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「ミミタロウ」になる

column vol.1296

3泊4日のファスティング明け2日目になるのですが、

今、最も辛いのが「筋肉痛」です。

えっ…?断食筋肉痛になんかなるの…??

と思う方もいらっしゃると思いますが、一箇所まぁまぁ辛い所があります。

それは、「アゴ」です。

なぜかと言うと、復食の際は、口に入れたもの粉々になるまで噛まないといけず…、今、食事の度こめかみ・耳辺りまで筋肉痛の痛みが走ります…

…ということで、全く食事が楽しめない時間が続いていますが…、

「耳」「痛い」ということで連想するのが「傾聴力」です。

当社の先代社長は、よく私に「ミミタロウ(耳太郎)になりなさい」と言っていました。

社員の話をしっかりと聞く男になれ、という意味です(笑)

確かにそういうリーダー理想的

…しかし…人間、耳の痛い話は避けてしまいたくなるもの…

逃げ腰になりそうな本能を抑えるためにも、耳の辺りまで筋肉痛で痛い今、改めて傾聴力の大切さについてお話ししたいと思います。


先入観なき意見を引き出す

では、傾聴力をもたないリーダーの場合、組織にどんなデメリットが生まれるのでしょうか?

元地方FM局アナウンサーで、現在は話し方講師として活躍する高山ゆかりさんは、3点挙げていらっしゃいます。

(1)相手が言いたいことを言わなくなる
(2)トラブルを最小限に抑えにくくなる
(3)チームワークの低下も引き起こす

〈ツギノジダイ / 2023年12月9日〉

特にダイレクトに組織にマイナスになるのが、社員が様々な問題点を隠してしまうようになることでしょう。

この1年見ても、あの日本を代表する企業を始め、様々な不祥事が発覚しています…

「風通しの良い会社」というのは、どこの企業も目指すところではありますが、現実はなかなかそうはならない

いかに、リーダー・上司にとって聞くことが難しいかという表れでしょう。

また、社員の意見を聞くことで、主体的で能動的な組織風土が生まれてきます。

そうなると、自ずと社員一人一人のパフォーマンスが上がり、それが成果につながる。

ミミタロウになることを指南してくれた先代も、よく社歴が短い人(職位が低い人)から順に意見を聞いていました

なるべく上司、先輩の意見に惑わされず、意見を言う。

本音に近いところの声を聞いて、経営判断していたことを今でも思い出します。

聞くの仕組み化

こうした社員の意見を聞くことを上手に仕組み化している企業も多く見られます。

最近、記事になっていたのがフリマアプリの「メルカリ」です。

〈JBpress / 2024年9月10日〉

同社では、誰でも自由に質問や意見ができる「オープンドア」という場をつくっています。

オープンドアに上がるテーマは

●会社の方針や新規事業の立案
●新サービス開発

といった経営事業的なことから

●社内制度の導入や運用、改定

など社員の働き方福利厚生のことなど多種多様。

社員はそこで様々な会社の動向や情報を知ることができ、さらには自分の意見や感じたことをその場で伝えることができるのです。

ここで出た意見は、取締役会に上がることもあり、ボトムアップ式の経営を育んでいる。

また、メルカリでは年に数回、現在の働く環境自身が抱える問題などについて社員にアンケートを取り、その分析結果を可視化して組織にフィードバックする「Engagement Survey」を実施。

特に、社員に直接影響する評価制度福利厚生制度に関しては、毎年定期的に行われています。

「社員の声を聞く」一環としてのアンケートですが、社員の負担にならないようにも配慮がなされているようで、実施回数も一定の制限をするようにしているそうです。

これは、回答の精度が落ちたり、形式的になったりしないための工夫。

また、実施後確実にアクションにつなげることで社員の声を大切にしている姿勢が示されているのです。

外の力を活かす

とはいえ、このような仕組みを築いても、職位がある以上、もちろんヒエラルキーは存在しているわけで、経営者が期待しているほどの声を聞けない場合もあるでしょう。

その場合は、私たちのようなマーケティングコンサルタントや、ブランディングを生業にしている企業の出番です(笑)

私も主な仕事はイノベーションデザインだと思っていて、マーケティング戦略というお題はありつつも、経営層現場層の間に入って二者の気持ちをつなぐことが一番重要だと思っています。

大体、私に依頼してくださる経営者の方は、社員の意見を取り入れたいと考えている方々ばかりなのですが、やはり組織の階層というトップが思っている以上に高い

だからこそ、外の力が必要とされるのでしょう。

そんな中、大阪で興味深い試みが行われました。

18歳以下の発想を、企業の課題解決につなげるプログラム「Corp Touch(コープタッチ)」です。

〈産経新聞 / 2024年9月15日〉

イベントを主催したのは、教育事業運営会社「Unpacked」

「アクティブ感動引越しセンター」(東京都府中市)
●カーコーティング業を営む「アペックス」(栃木県宇都宮市)
「長坂養蜂場」(静岡県浜松市)
●ガーデニングやリフォームなどを展開する「ベストホーム」(岡山市)
●デイサービスや訪問看護ステーションを営む「リハプライム」(さいたま市)

5社と、中・高校生約30人産経新聞大阪本社に集め

提示された「課題」に対して、既成概念に縛られない斬新なアイデアや意見を上げ、企業担当者と白熱した議論を展開。

参加した企業は、社内だけでは思いつかなかった新しい発想を手にできたようです。

実際、参加企業の担当者は

U―18(18歳以下)と直接話してみて、イメージが変わった。これまで大切にしてきた本質も守りつつ、若者の考えも受け入れ今後の事業を活性化させたい」

と、その手応えを語っております。

実は、このプログラムを運営したUnpackedは今、私がコーディネーターを務める小売業協会生活者委員会にも参加し、力になってくれています。

私も実際に中高生と接し、たくさんの刺激をもらえているので、今回の大阪の取り組みも非常に良かったんだろうなと想像しています😊

〜ということで、傾聴力を意識して自社の経営や、企業サポートを今後も考えていければと思っております。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!


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