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期待膨らむ技術の話
vol.1372
今月読んだ、フォーブスの【2025年注目の日本発スタートアップ7社】という記事が面白かったので共有させていただきます。
〈Forbes JAPAN / 2025年1月15日〉
例えば、AI技術を用いて犯罪予測するシステムを開発するSingular Perturbations(シンギュラー・パータベーションズ)。
同社のシステムは、過去の犯罪データや衛星画像、失業率の分布、交通情報など様々なデータをAIで分析し、いつ、どこで、どんな犯罪が起きるかを予測します。
現地の警察官が、犯罪が発生しやすいエリアを把握し、効率的に巡回するためのスマートフォンアプリも展開しており、ブラジルのミナスジェライス州での実証実験では、導入後2ヵ月で犯罪発生率を69%減少させる成果を上げたとのこと。
ほかにも、医療関係で2社有望な企業が紹介されていました。
日本から医療の常識が変わる
最初の1社は、「次世代型超音波ガイドHIFU(集束超音波)治療装置」を開発するソニア・セラピューティクス。
こちらは、抗がん剤や放射線治療と比べ副作用が少ない新たながん治療を目指す会社です。
体外から照射した超音波を集束させてがん細胞を焼く従来の「HIFU」技術に加えて、超音波で体内に気泡を発生させる「キャビテーション気泡援用」技術を搭載。
気泡を利用することで、治療箇所をリアルタイムでモニタリングしながら、少ないエネルギーで短時間にがん細胞を加熱、壊死させることができるという仕組みなっています。
しかも、治療に麻酔は不要。
放射線被曝の心配もなく、再発しても繰り返し治療が可能で、将来的には日帰りも期待できる世界初の画期的な装置なのです。
現在は、がんのなかでも特に治療が難しい「膵臓がん」での治験を進めており、27年の販売を目指しています。
もう1社が、創薬スタートアップ、リジェネフロ。
同社は、京都大学iPS細胞研究所教授の長船健二さんが2019年に設立した会社なのですが、フォーカスしているのは、治療薬が少なく、人工透析など治療法も患者への負担が重いことで知られる腎臓疾患の領域。
iPS細胞由来のミニ臓器を用いて治療薬や細胞療法を研究開発しています。
特に力を入れているのは、腎臓に嚢胞ができる難病「常染色体優性多発嚢胞腎(ADPKD)」の治療薬。
世界の患者数は1300万人とされる一方、根本的な治療は未だ見つかっておらず、既存の治療薬には、重い副作用のリスクがあると言われています。
リジェネフロは、これまでの研究でADPKDに対して白血病の治療薬が有効であることを発見し、2年前から国内での治験を開始。
30年の実用化を目指しているのですが、腎臓だけでなく、肝臓、膵臓の領域でも新薬を開発していくとのこと。
非常に期待が膨らむ2社の取り組みです😊
ワクワクが多かったCES2025
ワクワクするということでいえば、今年のCESは個人的に興味を惹かれる技術が多かったように感じます。
例えば、以前【新発想の「健康」アイテム】という記事でも紹介させていただきましたキリンの「エレキソルト スプーン」。
こちらは、舌や口腔内に電気を通すことで塩味などを実際より強く感じられるというテックツールで、減塩食に満足できない人々の食習慣改善に貢献することが期待されています。
また先日、新SNS「mixi2」を電撃公開したMIXIもCESに参加し、コンシューマー向けロボットを披露。
「Romi」(ロミィ)という2021年から販売している会話AIロボットなのですが、今回は「第2世代機」と言える「Romi(Lacatanモデル)」のプロトタイプが紹介されました。
自然な会話ができる機能や、カメラに見せたものが理解できる視覚機能のほか、特に注目したのがユーザーとの思い出を記憶する長期記憶機能です。
よりヒューマンタッチな設計になっており、また1つドラえもんに近づく進化が見られました😊
ヒューマンといえば、大阪・関西万博でも体をひねり、上半身を振り返らせるヒト型ロボットが登場する予定です。
〈NHK NEWS WEB / 2024年10月28日〉
ロボット工学の第一人者、大阪大学の石黒浩教授が人間らしいロボットの開発を追求する中、初めて実現した動作ということで注目を集めました。
〜というように、挙げればキリがないほど、日本の企業から期待の技術が生み出されています。
そうした技術をどのように活用して未来をデザインしていくのか?
そんなことを空想しながら、今後も新しい技術を見ていきたいと思います〜
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!