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「今」が一番大事
vol.1377
noteがGoogleと資本業務提携したことがニュースになってから、noteの株価上昇が凄まじいですね…(驚)
上昇前は確か500円台だった株価が、昨日は2,012円(前日比11.16%↑)に。
それだけ金融市場の中で期待されているということでしょう。
いちnoterとしては、今後の展開が非常に気になるところです🤔
ただ、そんなことは置いておいて、昨日もお話しした通り、少なくとも言葉の力は磨き続けたいとは思っております。
テキストといえば、最近興味深いテキスト通話アプリがあります。
今、若者中心に利用が広がっている「Jiffcy(ジフシー)」です。
ここから、現代人の隠れた需要が見えてくる。
〜ということで、本日はその「隠れた需要」についてお話ししたいと思います。
そこには切実な想いがあるのです。
話題のアプリ「Jiffcy」とは?
まずは、Jiffcyについてです。
こちらは、電話のように相手を呼び出し、会話しているような感覚でテキストチャットが楽しめるアプリ。
Jiffcy開発者で「穴熊」のCEO、西村成城さんは、利用するメリットについて
「例えば電車の中や夜中に、家族と一緒に寝てるようなスペースでは電話できない。でも、時々緊急なことが起きたりする。そういった時にいきなり電話みたいなことができる」
と解説していらっしゃいます。
〈ABEMA TIMES / 2025年1月29日〉
LINEとの違いを説明しますと、LINEはこちらがメッセージを送り、相手が都合の良いときに返すということが前提です。
…相手が既読しているはずなのに、…何時間、何日経ってから返されることもあるでしょう…
一方、Jiffcyはリアルタイムでやり取りすることを前提に設計されている。
まさに
「電話のように相手を呼び出して、リアルタイムでテキストコミュニケーションする」
というものなのです。
ちなみに、Jiffcyの応答率は約75%で、電話よりも高いとされています。
…しかし、なぜ西村さんは「リアルタイム」にこだわったのでしょうか…?
現代人の孤独の正体
西村さんによると、アプリ開発のきっかけは、会社の運営に行き詰まったときの孤独感だったそうです。
「コロナの時期で、人と会えなくて、落ち込んで、電話をする精神的な元気もなかった。それでもLINEで『今話せる?』と送っても、返事が6時間後とかで『どうしたの?』みたいな。別に用事があるわけじゃなくて、今話したかっただけだった。そこでテキストであって、電話みたいなのができないかな…って思い、テキストとリアルタイムを掛け合わせた」
と、西村さんは仰っているのですが、…確かに、私もLINEやGoogleチャットで、誰かに相談した際、タイムラグがある間に解決してしまうことは多々ある…
でも、解決したんだから良いじゃないか、という声もあると思いますが、私はここに現代ならではの切実な想いがあると思ったのです。
よくカフェやレストランで過ごしていると、友達同士で集まっているのに、それぞれがほかの友達とLINEのやり取りをしている光景を目にします。
…ときに、驚くのが、カップル同士でやっていることもある…
…恋愛は基本、「キミが世界で一番大切」という約束事で成り立っている世界であると認識しているだけに
「そんなことしていて大丈夫かぁ…?相手から大切にされてないじゃないかって思われちゃうよ…?」
と、いつも勝手に心配してしまいます…😅
…いや、これはオジサンの戯言で、これが令和のスタンダードなんだと自分に言い聞かせていたのですが、この話を、昨年U18の子たちとのワークショップで披露したところ、
「それ、分かります!めっちゃ寂しいですよね…」
「あっ、ほかの人を優先してるなって思います…」
「そっちが、するなら、こっちもするわって感じです…(笑)」
といったように、驚くほど共感の輪が広がったのです…
実はみんな「自分との今」を大事にされていないことで、少しずつ傷ついている。
LINEやSNSがあることで、いつでも、どこでも、誰とでも、つながる時代になりましたが、一方、連絡が来るたびに「自分との今」が中断されて、孤独を感じることもある。
誰とも広くつながれるメリットと、誰とも深くつながれないデメリットが共存すると思った瞬間でもありました。
「今」にもっと価値が生まれる
これはSNS発信も同様だと思いました。
以前は「映え」「盛り」が主流でしたが、今の若者の心を掴み始めているのは「ありのまま」「リアル」です。
その象徴と言えるのが「BeReal」でしょう。
こちらは、「盛らない」写真を共有するSNSアプリ。
毎日ランダムな時間に通知が届き、通知から2分以内に撮影した写真(インカメラとアウトカメラで同時撮影)を加工なしで投稿します。
リアルな日常の瞬間を共有することが目的なので、過去の写真のアップロードやフィルター加工はできない。
「私の今(ありのまま)」を共有し合いたいという想いが、非常に表れています。
Jiffcyにも通ずるところがあり、「今の自分を一番大切にして欲しい」という欲求が見えてきます。
そうして考えてみると、確かに最近、多くの企業で「チャットサービス」を導入しているところが増えている。
例えば、10時から18時までなら、専用スタッフがいつでもリアルタイムで反応してくれますし、その他の時間はAIで対応する企業も散見されます。
お客さんの「今」を大切にすることで、信頼を勝ち取っているわけなのです。
ふと、私が新人のときに、あるクライアントから言われた一言を思い出します。
まだ経験不足の私を非常に評価してくださる方だったのですが、懇親会の際、そのワケをお聞きしたら
「池さんは、すぐにメールを返してくれるところが良い」
と答えてくださったのです。
そのときは、「そんな所かぁ…」と残念な気持ちになったのですが(笑)、しかし、今になれば非常に分かります。
相手の反応を待つというのは、言い換えれば「不安な気持ちを残す」ということ。
すぐに対応できなくても、「今、対応してます!」と動いていることを伝えるだけでも相手の不安は軽減されるでしょう。
社内でも、そうです。
特に職位が上がるほど、相手はこちらの反応が気になるわけですから、なるべく早く返事をするように心がけています。
〜ということで、ビジネスは、そのほとんどが人間関係です。
できる限り「相手の今」を大切にしたいと思います😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!