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「静かな人」の天才的能力
column vol.1159
以前、【「内向型の人」の凄い力】という記事を書いたところ、多くの方々に反応をいただけました😊
一説には、日本人の実に95%は内向型遺伝子を持つとも言われており、もしもこれが事実だとすれば、反応の多さは納得できるところです。
そして最近、マンハッタン精神医学センター精神科医の大山栄作先生が『精神科医が教える「静かな人」のすごい力』という本を出したことで、さらに内向型にスポットライトが当たっていくような気がします。
さまざまなメディアでも、同書の抜粋記事が紹介されておりますので、今日は改めて「静かな人」の素晴らしい力についてお話しさせていただきたいと思います。
ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。
「ギフテッド」の75%以上が内向型?
社会的には外向型の方が重宝されやすいイメージがありますが、内向型も負けてはおりません。
実際、レスリー・ソードの『Gifted and Creative Services Australia』にはギフテッドの割合に言及があり、IQ160を超える人の75%以上が内向的であると結論付けているのです。
〈現代ビジネス / 2024年3月13日〉
ちなみに「ギフテッド」とは、生まれつき突出した知的能力や芸術的な才能を持っている人のこと。
アインシュタインやビル・ゲイツも「ギフテッド」と言われています。
内向的な人が高い知能を誇るのは脳の仕組みからも言及できるそうです。
外向的な人は社会的交流や刺激的な外部環境を好み、
内向的な人は静かで孤独な環境を好み、一人でくつろぐ時間を必要とする。
それは遺伝子レベルでも説明できるのです。
ドーパミンの受容体の遺伝子(DRD4)には個人差があります。
【外向型】
DRD4遺伝子が長く刺激の許容量が大きいため刺激に鈍感。さらなる刺激を求めることに意識が向く。幸せを感じるためにはドーパミンをより多く必要とする。
【内向型】
DRD4遺伝子が短く刺激の許容量が少ないため刺激に敏感。刺激を抑えようとする。ドーパミンが多すぎると疲れてしまうため、ドーパミンが増えるのを避けるように予めプログラムされている。
脳の中に流れる血の量や流れる経路も異なります。
内向型の人は脳内に流れる血の量が多く、血流量が多い。
それだけ活発に働いているわけです。
また、内向型の血液が外向型に比べて、「思考」に携わる部分に流れていることも分かっています。
記憶したり、問題を解決したり、計画を立てたりといった内的経験に関わる部位に流れているのです。
当然、目的を理解してタスクを処理する能力に優れている。
知能指数も高い傾向にあるわけです。
一方、外向型は視覚や聴覚、触覚など感覚情報を処理することが得意とのこと。
外向型と内向型、2人1組で上手くいく
つまりは、外向型と内向型の組み合わせこそが大事だということです。
それは、ダム・グラント、フランチェスカ・ジーノ、デビッド・A・ホフマンがアメリカの宅配ピザチェーン57店を対象に実施した調査結果からも見て取れます。
〈PRESIDENT Online / 2024年2月29日〉
その実験とは、外向型の人と内向型の人の組み合わせによる成果の違いを明らかにするというもの。
結果は以下のようになりました。
●従業員が内向型+上司が外向型
→内向的な上司の場合よりも利益が16%高くなった。
ところが、
●従業員が外交型+上司も外向型
→内向型の上司の場合よりも利益が14%低くなった。
つまり、外向型同士は組み合わせとしては、あまりよろしくないことが、ここから分かります。
組織のトップにはカリスマ型(外向型)とサーバント型(内向型)、それぞれのタイプがいますが、どちらであっても、組織全体で2つのタイプがバランス良く組み合わさっていることが大事であるということが、ここからも見えてくるでしょう😊
内向型は「独創性」を生む
そして、内向型、外向型で、自分を高めていくという点でも違いが見られるかもしれません。
例えば、外向型の人は様々な人に会い、様々な刺激を受けて自分をアップデートしていく。
特に外向型の人は反射的に反応するのでトレンドに乗っかるのは得意なようです。
一方で、内向型は「独創性」を磨くと言われています。
〈東洋経済オンライン / 2024年3月5日〉
〈東洋経済オンライン / 2024年3月10日〉
内向型の人は、自分の内的世界に時間を使う傾向にあるので、結果的に独創性も高い傾向にあるとのこと。
ファッションの世界でデザイナーたちが独創性を示していますが、内向型が多いことはよく知られています。
つまり、独創性なファッションを生み出すのは内向型が得意で、乗っかるのは外向型が得意。
あくまでも傾向の話ですが、そんな風に言えるかもしれませんね☺️
ちなみに、アップルには「2人のスティーブ」がいたのをご存知でしょうか?
一人は、かの有名なスティーブ・ジョブズ。
もう1人はアップルの土台となった最初のパソコンをつくったスティーブ・ウォズニアックです。
ウォズニアックは内向型だったのですが、実はアップルの成功は、彼の力が大きかったと言われています。
精神科医の大山先生も
ウォズニアックが人間的な魅力ではジョブズをしのぎ、アップルの発展の礎を築けたのは、好きなことに没頭する純粋な精神性とそれがもたらす独創性が大きく影響しているのです
と、ウォズニアックの功績を称えております。
〜ということで、改めて外向型と内向型それぞれが世の中には必要ということを感じていただけたのではないでしょうか〜
そして最近、結局のところ自分はどっちなのだろうか…?と思うところです…😅
本日も最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました!