
成功者の「捗遣り主義」に学ぶ
column vol.1166
月曜は「ブルーマンデー」と言われる通り、憂鬱な気分を抱えやすい日です。
週始めにかけなければならないエンジン。
特に大きな案件、新しい案件に取り組んでいる時は、エンジンのかかりも悪いものです…
そこで本日は、そんな時ほど、心に火がつくようなヒントをお届けしたいと思います。
ぜひ、最後までお付き合いくださいませ😊
「捗遣り主義」とは何か?
日本経済の父、渋沢栄一と聞いて、どのような印象を持ちますでしょうか?
バイタリティ溢れるイメージを想像する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
活躍の原動力になっていたのが、「捗遣り主義」という考えです。
つまり、失敗を恐れず「とりあえずやってみよう」という精神です。
〈PRESIDENT Online / 2024年3月20日〉
捗遣りとは、「物事を早く進める」という意味。
分からないことがあっても、そこで立ち止まらず、分からないままで良いから、とりあえず「X」「Y」「Z」と置いて、そのまま進めていく、というやり方です。
例えば、ちょっと難しい本を読んでいる時、当然知らない単語が出てきますが、いちいち立ち止まって調べず、読み進めてしまいます。
まずはざっくりと内容を把握するだけで違いますし、その上で読み直すととても頭に入ってくる。
よく登場する言葉なら、前後の文脈から何となく分かることもあるでしょう。
つまり、いちいち立ち止まって丁寧に言葉と意味に向き合うよりか、結果的に理解できる可能性が高いというわけです。
それはビジネスにおいても同じです。
渋沢栄一は、廃藩置県の際も捗遣り主義を発揮します。
藩がなくなれば、それまで(給与)を得ていた武士たちは、生活することができなくなってしまう…
そこで、藩と商人たちによる「商法会所」(銀行と商社を足したようなもの)を設立し、新しい経済圏を生み出すことに成功したわけですが、
この時もフランスで何となく身につけた株式会社の知識をもとに、「とりあえずやってみよう」とスタートしたのです。
とりあえずやってみて、あとはやりながら訂正し、調整していこうと考える。
今でいうところのアジャイル型と同じですね。
「とりあえず」はモメンタムがカギ
この時、重要になるのが「モメンタム」です。
臨済宗建長寺派林香寺住職で、精神科・心療内科医の川野泰周さんと、一般社団法人日本モメンタム協会理事の恩田勲さんの共著『クヨクヨしない すぐやる人になる「心の勢い」の作り方』では
それは、やる気よりも重要だと教えてくれます。
〈東洋経済オンライン / 2024年3月15日〉
ちなみにモメンタムとは「勢い」。
つまり、やる気より「心の勢い」の方が大切というわけです。
なぜなら、やる気があっても「すぐ動ける」かどうかはまた別の話になるからです。
「よし、勉強しよう!」と心でつぶやいてみたもののなかなかリビングのソファから腰を上げることができない…
そういう瞬間は誰にでもあるかと思います…
つまり、やる気に「火」がつかないと、動き出すことができません。
この火がついた状態がモメンタムなわけです。
実は、このモメンタムに注目している1人が、あのchatGPTを生み出した「オープンAI」CEOのサム・アルトマンさん。
世界最高学府の1つであるマサチューセッツ工科大学の授業に登壇した際に
「スタートアップに最も大切なのは、モメンタムだ」
と断言しています。
動き続けるなかで少しずつ成果を得て、学び、力を蓄えながら、道なき道を開拓していく。
まさに、渋沢栄一の「捗遣り主義」そのものですね。
「モメンタム」を生み出すエトセトラ
では、どのようにモメンタムを生み出していくのか?
東洋経済オンラインの記事の中では、クンダリーニヨガに伝わる呼吸法「火の呼吸」が紹介されています。
背筋を伸ばして、「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」と息を短く、強く吐く。
分かりやすく
「ハッハッハッ、ハッハッハッ、ハッハッハッハッハッハッハッ」
と、三三七拍子にしても良いそうです。
火の呼吸をすると激しい運動をした後のように心拍数が上がるため、アスリートのトレーニングにも取り入れられているとのこと。
一般の方の目安としては、1分間に多くても、5~10回までが最適のようです。
ちなみに、私は2回程度から始めています😊
他にも、先日ご紹介した「ひとり言」の魔力も有効でしょう。
「必ず〇〇を達成する」「試験に合格する」
と、想いを口にすることで、自分の脳をセルフコントロールしていくという手です。
それから、日曜日の夜にTBSの『情熱大陸』を観てから眠るのも良いかもしれません。
私は情熱大陸を前の日に観ておくと、月曜日の業務開始時に葉加瀬太郎さんのメロディーが頭の中で流れ、モメンタムが生まれます😊
あとは、行きの電車の中で成功者の名言を見るというのもあるでしょう。
ちなみに、渋沢栄一の名言の中で、私の好きな言葉があります。
それは
「成功や失敗のごときは、ただ丹精した人の身に残る糟粕」
という言葉です。
「糟粕」とは、良いところを取り除いた残りかすのことで、成敗はただの残りかすに過ぎず、努力した過程が大切ということ。
良いこともあれば、悪いこともある。
「成功」や「失敗」といった結果だけを見て一喜一憂するのではなく、いつか来る機会に向けて努力し続けること。
そして、誠実に人事を尽くし続ければ、いつか必ず道は拓けるというわけです。
そうですね、まさに捗遣り主義。
このことを大切にした渋沢栄一の心が伝わりますね。
〜ということで、本日は捗遣り主義とモメンタムの重要性についてお話しさせていただきました。
モメンタムのつくり方は、それぞれの方の合ったやり方を見つけることが何よりも肝要です。
気分が乗らね〜〜〜
という時は、ぜひ今日の話を参考に、心に火をつけていただければ幸いです😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!!!