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大人も学びたい「知育」の話

column vol.1320

先週、【「文系」は想像力を磨く】という記事のなかで、これから時代は、想像力を磨いていくことがますます必要になりそうだとお話しさせていただきました。

そんな中、大人の学びにも参考になる「知育」ゲームがあります。

〜といっても、昔からあるゲームです。

最近、子どもたちの間で「麻雀」が人気なのをご存知でしょうか?

〈TBS NEWS DIG / 2024年9月12日〉

…普通は、ドンジャラですよね…

一体なぜ麻雀が人気なのか?

今日は、子どもに人気の知育ゲームから、次なる時代の学びのヒントを探っていきたいと思います。


麻雀は“IQを上げる”脳トレ

子どもの麻雀ブームを表す場所が、『ニューロン麻雀スクール』

全国に提携160校あり、会員数は6万人麻雀スクールなのですが、毎月、子どもを対象にした講座を開催するとオープン前に大行列ができるほど人気なのです。

スクールに通う最年少は4歳! 

生徒の数も4年間2倍に増え、2000人以上になっています。

流行りのアニメやマンガが影響しているとのことで、例えば、配信サイトで人気の『咲-Saki-』は、女子高校生たちが部活動の麻雀青春を捧げる姿共感を呼んでいます。

また、少女マンガ雑誌「なかよし」で連載した『ぽんのみち』は、麻雀初心者の女子高校生主人公大ヒット

中には、ゴリゴリのギャンブル麻雀マンガである『哲也~雀聖と呼ばれた男~』ハマる中学生もいるそうです。

『哲也』といえば、私が学生時代の頃読んでいた作品ですが、今も愛されているのですね〜

もちろん、麻雀が単なるアニメやマンガの影響だけではなく、知育としても期待されています。

脳外科医の東島威史先生によると、麻雀をすると子どものIQが上がるという研究論文もあるとのこと。

実際、20人の子どもを対象に、麻雀スクールに通う前と、1年間通った後で、IQ性格について調査したところ

●IQが約8ポイント上昇
●コミュニケーション能力や集中力が上昇

という結果が出たそうです。

東島先生は、このことについて

「色んな人と感情や体験を共有できるところが、言語能力の上昇に繋がったのでは」

と分析。

私はここにポイントがあるのではないかと考えています。

「リアル」での触れ合いがカギ

昨日、【“売らないお店”の進行形】という記事でも書きましたが、EC、仮想空間が発達しても、変わらないのがリアルの価値なのではないかと思っています。

リアルの場だからこそ、感情体験より感じやすいと思うからです。

それは、最近人気の知育ゲームからも感じます。

そのゲームとは、日本新聞協会が開発・提供している『しんぶんちゲーム』です。

〈HugKum / 2024年10月27日〉

こちらは、新聞に書かれた文字や情報、そして古紙という素材を最大限に活かしたゲーム

3つのカテゴリーに分類され、合計39種類のゲームから成ります。

【3つのカテゴリー】
①コミュニケーションゲーム:新聞の記事を使って、自分だけの発想と表現で、おもしろさを競うゲーム
例)チェンジ「お母さん」…一語を「お母さん」に変えると面白い見出しを探せ!
②スピードゲーム:新聞の記事の中から、すばやくかつ的確に言葉や写真を探し出す速さを競うゲーム
例)ビッグ…新聞記事の中から、一番大きいと感じる言葉を探せ!
③アクションゲーム:新聞紙を使って、身体を動かしながら、知恵と工夫の上手さを競うゲーム
例)タワー…新聞紙で一番高い塔を作れ!

しんぶんちゲーム / プレスリリース

さらに、すごろくタイプのボードゲームと合わせて、参加者それぞれが新聞を完成させる遊びも取り入れられており、多彩な楽しみ方ができる構成になっております。

HugKum

このゲームはサイトから無料でダウンロードできるのですが、開発者の鳥取大学大谷直史先生が、このように仰っているのです。

「新聞を触って古紙のザラザラとした質感を感じて筋肉使ってページをめくって、インクの匂いも嗅いで……。複合的なあの感触を得ながらの新聞の情報収集に対して、電子媒体での情報収集は、学校・家、どこにおいても同じ情報の取り方になってしまって、世界がどんどんと平坦になっていくように思います。人間として生きる時に、何かが足りなくなっていくような気がする。
なので、できるだけ五感を使った接触をしてほしいです」。

さらに言えば、外遊びの方がもっと良い

五感を磨くことが大事なわけです。

自然など、さまざまなものにリアルの場で触れながら、それを磨いていく

それは、大人にとっても大切な視点なのではないかと感じております😊

「競技」だけではなく「遊戯」も大切

それから、もう1つ大切な視点を大谷先生は仰っています。

それは「遊戯」の大切さです。

『遊び』『ゲーム』全く違うものだと僕は捉えているんです。人によっては『パイディア(遊戯)』『ルドゥス(競技)』という言い方をする人もいますが、『遊戯」『競技』方向性が全く逆です。「競技」はかっちりと決められたルールの下で競う。『遊戯』っていうのはルールなんてなくて、むしろルールを破ることが大事だったり、盛り上がればオッケーなものです。
この2つの違いを前提に考えてみると、AI は多分『競技』しかできないので、AI社会では世界は次第に競技化していくと考えられます」。

大谷先生は、「遊戯」「遊び」と表現できる「パターンから外れること」人間にしかできないと指摘しており、遊ぶ能力は今後大事になるはずだと予見されています。

確かに、私も幼少期を振り返って、一番クリエイティビティが磨かれたのは、社宅生活での「外遊び」にあると思っています。

私には3つの上の兄がいるのですが、弟と一緒に社宅のメンバーと遊ぶのが嫌だったらしく、私を仲間に入れてくれませんでした(笑)

当時、同じ年の子がいなく、後は自分よりも年下の子ばかり

その子たちと一緒に遊ぶわけですが、私が一番年上ということもあり、毎日の遊びを考えるのが役割でした。

…ただ、外遊びといっても、ドロケー缶蹴りなど、レパートリーなんてそんなにないわけです。

だから、同じ遊びだけど、ルールを変えたり、ちょっとアレンジを加えたり、いろいろ工夫が始まる。

さらには、全く新しい遊びをつくることもありました。

今はコンピューターゲームなど、ゲームが溢れているから、型通りのものをやっていても飽きることはないですが、昭和の時代創意工夫がなければならなかったわけです。

毎日、五感を磨きながら、クリエイトする。

考えてみれば、新聞だって、昔からさまざまな子どもの知恵遊び道具になっていたわけです。

麻雀に、新聞と、私が物心ついた頃からあるものに、再び光が当たっているのは、何か人間が人間としての価値を高めていく上での、ヒントが詰まっているような気がする。

今後もこうしたことに着目して、これからの学びを考えていきたいと思います😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!


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