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「長く愛される」コツ
column vol.1193
最近、「ロングセラー」に関するニュースをよく目にします。
「長く愛される商品を生み出すこと」は企業の望むところではありますが、…なかなか難しいものです…
そこで本日は、私が子どもの頃から人気だった商品から、その秘訣を学びたいと思います。
ぜひぜひ最後までお付き合いくださいませ😊
「参加性」を生み出す
まずは今年発売50周年を迎える「たべっ子どうぶつ」から。
![](https://assets.st-note.com/img/1705400827510-6mUUxrvwFa.png)
製造・販売するギンビスは創業以来、大切にしている企業理念があるそうです。
それが、「3つのI」。
「インターナショナル(国際)」「インディペンデント(独自)」「インストラクティブ(教育)」、それぞれの頭文字「I」が要ということです。
〈日刊ゲンダイ / 2024年1月9日〉
そして同社では同商品を「企業理念の結晶」と位置付けているとのこと。
確かに「動物のお菓子」と言われて最初に頭に浮かぶのは「たべっ子どうぶつ」ですし、海外の人でも分かるモチーフであり、動物の種類を覚えることもできる。
まさに「3I」ですね😊
それはそれとして、私が注目したのはこの商品にある「参加性」です。
実は、味や形などに関して、お客さんのアイデアを随時募集しているのをご存知でしょうか?
これまでに
「恐竜の形を作って欲しい」
「都道府県の形を作って欲しい」
など多数のアイデアを具現化しています。
また、「体に優しい」というリクエストで商品化したのが「全粒粉入りたべっ子どうぶつ」と「厚焼きたべっ子どうぶつSOY」。
そうした柔軟性がファンの心を掴んでいます。
他にもグッズを販売。
好きな動物を選ぶわけですが、この「選ぶ」というアクションが重要になります。
アイドルグループは複数のメンバーから「好みの人を選ぶ」という最初の参加性がポイントになっています。
「自分が選んだ」ということでより愛情が深くなる。
実は商品選びも同じで、複数の中から選ぶとより好きになります。
アパレル店員が複数の服を提案するのも、クリエイターが複数案用意するのも、こうした心理効果を狙っているわけです。
参加性は長く愛される秘訣。
これからも同社の「希望の星」として輝き続けるでしょう。
「希少性」で生き残る
希望の星の次は「赤い星」についてお話ししたいと思います。
そう、「サッポロラガービール」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1705407761981-PgW2b0AIWi.png)
「赤星」の愛称で親しまれているこちらの商品。
何と誕生したのは1877年。
現存する日本最古のビールと言われています。
ロングセラー中のロングセラーですが、売上は好調。
2022年の売り上げ(数量)は、コロナ前の19年比で28%増と、縮小する瓶ビール市場でも伸びが目立っているのです。
〈毎日新聞 / 2023年12月28日〉
好調の理由は、「ビールの飲まれ方の変化」にあります。
実はコロナ以降、飲用時の「空間」や「場面」に重きが置かれる傾向にあるとのこと。
酒場で気の置けない人たちとゆっくりビールを手酌でつぎ合う
といった飲用シーンの支持が広がっているそうです。
それは、昭和の時代の古き良き風景…
レトロブームも相まって瓶ビールの価値が見直されようとしています。
そんな中、赤星は
「どこでも飲めるブランドを目指していない。これからも『見つけたらうれしい』という商品に育てたい」
と同社が語るように、あえて「引き」の戦略を展開。
テレビCMなどマス広告も打っておらず、取り扱い店舗などを紹介するウェブサイト「赤星★探偵団」と飲食店・客同士の口コミでゆっくりと広げています。
さらに、取り扱う店舗も大衆酒場などが中心で、その希少性が人気を集める要因にもなっているのです。
「空間」や「場面」にこだわり、古き良き昭和の大衆酒場の雰囲気を重視する。
これが何でもありの拡大路線を仕掛けていたら、個性が埋もれ、逆に縮小傾向だったかもしれません。
この辺のマーケティングの仕掛け方が上手いですね。
ちなみに、赤星を見つけてSNSにアップする若者も増えており、ここでも「参加性」が生まれているわけです😊
「生きがい」を生んだロングセラー
最後は「参加性」と「希少性」を絡めたユニークな話で締めくくりたいと思います。
この2つが掛け合わさった事例の1つに、「当たり付きお菓子」が挙げられるでしょう。
今回、その代表選手として取り上げたいのが、森永製菓のロングセラー菓子「チョコボール」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1705409783931-3rMqcpkwA5.png?width=1200)
説明不要だとは思いますが、「くちばし」と呼ばれる開封口に、「金のエンゼル」または「銀のエンゼル(5枚分)」が出たら当たり。
「おもちゃのカンヅメ」がもらえるわけです。
私も子どもの頃によく買って食べていましたが、皆さんの中に「金のエンゼル」を当てた方はいらっしゃいますでしょうか?
私は銀はありますが、金はありません…
もっといえば、兄弟や友達にもいませんでした…
金のエンゼルは幻…
そう噂する者さえいるほどでした…😢
そんな中、おじさんになっても「金のエンゼル」に挑戦する方もいらっしゃいます。
「チョコボール開封おじさん」(X / @chocoballGT)です。
〈まいどなニュース / 2024年1月1日〉
2014年3月1日から1日1個開封し、「くちばし」をX(旧:Twitter)に投稿。
これまでに開封した数は、何と昨年末時点で3592個にものぼります…
ええっ???じゃあ、約10年間…金のエンゼルが出てないの…??
と、心配する方もいらっしゃるでしょう。
しかし、安心してください!
実は一度、2018年1月8日、そう1409個目で金のエンゼルが登場!!
それがその時の写真です。
![](https://assets.st-note.com/img/1705410606852-TMzbw8B86x.png?width=1200)
見守っていたファンからは
「ずっと見てました!おめでとうございます!」
「ついに金のエンゼルでたんですね」
「いいもの見させてもらいました」
「継続することに意味があるんですね」
など、祝福の嵐が。
さらに、森永製菓の公式アカウントからも
「わぁー、ついに金のエンゼルとの感動的な出会い!おめでとうございますー!!!そしてチョコボールいっぱいありがとうございます!」
とコメントがあったそうです😊
これでハッピーエンドになるはずだったのですが、お気づきの通り、未だ開封おじさんの挑戦は続いています。
3608個目 2024年1月16日 #チョコボール #森永製菓
— チョコボール開封おじさん (@chocoballGT) January 16, 2024
休日に蒸しパンを作ろうと思います。 pic.twitter.com/7JLy5y8K6q
…実は、6年前に当たった時は確率2倍期間だったそうで…、通常時に出るまでは挑戦をやめないとのこと…
もはや、「生きがい」となっているのです…
…しかし、企業側で考えてみれば、これほどの誉れはありませんね。
お客さんの人生になくてはならない商品を生み出す。
チョコボールは一旦置いておいて、「生きがい」ということで飛躍して考えると、パーパスやミッションは企業や個人だけではなく「商品開発」にも当てはめると、今までとは違った価値が生まれるかもしれませんね😊
ちょっとオーバーかもれませんが(笑)、ご参考までに。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。