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カウンターレディはプ女子

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ラウンジで働くあずきはプロレス好きなシングルマザー。ある問題に遭遇する中、手を差し伸べてくれたのは同じラウンジで働くママやすみちゃん、そしてすみちゃんの”友達”の石塚だった。
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2024年10月の記事一覧

カウンターレディはプ女子①:創作小説と私

カウンターレディはプ女子①:創作小説と私

「ママ~!」
保育士とともに門の近くまで歩いてきた男の子が
駆け出した。その勢いで肩掛けカバンがバタバタと
跳ね回っている。
「甲斐ちゃん、帰ろっか。」
お迎えに来た母親は男の子にそう言うと、保育士に
軽く会釈した。

森山 あずき。27歳。
母ひとり子ひとりの生活を営むシングルマザー。
女手一つで子供を育てるため、昼間はパチンコ屋、
夜は週3でラウンジで働いている。
決して美人というわけではない

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カウンターレディはプ女子②:創作小説と私

カウンターレディはプ女子②:創作小説と私

石塚を皮切りにちょっとしたカラオケ大会で盛り
上がりだしたところで3人組の客が入ってきた。
「あ、いらっしゃ~い。ボックス席どうぞ~。」
”すみちゃん”が応対する。
「ごめんね大山さん、石やん。」
そう言うとすみちゃんはボックス席のお客さんの
ほうへと着いた。どうやらすみちゃんの”上客”が
いるようだ。
「あら~・・・。」
大山がちょっと残念そうにしている。なるほど
大山のお目当てはすみちゃんらし

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カウンターレディはプ女子③:創作小説と私

カウンターレディはプ女子③:創作小説と私

(参ったな・・・。)

同級生の大山や”それなりに”石塚の事を知っている
すみちゃんが「奥手」と揶揄する通り、石塚は
あまり女性慣れしていない。
恋愛経験がないわけではないが、それも片手の指で
お釣りがくる程度である。
どうにか雰囲気を和ませようと頑張って話を
しようと試みても、思うように会話が続かない。

普段のあずきであれば、自分からどんどん話を
盛り上げてくれるのであろうが、さすがに今は

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