「自律→幸せ→利益」の好循環
column vol.1261
午後4時退社でも「国際競争力世界一」のデンマーク。
その秘訣は「部下を信じるマネジメント」にあるようです。
【本当に「ちゃんと仕事をしているのか」…午後4時退社でも「国際競争力世界一」のデンマークと、日本の職場の「決定的な違い」】
〈現代ビジネス / 2024年7月28日〉
【「部下を細かく管理したがる」日本とは大違い…!デンマークが2年連続「国際競争力世界一」になった「驚異のマネジメント術」】
〈現代ビジネス / 2024年7月28日〉
「任せる」ことができるなら、上司は部下にかかる時間が短縮され、部下も上司にいちいち了承をとる手間がなくなる。
労働生産性も上がり、利益を生み出しやすくなるということはあるでしょう。
ただし、部下が失敗すれば大きな損失を被るかもしれません…
そう思う上司の方は多いかと思います。
しかし、任せる利点は、単に上司・部下双方の手間をなくすこと以上に実は大切な点があるのです。
今回は、その最大の利点についてお話ししたいと思います。
「部下のベスト」がベスト
世界的な製薬企業であるNovo Nordiskや、ビール会社の時価総額ランキングで世界第8位のCarlsberg、知育玩具レゴ・ブロックのLEGO、風力発電機でトップシェアを誇るVestasなど、グローバルな舞台で存在感を示す企業も多いデンマーク。
そんな同国の人たちが、なぜマイクロマネジメントに陥らず「部下を信じるマネジメント」ができるのでしょうか?
それは一般的に、デンマーク人が「失敗に寛容」だからだそうです。
特に、リーダーが部下の失敗に寛容だからこそ、社員は失敗を恐れずに、安心して自分が思う最適解を信じて動くことができるとのこと。
そもそも失敗したくて失敗している人はいないわけで、上司は「部下がベストだと思ったもの」をベストだと判断する。
だからこそ、部下は仕事を自分事化でき、責任感をもって業務取り組むことができるというわけです。
ちなみに「任せる」ことの効能は、心理学の「ピグマリオン効果」でも説明できます。
ピグマリオン効果とは
という現象のこと。
日本でも「肩書きが人を成長させる」など経験値として語られる言葉は多いはずです。
最近、「自律型社員」を望む声をよく聞きますが、上司が信じなければ始まらないと思っています。
その上で、何かあったら上司がフォローする。
デンマークでもそれは同じで、部下が失敗したら上司が二人三脚になって問題点、改善点を明らかにしているそうです。
ここでのポイントも、頭ごなしにならないこと。
部下が自発的に次への一歩を考えるように導くこと(コーチング)がポイントなのです。
「自律」は「幸せ」を生む
自律型の社員を育むことは、どうやら幸せの社員を育むということと同じであることが、最近分かってきています。
共有したい事例の1つとして、積水ハウスの従業員調査があります。
〈Forbes JAPAN / 2024年7月19日〉
同社では「家を建てる客の幸福を願う」ことをモットーとして、それならば「まず従業員が幸せになることが大切」と考え、2020年11月から個々の従業員の幸せを追求する具体策の研究を続けています。
そんな同社が昨年度、新たに従業員の自律と幸せの相関を調べる項目を設け、グループ会社の全従業員2万3117人の回答を収集。
すると、自律して働いていると思っている人ほど、幸福度が高いことが分かったのです。
グラフを見ると、「まったく思わない」人は平均値が50ですが、全体の振れ幅が大きいのに対して、「とても思う」人は振れ幅が狭く、高い値に集中しています。
また、「やってみよう」、「挑戦力」、「自己裁量」など仕事への意欲に関する8項目でも、ポジティブな項目では自律していると思っている人ほど高い値を示しています。
個人の業績評価でも、ほぼ同じ結果だったようです。
この調査を監修した幸福学の第一人者、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授、武蔵野大学ウェルビーイング学部長の前野隆司さんは
と話しています。
人は「自分で考え、判断でき、行動できる」と幸せな気持ちが胸に広がっていく。
自分に当てはめてみても、まさにそうだなと感じます😊
幸せな社員が成果を出す
最近、私は「幸せ」の正体は「自律」にあるのではないかと感じていたからです。
同じ仕事でも、自分でコントロールできているのか、やらされているかで全く違う気持ちになる。
逆に趣味で楽しくゲームをしていたとしても、誰かに「あーせい、こーせい」言われたら、きっとつまらなくなるでしょう。
だから、幸せな人生とは「自分で考え、判断でき、行動できる」人生である可能性が高い。
そんな風に思っていたので、積水ハウスの調査結果はそんな考えを後押ししてくれている感じがします😊
ただ、たとえ社員が幸せだとしても、それが社員の成果に結びつくのでしょうか?
その問いに対して、前野教授はこのように仰っています。
〈STUDY HACKER / 2024年6月26日〉
他にも幸せな社員は
など様々なプラスが見られるとのこと。
そして、当然ながら「幸せな社員がいる会社は利益率が高い」という研究結果もあるのです。
つまり、
を生んでいることが、デンマークの国際競争力の高さの源泉。
そして、その好循環を育むのが「失敗を許容し、信頼する」心の文化ということなのです。
最近、自分が社員を信じられなくなった場合は
そんな自分に目を向けるようにしています。
まずは自分を信頼できるように精進する。
マイナスな気持ちを自己成長につなげるようにしているのです。
もちろん、ちょっとした愚痴を言いながら(笑)
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
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