【ちょっとした感想文】飲まない生き方 ソバーキュリアス
ルビー・ウォリントンさん著「飲まない生き方 ソバーキュリアス」を再読。ここ数年の自分自身の答え合わせのように読んでみました。
まずこの装丁が好きなんです。淡い水色と黄色のイメージ、きれいじゃないですか?ぱらっと開くと広めの行間で読みやすく、著者のキャラクターがしっかり伝わる永井二菜さんの翻訳も魅力的。
ウォリントンさんは、単に「お酒を飲まない生活」を勧めるのではなく、なぜ人は飲みたくなるのか、飲む理由と飲み方に着目しています。この視点が大切なところ。
私にとっても本書は自分が飲酒の習慣とどう向き合うべきか考えるきっかけになり、発行された2021年は大げさでなく人生のターニングポイントとなりました。
ちょうど例のコロナ禍で飲み会の機会が減り、「飲酒は本当に必要か?」と考え始めていたタイミングだったので、この本のタイトル「飲まない生き方」に強く惹かれたのをはっきり覚えています。
ワタクシ、何も考えずお酒を飲んでいた頃、たびたび「やらかし」て、周りに迷惑をかけて恥ずかしい思いをしました。ある時は「トイレのウォシュレットを外してかぶっていた」と言われたことがあるのですが、全く記憶にございません…。(ウォシュレットの取り外し方なんて知らないですし!)
他にもここでは書けないようなこともたくさんあったものの、おかげさまでここにいたるまで、お酒を飲まずとも楽しく過ごしていますし、飲まないデメリットを感じることもまったくありません。
ただ、本書でもたびたび言及されているように、あくまでお酒を飲まないのはその人の人生の選択であって、他の人に強要したり説教するものでもない、ということはここでも強調しておきます。
また、著者が外国人ということもあり、ドラッグや依存症の話も含まれるため、ところどころヘビーに感じる部分もありますが(ご本人はかなりライトに話しているつもり?)、それでも「飲む理由」を問い直すきっかけとして一度は読む価値はあると感じました。
特に、「飲酒をしない自分の心と身体の本来の状態を知る」という姿勢が印象的で、しらふで自分自身と向き合うことの大切さを改めて考えさせられます。
また、飲酒を止めたことにより、久々に口にしたワインが「美味しくない」と感じた著者の体験も興味深いポイントでした。一度立ち止まって普段の自分の体調や気持ちに敏感になることで、どれだけ日常的にお酒に頼っていたかが見えてくるのかもしれません。
本書にはニューエイジやスピリチュアル的な要素も一部含まれていますが、明るく前向きな語り口調(翻訳)なので、深刻になりすぎず読めるのもグッド。これ以上スピリチュアルになると、ちょっと一般の方は抵抗があるかも?
「断酒のための断酒」ではなく「好奇心を満たすための断酒」として提案している点が、従来の依存症の克服本とは異なり、「断酒」の新しいアプローチとして、それこそ興味深い考え方です。
毎日飲酒して「休肝日が必要だ」と感じている方や、ぼんやりとでも自分とお酒の関係について考えたことがある方には、ぜひ一度読んでみてほしい一冊ですね。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?