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教師が輝く未来

vol.1364

病気休職産休・育休などによって欠員が生じる「教員不足」が、昨年10月時点で4714人に上ったことが、全日本教職員組合調査で分かりました。

〈読売新聞 / 2025年1月9日〉

調査は2016年から実施しているのですが、今回が過去最多とのこと。

こうした事態により、

「4月から担任不在で教員が交代で対応しているため、子どもが落ち着かない
「生徒に目が行き届かず、ケンカ、ケガなどのトラブルに対応できない

などといった問題が生まれてしまっているそうです…

教師不足解消には、多角的な対策が必要ですが、まず頭に浮かぶのがDXによる「労働環境の改善」や、給料の見直しなどの「待遇改善」です。

現在、ICTの導入による教員の負担軽減が進んでいますが、今後はAIルーチン化できる業務切り離していくなど、様々な工夫が進んでいくでしょう。

そういうわけで、本日は教師不足の解消ということを皮切りに、「教師の輝く未来」について探ってみたいと思います。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊


教師のアルムナイ制度?

最近、面白いと思った取り組みがあります。

奈良県生駒市教育委員会が行っている「いこま教師塾」です。

〈産経新聞 / 2024年12月3日〉

小中学校高校教員免許がありながら教員経験がない方や結婚などで教員を辞めた方に参加してもらい、働く前の不安解消を図る狙いで、昨年の12月から2月まで5回に渡って開催しています。

第1回…学校見学にいこう~小学校編~
第2回…「こういうとき、先生はどうすべき?」
第3回…学校見学にいこう~中学校編~
第4回…「授業案を1からつくってみよう!」
第5回…「これから生駒市で先生を始めたい方へ」

このプログラムについて、市教委の担当の方は

「教員になれば研修で実務を学べるが、その前にある程度、教員がどんな仕事なのか知ってもらうために開く。これをきっかけに多くの人が教員なってほしい

とコメント。

他にも、同委員会は教員免許保育士資格がある方々を登録して勤務先を紹介する「いこま教育・保育資格バンク」をスタートさせるなど、問題解決に向けて、様々な取り組みを行っています。

ビジネスの世界では、一度辞めた社員を再雇用するアルムナイ制度が活発化していますが、教師も結婚などで一度現場を離れた方に再び活躍してもらうということが大切ですね。

そして、「再び活躍」ということで言えば、ビジネスパーソンのセカンドキャリアとして教師を選ぶという選択肢も、今後は生まれてくるのではないかと感じています。

定年後に「教師」を選択

実際、60歳で東京都内の公立小学校の国語の先生(時間講師)になられた方がいらっしゃいます。

50代までリクルートの人事担当スポーツライターとしてのキャリアを積み重ねてきた、小川みどりさんです。

〈東洋経済オンライン / 2025年1月13日〉

もともとは、教師になることを夢見て大学に進学

しかし、当時は教育実習で子どもに教えることの楽しさを感じながらも、自分には何か足りないものもあると感じることもあり、民間企業に就職

その後、フリーのスポーツライター、56歳でキャリア支援会社を起業するなど、キャリアを積み重ね還暦を迎えます。

仕事ではやりたいことをやり切った。

そんなとき、大学時代の友人から「勤務している小学校で教員が足りなくて困っているから手伝ってくれないか」と声をかけられ、一念発起

2022年に更新制が廃止され免許が復活していたことも追い風となり、国語の先生になられたわけです。

…もちろん、教師になられたばかりのときは、様々な壁に苛まれたようですが…、ビジネスパーソンとして培ってきた財を生かし、小川さんにしかできない授業をつくり出していったとのこと。

例えば、日本オリンピック委員会とのつながりが深く、顔見知りのアスリートも多いことから、そのツテを生かして新体操フェンシングオリンピック選手を招き、児童保護者向けの公開講座で講演を実施。

子どもたちの心を掴んでいきます😊

ビジネスパーソンには、自分でも気づいていないような財の積み重ねがあるので、しっかりと棚卸しをし、生かしていけば、ほかの先生ではできない唯一無二の授業ができる。

100年人生と考えると、60歳でもまだ40年人生が残っているわけです。

その半分でも仕事をするとしたら20年もあるわけで、セカンドキャリアとして、子どもたちの未来に貢献するというのは、とても良い選択の1つになるのではないでしょうか。

AIにはない「人間だけの役割」

ちなみに、かつて50歳教師を志し、挑戦している田中信乃さんについての話をしたことがありますが

田中さんの心を支えているのが、お爺さまが遺された

「人生はこれから勝負古稀の春」

という言葉。

「人生は70歳からが勝負」というわけなのです。

こういった考えを大切にしていれば、人生後半戦思い切った選択もできそうですね😊

いずれにせよ、前半でもお話しした通り、今後はAIとの協働をいかに進めていくかが焦点になります。

特にポイントになるのが、教師の役割は従来の知識伝達者から、より多面的で柔軟な役割へと進化していくでしょう。

具体的に言えば、テーチャー、コーチ、メンター、ファシリテーター、ジェネレーターなど、生徒との対話社会性の育成といった点に注力する役回りになっていく。

そうなれば、ビジネスの現場で培ったスキルやノウハウは、十二分に生かせるはずです。

例えば、生徒が自ら学びを創り出すための探究教育では、主体性を引き出すためのリーダーシップスキルを発揮することができる。

今年の箱根駅伝で優勝した青山学院大学原晋監督も、もともとは民間企業に勤めていらっしゃった方です。

そのとき培った経験が、今の指導に生きていると伺ったことがあります。

もちろん、教育の現場は整えていかないといけない環境づくりもあるとは思いますが、日本の未来を豊かにしていくためには、子どもの教育の充実が欠かせません。

より良いカタチに磨き上げ、少しでも教師不足の解消や、教師の働きがい・ワークライフバランスにつながると良いですね😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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