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小さな「関心」が、大きな「幸せ」に

vol.1328

超高齢化社会へと進む世の中において、ご高齢の方々へのサービス進化しています。

さまざまなものに目を向けてみると、良いと思ったものには、ある共通点がある。

それは、そのサービスを通して、働く方々の心の中でお客さんへの「高い関心」が育まれているということです。

一体それはどういうことなのか?

今日は、そんな話をしたいと思います😊


認知症サポーターという仕事

最初に取り上げたいのは、滋賀県を中心に関西北陸東海の2府7県でスーパーを展開する平和堂の事例です。

同店では、厚生労働省が推進する「認知症サポーターキャラバン」の主旨に賛同し、「社員の認知症サポーター養成」を行っています。

〈介護ポストセブン / 2024年11月15日〉

この取り組みは2022年11月にスタート

従業員は自治体キャラバン・メイトによる「認知症サポーター養成講座」で学び、2023年11月には1万人のサポーターが誕生しています。

ちなみに「1万人」という数字は当初、2024年度末までに達成しようと設定していた目標

いかに、働く皆さんが意欲的かということが分かりますね😊

さらに、平和堂が運営する店舗「アル・プラザ京田辺」については、“誰もが利用しやすい店舗” と評され、「令和5年度京田辺市地域貢献企業」の表彰されるほど注目を集めています。

これまでバリアフリーなどハード面の取り組みは当たり前のこととして行っていましたが、それだけでは行き届かないサポートがあると痛感。

今回の育成につながったそうです。

目指すところは

認知症に対する理解を深めて、基本的な応対を学び、地域や家族との関わりも含めて、広い視野を持つ人材を育成

すること。

認知症サポーター養成講座を学ぶことで “おもてなし” “助け合い” の風土を醸成し、認知症以外の配慮が必要な方への気付き応対などにもつなげていくそうです。

認知症の方、そのご家族が安心して利用できる店舗は、誰にとっても優しい店舗でもある。

何より “気づく” ためには、お客さんに関心を持つ心が必要なわけで、そうした心が養われる機会になっているのです。

ちなみに、講座を受講した方々からは

家族が認知症なのでとても役に立った
もっと早くに受講していたら、認知症の家族もっと寄り添えたかもしれない」

などの声が多く挙がったそうです。

認知症サポーターの養成は職場だけではなく、家庭・地域でも役立つ学びになっている。

まさに “一生ものの学び” ですね。

シニアと対話する大学生

もう1つ紹介したい事例が、大学生に人気あるアルバイトの話です。

その仕事の時給最低1500円

経験を積めば、最高2250円までになります。

3大都市圏でアルバイトする大学生平均時給1100~1150円ですから、いかに高給取りか分かるかと思います。

 では、それは一体どんな仕事なのか?

実はこちら、ご高齢の方お話しするという内容なのです。

〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2024年11月11日〉

手がけているのは、元「味の素」社員で、2020年に創業したスタートアップ「AgeWellJapan」CEOの赤木円香さん

どれぐらい人気のある仕事かというと、毎月200件を超えた応募が殺到するとのこと。

採用面接の通過率17~20%という、なかなかハードルが高い仕事なのです。

ただ、学生たちに人気なのは、単に高給だからというだけではありません

赤木さんは、もう1つの理由をこのようにお話しされています。

「Z世代の傾向として自己肯定感が低いと感じていますが、業務を通じてシニアの方たちに感謝されることで自己肯定感が上がりキラキラ輝き出します。その様子を見た周囲の友達が、求人に応募してくることもある」。

普段、当たり前に操作しているスマートフォンの使い方を教えると「世界が広がった」と喜ばれる。

外出に付き添うと、「一人で行くのは寂しかったから」と感謝される。

そうした喜びの積み重ねが、若者の自信や、さらなる真心を生み出してくわけですね。

何より、私はこの仕事の内容が「コミュニケーション」であることで、彼らの心の成長につながると思っています。

お相手は世代も違えば、さまざまな人生経験を重ねてきた大先輩です。

そうした方々の話に耳を傾け好奇心傾聴力を育んでいく。

やはり、ここでも「関心」がポイントになっていますね。

愛の源泉は「関心」かも?

ご高齢の方だけではなく、人が生きていて嬉しいこと幸せだと感じることの1つとして「関心を持たれる」ということがあるかと思います。

実際、私もnoteを続けてこれたのも、読んでくださる方々のおかげでございます🙇🏻

そんな中、関心についての興味深い話があります。

「マイクロ・ディシジョン」というコミュニケーションについてのキーワードです。

〈Forbes JAPAN / 2024年11月9日〉

パートナーが関心や愛情を求めるちょっとした働きかけをしてきた時に、どう反応するかということを論じた話で、夫婦関係のおいて大切なのは、日常会話の中での「小さな反応」にあるとのこと。

人間関係学者ジョン・ゴットマンさんジュリー・ゴットマンさん、ご夫妻は、パートナーの片方が

「相手は自分を見てくれている」
「支えてくれている」
「つながっている」

と感じたい時は、「ささやかな素振り」「何気ない一言」「ちらりと向けられる視線」などに意識を向けるそうです。

意識を示される反応を示されると、心がつながったと感じられるというわけです。

確かに、自分自身の心に聞いてみても、「大きく頷く」「驚きを見せる」「質問する」といった行動をされると嬉しい😊

一方、こうしたパートナーの感情、反応をスルーしてしまうと、仮にパートナーが、その場では傷ついた様子を見せなくても、積み重なれば取り返しのつかない亀裂を生み出してしまうかもしれない…(汗)

ゴットマンご夫妻の話を理解していくと、夫婦円満の秘訣「お互いに関心を持つ」ことにあると分かりますが、

確かに、仲の良い夫婦を頭に浮かべてみても、そうしたケースが多いような気がしますね 🤔

愛は関心の中に宿る

と言ったら大袈裟かもしれませんが…、関心相手の心に与える影響は大きいとは言えるでしょう。

今回は、主にご高齢の方相手のサービスということで話を進めてきましたが、抽象化すると顧客ファースト最初の一歩「関心を向けること」にあるという原則に立ち返ることができました。

これは商品づくりも、営業も、接客も、お客さんのいる全ての仕事に当てはまるでしょう。

好奇心を育むことが大事と言われる今日この頃ですが、人への関心を高めること同じですね。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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