いざ、世界へ
column vol.1144
昨日、日経平均株価は大きく値上がりし、終値は3万9098円68銭。
バブル絶頂期の1989年12月29日の史上最高値・3万8915円87銭を34年ぶりに更新しました。
新NISAが今年1月からスタートしたものの…、日本の個人投資家の多くが外国株を購入する…という状態が続いていますが…
それでも海外投資家から評価され、日本株はグングンと上昇しております。
この日本の株高の要因は主に
などが挙げらていますが、昨日の新記録は、アメリカの半導体メーカー「エヌビディア」の超上振れ好決算発表によるもの…(驚)
日本の半導体関連の企業が株高を押し上げました。
〜ということで、本日は(4)の「円安メリット」にかけて、海外で活躍する企業についてお話ししたいと思います。
日本の美食が世界を席巻
まずは飲食業の話題から。
…というツッコミをいただきそうですが、…株高の話は置いておいて、
かつては内需の象徴的存在だった飲食業も海外で活躍する時代です。
少子化による人口減少が進む日本において、これからは内需だけでは厳しい…
そうした課題がある中、例えば、人気ラーメン店の一風堂では海外の15ヵ国・地域に277店舗を展開しています(2022年3月時点)。
〈Digima / 2024年1月23日〉
他にも、丸亀製麺が23年3月期に707店だった海外店舗を24年3月期には162店増やし、5年後の28年3月期には合計4000店まで急拡大する計画。
2021年、ロンドンに1号店を出店した英国でも、2年で11店まで展開しています。
この海外進出でキーポイントになるのが「ローカライズ」です。
いかに、日本らしさ・文化を感じさせつつも、現地に適合していくことが肝要になります。
例えば、一風堂というと「ニューヨークで成功」というイメージがありますが、その秘訣は「最適化」にあります。
ニューヨーカーには、バーでお酒を飲みながら待ち合わせをしたりメニューを選ぶ習慣がある。
そこで一風堂では、「ウェイティングバー」を併設したラーメン&ダイニング業態を開発。
お酒もおつまみも出して、ラーメンで締めるという新しいスタイルがウケているのです。
丸亀製麺でも、海外店で人気が高い「ダブル豚骨」、「チキン白湯」、「カツカレーうどん」を取り入れています。
〈ITmediaビジネスオンライン / 2021年9月4日〉
そして何といってもビーガンメニューでしょう。
同国においてビーガンは無視できないフードトレンド。
そこで、魚介類の代わりに野菜でだしを取るなどして同店を象徴するメニューである『かけ』の味を再現。
ビーガンメニューを全アイテムの3割ほど展開しているのです。
「現地との融合」は製造業でもカギ
このローカライズは飲食だけではありません。
「日本の新興国進出」を代表するインドでは、モノづくりにおいても、自国のものがそのまま通用することは難しいのです…
貝印ブランドで知られる刃物総合企業KAIグループもローカライズによって現地での定着に成功しました。
〈PRESIDENT Online / 2024年1月31日〉
主力商品は包丁、爪切り、カミソリなのですが、いずれもインドの原材料を使っていることが特徴。
現地の人たちにとって「自国のものを取り入れる」ということは、親和性を生む大きなポイントになるのです。
実際、「カイ・マニュファクチュアリング・インディア」代表のパンディア・ラジェシュさんも
と分析されております。
その上で、現地の文化・慣習に合わせて商品を最適化していく。
例えば、インドでは切った爪を散らかすのは縁起が悪いとされているので、切った破片が飛び散らないようにケース付きで販売。
そうした心配りが同国の人たちの心を掴んでいるのです。
さらに、ラジェシュさんは現地生産を行っている企業も国民から高く信頼されていると仰っています。
例えば、キリンビールがインドで主力ビール「一番搾り」の製造に乗り出すことを発表。
〈読売新聞オンライン / 2024年1月1日〉
ちなみに、国内のビール大手がインドでビールを製造するのは、キリンが初めてで、そのことについてラジェシュさんも好感を持っていらっしゃいます。
何より、中国に進出する日本企業(2022年)は1万2706社あるのに対して、インドはまだ1400社(2022年)しかない未開拓の地。
三菱商事が今夏、インドで自動車販売店事業を始めることが今月報道されましたが、今後、同国に進出する業界・企業はますます増えていくでしょう。
そうした企業にとってKAIグループの事例は大きなヒントになりそうですね😊
遊びながら「世界進出」を狙う製造業
「製造」といえば、非常に興味深い事例があります。
製造業を支える大きな力が「町工場」にありますが、私の地元である横浜で今月10日、「全日本製造業コマ大戦」が行われたというのです。
〈読売新聞オンライン / 2024年2月13日〉
開催されたのは、横浜市役所。
「おじさんたちの真剣勝負」と国内外で評判を呼び、10周年記念の今大会は世界から79チームが参加。
技術と誇りをかけた熱戦が繰り広げられたそうです。
コマは直径2cm以下、高さ6cm以下であれば材質、重さ、形状は自由。
直径25cmの土俵から相手をはじき出すか、より長く回り続けられれば勝ちとなります。
全日本製造業コマ大戦協会で名誉顧問を務める緑川賢司さんは
という想いで10年前に大会を立ち上げており、大会が技術力を示す絶好の機会になっているそうです。
さらに良いと思ったのが学生も参加していること。
大会に参加した県立神奈川工業高校・ものづくり研究部の生徒は
と感服した様子だったとのこと。
技術継承のきっかけにつながりそうです。
そして、こうした取り組みに海外企業がどんどん参加すれば、世界からの注目も高くなる。
そうなれば、中小企業が海外で活躍するチャンスは広がっていくでしょう。
まずは軽やかに挑戦するのも良いのかもれませんね〜😊
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