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“価値あるムダ”を探して

vol.151

「まだ顕在化していないニーズを探そう」

マーケティングの世界にいると、よく耳にする言葉です。

最近は常識をあえて批判的に捉えて、新しい課題を発見するという「クリティカルシンキング」が注目されていますが、実践しようとすると、これがなかなか難しい

そんな中、こうした難しさを和らげる思考のトレーニングの参考になると思ったのが、人気インフルエンサーの藤原麻里菜さんの活動です。

YouTubeのチャンネル登録者数は10.8万人

〈無駄づくり / YouTube〉

そして、Xのフォロワー数は約31万人

そんな藤原さんの活動とは「ムダづくり」

「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」
「キス目覚まし時計」
「全自動『あーん』マシーン」

などなど、「それって不要なものだよね?」と思うようなものを生み出しているのです。

〈日経 X TREND / 2024年10月30日〉

例えば、「全自動『あーん』マシーン」

日経 X TREND

恋人との甘い時間を味わうマシーンなのですが…、…きっと、恋心は満たされないでしょう…

でも、そんな自分を楽しめたり、誰かとのコミュニケーションに使えたりと、視点を変えれば有益なものとして活用できるかもしれないわけです。

藤原さんのこうした感性が花開いた代表作の1つが、この夏、ヒットした 「パピコWストロー」でしょう。

グリコ

これは、2本のパピコWストローに差し込むと、2種類のパピコの味が同時に楽しめるというもの。

このアイデアの着想は、

2人で食べることを前提にした形状に疑問を感じ、友達や恋人がいなくても一人でもパピコが食べられるようにしたかった」

という想いから、「1人でもパピコが食べられるマウント」というコンセプトで開発したそうです(笑)

さまざまな種類から2種類選んでミックス味を試してみる

…正直、「1人マウント」が取れるとは思いませんが😅、「美味しいと感じるもの」「ちょっと違うと思うもの」、好き嫌いも合わせて、リアルで、そしてSNS新たなコミュニケーションが生まれるという楽しみはあるでしょう。

案の定、このキャンペーンはヒットし、話題に。

ムダから入ることで、まだ誰もが見つけられなかった新しい価値に辿り着けたというわけです。

「クリティカル(批判的)」というと、ちょっとシリアスな響きがしますが、要するに「好奇心」「遊び心」が非常に重要なのだなと感じます。

もう1つ事例をご紹介すると最近、「チャバコ」というスティックタイプの日本茶が流行っています。

ショータイム「チャバコ」 / 共同通信社

〈共同通信社 / 2024年11月8日〉

たばこ風の箱というパッケージがウケ、2018年の発売から累計で100万箱を売り上げています。

私も、ちょっとしたプレゼントに、よく使わせてもらっています😊

これも「お茶離れ」という課題に対し、

「世の中を、茶化そう」

というコンセプトを掲げ、遊び心をもって人気商品に引き上げている。

普通は、産地ごとの美味しさ、日本茶の質の高さを訴求した商品に目を向けがちですが、あえて “茶化す” という脱力感から入ったところが良かったわけです。

「好奇心」と「遊び心」。

そこを大事にしながら、今後もなるべく柔らか頭で物事を見て、考えていきたいと思います〜

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!


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