまりにもたくさんあり過ぎて捨てたかった時の気持ちも仕方ないか。いろいろな時間を経て今があるということで、今回は終わりにしたいと思います。またA面B面のラインナップを最後に掲載して。ではまた何かの10選とかで。
「4 ARTISTS COMBINATION Ⅲ」(1997年7月14日作成)
A面
1 Summer Of '69 / Bryan Adamas
2 I Just Called To Say I Love You / Stevie Wonder
3 Born To Run / Bruce Springsteen
4 Can't Stop This Feeling We Started / Bryan Adams
5 Fragile / Sting
6 Streets Of Philadelphia / Bruce Springsteen
7 Kiss Lonely Good-Bye / Stevie Wonder
8 Born In The U.S.A. / Bruce Springsteen
9 Part-Time Lover / Stevie Wonder
10 (Everything I Do) I Do It For You / Bryan Adams
11 Englishman In New York / Sting
12 Overjoyed / Stevie Wonder
13 Please Forgive Me / Bryan Adams
B面
1 This Time / Bryan Adams
2 Isn't She Lovely / Stevie Wonder
3 Fields Of Gold / Sting
4 Badland / Bruce Springsteen
5 When We Dance / Sting
6 For Your Love / Stevie Wonder
7 Heaven / Bryan Adams
8 Dancing In The Dark / Bruce Springsteen
9 If I Ever Lose My Faith In You / Sting
10 Stay Gold / Stevie Wonder
11 This Cowboy Song / Sting
12 Heat Of The Night / Bryan Adams
13 Redemption Song / Stevie Wonder