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自分が"ない"も宝なり

column vol.1322

昨日は、【偏愛は宝なり】ということで、AI時代「偏愛」こそカギという話をさせていただきました。

自分の “スキ” がある方は、まさにチャンス到来の時代です😊

一方、偏愛がない方は、どうなのか?

私は、考え方次第では「最高!」と思える未来になると思っています。


“空” という考え方

偏愛がないどころか、自分がない。

そう考える方も多く、コンプレックスに感じている人もいます。

一方、そんな方々に対して

「自分が"ない"からこそ、最高である!」

と、エールを送っている方がいらっしゃいます。

SNSで大きな話題となっている書籍『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』の著者、しんめいPさんです。

〈サストモ / 2024年9月4日〉

東京大学法学部卒業で、大手IT企業に入社し、海外事業で世界中を飛び回るような華々しいキャリアを歩んだしんめいPさんは、ある日、東洋哲学に目覚めます。

そこから導き出された答えが「自分が"ない"からこそ、最高である!」という考えで、これは古代インドの哲学者である龍樹りゅうじゅによって説かれたくうという概念からきています。

これは、世の中のありとあらゆるものは言葉がつくり出したであり、本来全てのものは、境界線がなくひとつながりになっているという考え方。

例えば、池辰彦という人間は、周りの人の間では「一人の人間」認識されますが、単なる原子の集合体と見ることもできるわけです。

逆に、地球を1つの生命体で考えれば、私はあくまでも地球の一部でしかない。

…何だか、奥深すぎる話になり過ぎてしまうような気がするので…、この辺にしておきますが…

「世の中の全てに境界線なんてないんだよ〜」いうのは、吉野源三郎さんの名著『君たちはどう生きるか』にも書かれている考え方と同じですね。

空っぽだからこそ、見えるものがある

しんめいPさんは、「自分らしさ」も大切であることは間違いないと仰っている前提で、その自分らしさ足枷になる場合もあると指摘されております。

「最近は、いろいろな性格診断が流行っていますよね。『あなたはこんな人間です』と結果の方から『自分らしさ』を提示してくれる性格診断には、これまで見せてはいけないと思っていた自分の内面が肯定される安心感や気持ちよさももちろんあると思うんです。でも診断結果とらわれるあまり、そこからはみ出た自分の個性を受けいれられなくなってくると、逆にそれらは自分を苦しめるものになってしまう。自分が考える『自分らしさ』結局は幻である、ということは頭の片隅に持っておけると良いのかなと思います」。

私も思い当たる節がありまして、つい数年前まで自分「外交的な人間」だと認識し、生きてきました。

しかしある日、NHKの番組で「日本人の実に95%は内向型遺伝子を持つ」という研究結果があると知ると、

…よくよく考えてみたら、自分は幼稚園生までは内向的な性格だったことを思い出しました…

社会の空気としてある「外交的な方が良い」という風に、自分も流されていた

そんなことに気づかされたわけです。

そのことを知ってから、より生きやすくなりました

ですから、自分らしさを決めつけないことも実は大事なんじゃないかと感じたのです。

それから、しんめいPさん

「空っぽだからこそ、見えるものがある」

ともアドバイスされています。

恐らく周りの人たちの “想い” が見えることも、そうかもしれません。

空っぽだからこそ、見えてくる想い、そして価値がある。

そう感じる好事例があります。

それは、商品開発のヒットメーカーであるレッドホースコーポレーション 商品開発部部長、工藤達哉さん仕事術です。

〈AERA.dot / 2024年11月6日〉

ヒットメーカーから感じる「空」

工藤さんは、九州でナンバー1の売り上げと評判の「道の駅むなかた」開発部長として、大ヒットの「ブリ大根」など70品以上のオリジナル商品を生み出し、売り上げに大きく貢献

その経験手腕別の自治体でも活かそうと現在の会社に移り、地域の特産物を使った加工品づくりに挑戦しています。

道の駅などで販売するため、約30の自治体50以上の商品開発中するといった、まさに売れっ子

そう聞くと、アイデアマンを想像しますが、ヒットの秘訣を話す工藤さんの話から、「空」を感じることができます。

「全国を飛び回って自治体や事業者に話を聞くと、その地域ならではのいいものがたくさんある。本来のいいものにちょっとしたアイデア付加価値を生み出すのが私の仕事です」。

つまり、話を「聴く」こと主役になっている。

もっと言えば、さまざまな方々の意見・アイデアを引き出すことこそがヒットの秘訣ということです。

さらに、工藤さんは、このようにも仰っています。

「一次産品を作っている農家漁業者をはじめ、加工品にする工場の人など地元の人との幅広いコミュニケーションは欠かせません。どんな人のアイデアも否定せず、どうやったら実現できるかをみんなで考えます

「どんな人のアイデアも否定せず」、それがどんな価値として転換できるか知恵を絞りに絞っているわけです。

だからこそ、さまざまな人のさまざまなアイデアを活かすことができ、結果として自分一人では考えられないようなアイデアだったり、考え切れない数を生み出すことができるわけです。

これが、自分の考えが強いアイデアマンだったとしたら、そうはいかなかったかもしれません。

しんめいPさんの「空っぽだからこそ、見えるものがある」という言葉が重なりますね。

昨日の話につなげると、偏愛は愛の強さゆえ、周りにとっては奇抜に感じる可能性がある。

そうした中、もう少し市民権を得られるように架け橋見つけてあげられるのも、空の力なのではないかと感じるのです〜

特にリーダーは、メンバーの力を最大限に引き出すことが仕事

理想のリーダーシップにも通ずる話なのではないでしょうか😊

そんなわけで、「自分がない」という方も、それをコンプレックスに思う必要はないわけです。

「自分がある」「偏愛もある」という方は、それを活かせば良い

持ちつ持たれつですね。

ちなみに「リーダーシップ」といえば、カナダのマクマスター大学の神経科学者、スクヴィンダー・オビー博士が、権力をもった人さほどもっていない人の頭に、経頭蓋磁気刺激を行なって反応を比較した実験を行ったところ、

権力をもつと、共感に不可欠であるとされる『ミラーリング』という特定の神経機構損なわれることを発見した」

という結果になったそうです…

〈lifehacker / 2024年11月6日〉

…つまり、権力は共感力を失わせるという話です…(汗)

…ということで、私も経営を司る人間として、空の精神で社員に接していきたいと思います…!

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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