ランニングをしていた人の話。
大阪城公園に散歩に行った。
ランニングしている人達がいた。
懸命に走る多くのランナーがいた。
多種多様なランナー。
競技用のユニフォームに帽子・サングラスを着けた人。
有名スポーツブランドに身を包む人。
全身ユニクロコーデの人。
普通のTシャツ短パンの人。
おおよそ運動に適していない格好の人。
みんな息を切らし汗を流しながら走っていた。
そんな中1人異様な人がいた。
白い帽子。
オニヤンマのようなサングラス。
黒いユニフォーム。
白いランニングシューズ。
恐らくアップルウォッチ。
フル装備の格好で走っていた。
ベビーカーを押しながら。
おおん?
一瞬意味が分からなかった。
めちゃめちゃランナーの人がベビーカーを押していた。
本当に走る速度でベビーカーを押していた。
正直一緒に走ったら置いていかれる速度で走っていた。
何の儀式?
あまりにも異様だったのですれ違いざまに凝視していた。
すると1つ気づいたことがあった。
乗ってんの犬じゃね?
犬が乗っていた。
ベビーカーではなくペットカートだった。
もう訳がわからない。
ちょっと怖い。
意図も目的も不可解過ぎる。
別に悪いことではない。
誰にも迷惑をかけていない。
本人が良ければ何も文句はない。
僕は思わず凝視してしまったが他の人はどうだろう?
多くのランナーとすれ違っている。
…凝視はおろか誰一人振り返りもしない。
ランナーの精神力は凄まじい。
僕もウォーキングからランニングに変えれば同じ精神力が身につくのだろうか?
多分無理だ。
どれだけ速く走ろうとペットカートランナーを振り切る未来が想像できない。
そんなことを考えながら僕は大阪城公園を散歩するのだった。
ランニングをしていた人の話。
最後まで読んで頂きありがとうございました。