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揺るぎない「モチベーション」とは?
vol.1391
大志を成し遂げた方々に触れて、いつも共通して感じるのが能力以上にマインドが素晴らしいということ。
とりわけ「揺るぎないモチベーション」があると感じています。
モチベーションとやる気は少し意味合いが違うものでして
●モチベーション:目的や意義
●やる気:瞬間的な感情
と分けられます。
例えば、
「人に感動を与えるプロ野球選手になりたい」
というモチベーションがあっても、失恋した次の日はやる気は出ないかもしれない。
逆にやる気が出ない日も、「練習に取り組まなきゃ」と思い直せるのは、モチベーションがあるからだとも言えます。
ただ、モチベーションを生み出す上で、気をつけないといけないことがあります。
それは、目的が「自分のため」だけではなく「誰かのため」でもあるかどうかです。
「自分のためだけ」だと成功しない?
…仮に、「自分のためだけ」だと、上手くいかない可能性が高い…
担当したアスリートをリオデジャネイロ五輪で銅メダル、平昌五輪で金メダル、東京五輪で金メダルに導いたメンタルコーチ、飯山晄朗さんは
「自分のことだけしか考えない人は、脳が燃え尽きやすくなる」
と仰っています。
〈PRESIDENT Online / 2025年2月20日〉
…そんなことあるのかなぁ…?と最初は思ったのですが、飯山さんの次の言葉に納得します。
「うまくいかないことが続くと、諦めやすくなります。自分のことだけしか考えていないから『まっ、いいか』『仕方ないね』となってしまいます。
また苦しいことがあると、そこから逃げてしまいます。『なんで自分がこんな目に遭わなければいけないんだ』『やってられない』とそこから逃げ出したくなります」。
確かに自分だけのゴールなら、自分と折り合いをつければ良い話ですが、「誰か」が入ると簡単には投げ出せなくなる。
分かりやすい例は、家族でしょう。
結婚したり、子どもが生まれると、責任感が芽生えたり、忍耐強くなるという人は多いはずです。
私も副社長になったことは大きいと思います。
心が折れそうなときも、「でもなぁ…、ここで頑張らないと会社がなぁ…」と、みんなの顔が浮かぶ。
昔だったら逃げていたようなことでも踏ん張れるのは、自分のモチベーションに「誰か」も入っているからだと認識しています。
「役割」の明確化がカギ
飯山さんは、レンガ職人の話を例に出しています。
ある旅人が、旅の途中で3人のレンガ職人に出会います。
その旅人が「何をしているんですか?」と尋ねると、
1人目は「言われたとおりレンガを積んでいるんだよ」
2人目は「レンガを積んで壁をつくっているんだ。賃金がいいからね」
3人目は「教会の大聖堂をつくってるんだ。この仕事に就けて光栄だよ」
と答えるという話。
1人目は作業が目的になっており、作業が辛かったり、飽きたりすれば続かない。
2人目はお金が目的になっているので、もっと条件の良い仕事を見つけたら、去ってしまう。
でも、3人目は皆が「お祈りする場」(幸せな気持ちになる場)をつくるという目的なので、働きがいを感じられるわけです。
ちなみに、大谷翔平選手の目的(モチベーション)は、「世界一感動を与えられる選手になること」。
自分だけではなく「誰か」が入っています。
それはキレイごとではなく、人間は結局、人から愛されたり、評価されることに幸せを感じる。
そして、自分だけではなく「みんな」にとっても嬉しいゴールだからこそ、たくさんの人が仲間になってくれる。
さらに、仲間が増えることで、自分が想像していたよりも、大きな成果を挙げることができるなどなど、リアルに考えても良いこと尽くめなのです😊
これは、人財教育でも大切な視点です。
リーダーや上司は、自分だけではなく部下に対しても常に「誰のためか」を意識してもらえるようコーチングしていくことが理想。
例えば、その人の得意なことを見つけ、それを役割に転換してあげる。
あなたは「明るい人だ!」と特性を言われるよりも、あなたは「ムードメーカーだ!」と役割を言った方がモチベーションにつながりやすいでしょう。
一方で、人は一人よがりになりやすいので、都度確認するようにする。
…また、自分がそうした考えを体現できていなければ、説得力は生まれません…
それは、自戒の念も込めて、常々確認したいところです…(汗)
バックキャスティングのコツ
モチベーションは「自分×誰か=揺るぎない」。
ただ、こうした考えに納得し、いざ動こうと思っても何をどう始めたら良いか分からないという人もいるでしょう。
実は自分で目的・目標を立て、そして行動できる人というのは、そんなに多くない気がしています。
そうした中、ヒントになったのが、ビジネスインサイダージャパンの【「運がいいとはどういうことか」Uber初代CEOが語る、急成長スタートアップ「成功の方程式」】という記事です。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2025年2月19日〉
成功するスタートアップ企業には共通点がある。
元インテルCEOのアンディ・グローブさんの著書『ハイ・アウトプット・マネジメント』には、こう書かれています。
「人間はチェックリストのようなものがあれば、いかに複雑なタスクでも高い精度で実現(再現)できます」。
つまり、やること(マイルストーン・ToDo)が明確になるということは、それだけ大きな推進力になるということです。
そこで思い出したのが、同じくインテルの未来戦略家としても活躍したフューチャリストのブライアン・デイビッド・ジョンソンさんのバックキャスティングについての考えです。
目的・目標を定め
【半分】
目標地点から現在地の中間点を設定。
【少し先】
「半分」の地点のさらに半分の地点を想像。
【次の月曜日】
今すぐできること、つまり明日からでも始められることを考える。
というカタチでマイルストーンを決めていく。
目的・目標を立てても動けないという人は、そこまで精緻な計画を立てるのが苦手なはずです。
でも、こうした大まかでも、明確化できるマイルストーンなら、前に進みやすいでしょう。
長期的な到達のイメージを設定しながら、常に明日できることを考えていく。
それが自ら行動計画を立てることの、良いトレーニングになると思います。
〜というように、「揺るぎないモチベーション」というものには、要点があると感じています。
今回の記事が、皆さんが大志を成し遂げる上で、少しでも参考になればと願っております😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!