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大成する人は何が違うのか?

vol.1345

今年始まった新しいプロジェクトでご一緒しているビジネスパートナーが、よく「視座」という言葉を使います。

視座とは、「物事を眺め、それを把握するときの立場」のことです。

「視座が高い」状態とは、仕事でいうと「今の自分よりも上の立場で物事を見る」ことができている状態を意味します。

そのビジネスパートナーは某有名広告代理店出身で、現在はフリーのマーケターとして活躍。

数々の大物と接してきた方で、大物そうでない人分ける大きなポイント「視座」だというのです。

私もずっと、「能力よりもマインド」という言葉を使ってきましたが、「物の見方が違う」「今の自分よりも上の立場で考える」という方が分かりやすい。

ということで、早速「視座」という言葉を使いたいと思います(笑)

では、視座の高い人は、どんな風に物事を見ているのでしょうか。

「捨て猫」がいたら、どうする?

『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』の著者で、バブソン大学 アントレプレナーシップ准教授の山川恭弘さんは、アントレプレナーになるような人の視座として、このような問いかけをされています。

寒い雨の日にあなたが家路を急いでいたとしましょう。どこからか、か細い鳴き声が聞こえる。探すと、濡れた段ボール箱の中に子猫が震えている

あなたなら、どうするか?

〈現代ビジネス / 2024年12月1日〉

例えば、こんな回答が一般的なのではないかと思います。

1 よし、自分で飼ってみよう
2 自分では飼えないから、動物病院に連れて行って相談しよう
3 動物病院は費用が高額らしいので、やっぱり保健所に連れて行こう

私だったら「1」を選択し、妻に相談するという答が頭に浮かびました。

ところが、アントレプレナーになる人は、ひと味違う回答が頭に浮かぶそうです。

「動物病院の費用はたしかに高過ぎる。手頃な費用で動物病院の利用を提供できないか」
「法律でペットの遺棄を禁じても、捨てる人はいる。それを防ぐ方法はないか」
「保健所に保護されたペットを、ペットを飼いたい人に簡単に提供する方法はないか」

これらは一例なのですが、要するに1匹の捨て猫から、ほかにも数多いる同じ境遇の猫たちを想像するというわけです。

そしてビジネスを通して、こうした問題が起こらない世の中を創っていく

一匹の猫だけではなく、その背後まで意識を向けるのがアントレプレナーの視座なのです。

「戦わない」と決めるからこそ見える

つまり、視座を上げると、世の中が広く見渡せます

そのことによって、ほかの人が気づかないようなものも見えてくるのです。

この視座を上げることの大切さを象徴する話をもう1つ挙げたいと思います。

ビジネスの現場でよく「戦略」という言葉を使いますよね?

辞書を開くとこのように記されています。

いくさのはかりごと。特に、戦いに勝つための大局的な方法策略

つまり、戦いに勝つための方法を考えることですね。

しかし、戦えばどんな良い戦略であっても、こちらは傷つき、消耗することが避けられません…

この戦略について、丸井グループ代表取締役社長CEOの青井浩さんは、このようにお話しされています。

「ビジネスでよく使う『戦略』という言葉は、戦いを略すと書きます。一般的に戦略というと、何か大きな戦いに挑むようなイメージを持たれるかと思いますが、実はまったく逆。例えば、少林寺拳法は武術を身に付けるだけではなく、武力を制御するための教えや人としての心構えもセットで学びます。そして武の本質は戦うことではなく、戦いを省くことだと教わります。僕はこの『戦略=戦いを省く』という考え方がとても好きです」。

なるほど、戦いを略す

これなら、傷つくことも、消耗することもありません

非常に視座の高いお考えです。

…一方、ビジネスにおいて戦わないなんてことはできません

…ちょっぴり理想論に聞こえてしまいます…

しかし、青井さんはこのように続けます。

既にある市場を前提にすると、どうしても戦略が“戦い”になります。市場を取り合うゼロサムの戦い。ですが、今はまだないけどこれから新しく市場を作ればいいという発想を持てば、景色はガラリと変わります。あるいは今はないサービスやプロダクトを自分たちで作ればいい。その誕生を人々が喜べば、みんなが幸せになれるんじゃないか」。

みんなが幸せになるブルーオーシャンを探す。

おみそれいたしました!😅

過去から学ぶ視座

この視座について、実業家の山口周さんは著書『クリティカル・ビジネス・パラダイム』の中で、「人間には遠くの時間と空間への想像力がある」という言葉で表現しています。

地球の裏側(遠い空間)で起きていることを憂い将来世代(遠い時間)心配できる。

この時間については、過去に対しても高い視座を持つことができます。

ローソン社長、竹増貞信さんは、三菱商事に入社3年目で販売会社に出向になり、当時は華の出世街道を外れたと捉え、落ち込んだそうです。

しかし、そこで「現場の大切さ」を知り、それが今のローソンでの仕事に生きていると仰っています。

〈AERA.dot / 2024年12月2日〉

最近は「配属ガチャ」という言葉をよく耳にしますが、望んでいない異動先でも、そこの仕事に一生懸命に向き合うことで、今では「財産」とも思えるようになるという好事例の話です。

一生懸命にがんばっただけではなく、キャリアを重ねた後に、その高い視座で過去を見直すからこそ、その価値に心底気づけるのでしょう。

よく「過去と他人は変えられない。変えられるのは未来と自分だけだ」という言葉が使われますが、実は認識次第で過去も変えられる

そうした考えを竹増さんのお言葉は後押ししてくださいます。

そして、竹増さんはアエラの記事でこのように締め括っていらっしゃるのです。

ピンチだと感じ、精神的にも『いまがどん底だ』と思っている人も、『ピンチは、きっとチャンスも連れてくる。必ず将来の糧になる』ということを胸に刻んでほしいなと思います」。

「ピンチはチャンスもつれてくる」、シビれる言葉です。

普通はピンチの際、心の中は不安と不満で充満してしまいます…

しかし、そこは意識を変えて視座を上げ広く見渡し、見えにくいチャンスを見つけるようにする。

非常に大切ですね。

私も常に高みから物事を見たいと思う今日この頃です😊

最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました!

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