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【読書記録④ 営業はいらない】〜あなたの「営業」は生き残れますか?〜
同期に韓国人の女の子がいる。とても優秀でトリリンガルな子だ。
久々に話して「最近営業どうよ?」と聞いてみた。
その子は「身についたのは社内の稟議書を書くときの語尾くらいかな」と言っていた。
もったいねえ。
旧態依然とした会社では、社内向けの文章の言葉尻が決まっていたり、項番を打つときには「大きい項目は①②③、その次に大きい項目は(1)(2)(3)〜」みたいなことが細かく決まっていて、一度出した資料でも事務職のおばさんが細かくチェックしている。
今はテレワークしているので、僕が次に出社する時まで「その項番を直しましたよ」という僕のサインがないと言う理由で稟議がストップしていることもあった。
アホかと。
なぜ営業マンがわざわざそれを修正する時間を取られなきゃいけないのか。そしてそれをみんなで待っているのか。
なぜ優秀な子が2年間もかけて社内でしか通用しないことしか学べていないのか。
本書の中で「日本の営業マンの仕事時間のうち、顧客との面談やサービスに使われているのはわずか25%だ」とあった。生産性のかけらもない。
今後、グローバル競争の中で、余分な営業マンを抱えている会社は間違いなく落ちぶれるし、営業マンの中に余剰人材が出てくる。(既に出ている)
セールステックツールによるインサイドセールスで営業マンの仕事の一部は自動化されてきている。
見込み先の選定をテクノロジーが行い自動化するので、営業マンの的外れな勘によるアプローチは必要なくなる。(それが功を奏すときもあるにはある、と思う)
さらに、SFAの活用により優秀な営業マンの営業活動を並の営業マンがマネすることで、全体のレベルアップが図れる。
このことに気づいていない、または取り入れていない企業はいつまでもテレアポや飛び込み営業で売り上げを作ろうとする。
そら日本企業の未来は暗いよなあ。
「モノづくり大国日本」を支えてきた製造業もプロダクトアウトからマーケットイン、さらには本書で紹介している「エクスペリエンス優先型」で戦略を練っていかないと、海外企業には敵わない。
日本の全営業マンが読むべき良書。