生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その6 灘で生酛造りの技術として確立するまで 本日の紹介酒 仙介 純米大吟醸 (兵庫県 灘)
慶長の遣欧使節のその後
結局、アマルガム精錬法を徳川幕府は入手しましたが、1620年に遣欧使節が日本に帰った頃には、家康公は既に亡くなり日本は鎖国の方向へ進んでいたので、その後この慶長の遣欧使節の事もあまり表に出る事は無く歴史の中に埋もれてしまいました。
柱焼酎の技術
一方で、柱焼酎の技法が歴史の表舞台に出て来るのは、元禄期の徳川綱吉公の時代であり、この頃にはある程度完成した生酛による酒造りに関して白雪酒造が復刻した元禄の酒をテイスティングする限り行われていたと考えられます。
技術の進化には時間が必要
ただ、現在と違いコンピューターもインターネットも、酒造りの為の機械もない時代に柱焼酎や酛立て法から進化した生酛による酒造りの技術が確立するには相当な時間がかかったと思われます。
実際にシェリーやワイン造りの現場を見なければ
あくまでもシェリー酒やワイン造りの技術や糠漬け等を参考にした方式から日本酒造りに応用した結果が柱焼酎や手や足で山卸を行う事であれば、実際にシェリーやワインを造る工程を技術者が見なければ難しかったのではないかと思われます。
灘でマニュファクチャーの酒造りの技法まで進化した生酛造り
その後、手や足で行われていた山卸は時を経て灘でマニュファクチャーの酒造りの技法として、当時としては大量生産の過程で本格的に櫂棒を使った山卸に進化し灘流の生酛の技術として確立したと思われます。
本日の紹介酒
仙介 純米大吟醸 (兵庫県 灘)
主体となる香り
原料香主体、淡い果実香と淡いハーブ香有
感じた香りの具体例
炊いた白米、生クリーム、マシュマロ、白桃、ライチ、青りんご、瓜、若草、すだち、柚子、スペアミント、ペパーミント、レモングラス
具体的に感じた味わい
ふくらみがありキレ良い飲み口、ふくらみがあり柔らかい旨味が主体、後味はすっきり爽やか、白桃や青りんごを思わせる含み香を感じました。
このお酒の特徴
清楚で爽やかな香りとしっとりとした味わいのお酒
温度設定のポイント
12℃前後にて清楚な香りと爽やかな味わいを引き出す
38℃前後にてしっとりとしたふくらみのある味わいを引き出す
この日本酒に合わせてみたい食べ物
生ハムメロン、生ハムのサラダ、スモークサーモンのサラダ、あじの干物、ふぐの唐揚げ、カレイの唐揚げ、蛤の鍋、生湯葉の造り、鯛の薄造り、ナポリタン、あさりの酒蒸し、ドライフルーツ、チーズ等