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西勇輝と松葉貴大との対決に僕は胸が熱くなった

今年の7月14日と7月28日にバンテリンドームナゴヤ、甲子園球場、それぞれのチームの本拠地で対決は実現した

西勇輝と松葉貴大ーーー。年度こそ違うものの同じドラフト1位で共にオリックスへ。西は2008年に三重は菰野高校より高卒で、松葉は東洋大姫路から大阪体育大を経て2012年に大卒でそれぞれ入団。同い年、同じ先発投手として共にローテーションを回った時期もあった。その後、西は2018年オフにFA権を行使して阪神タイガースへ。先発ローテの一員として活躍していたものの勝ちに恵まれず燻っていた松葉も2019年の7月に2対3のトレードで中日へ移籍。同僚から同リーグのライバルとなった。

それから5年が経った今年

2024年、共に34歳を迎えるシーズンで開幕から好調を維持。松葉に関しては先発ローテが確約されていない中で見事競争をモノにし8年ぶりの完投勝利も記録。

そして7月14日、前半戦の最終盤に遂に初対決。

元チームメートとの投げ合いに松葉は燃えていた。阪神の先発はオリックス時代の同僚だった西勇。プロ入りから6年間、同じチームで過ごした同い年との初の投げ合いに「すごく楽しみにしていました」と気合をみなぎらせていた。

https://www.chunichi.co.jp/article/927872

松葉本人も燃えていたというように2016年からオリックスファンの僕も、すごく心を躍らせ楽しみにしていた。そういうのも自分がオリックスファンになったときの先発ローテには西勇輝と松葉貴大がいたから。8年が経ち、2人ともチームを変えて同僚という立場ではなく「敵」としてまさか対戦する日がくるなんて。。思ってもいなかったからこそ「どっちにも勝ってほしい」という感情で試合を見ていた。

まさかの展開

こうして幕を開けた試合はまさかの展開になる。。両者譲らず迎えた3回表に西勇輝がセンター前へのタイムリーを放ち阪神が先制西に打たれたなら俺も打つ。その気迫は打席で結実した。5回裏1死3塁、先制点を許した局面と同じ場面。
外角に逃げるシュートを捉え、センター前へのタイムリーで試合を振り出しに戻した。

西が打ったんなら俺も打つしかねぇ。

そして試合は6回表、2死満塁のピンチを迎えるも佐藤を内野フライ。6回を投げきり渾身のガッツポーズ。1失点の好投でマウンドを後に託した。対する西も6回を投げ切り1失点。両者とも失点が投手に打たれたタイムリーのみという誰も予想だにしないまさかの展開で、待望の初対決は「ドロー」という形で幕を閉じた。

2度目の顔合わせ

2度目は初対決からちょうど2週間後の7月28日、舞台は名古屋から変わり阪神甲子園球場だったーー。スタメンを見ると中日の2番には後藤駿太。一瞬、タイムスリップしたような気分になった。そんな中で始まった試合は、「轟く一打」で始まりを告げる。得意の西勇輝から細川成也の先制弾で松葉に援護点。2週間前とは変わり、西が先に先制点を許した。だが、虎の4番も黙っていない。直後の2回裏に甘く入った松葉のカットボールを大山が完璧に捉え左翼席へ一直線。ホームランで点を取られたならホームランで返す。まさにそれという一撃で瞬く間に同点。

しかしその後はヒットを打たれながらも踏ん張り、粘りの投球で5回1失点。
一方の西も5回表を3者三振に斬るなど3安打1失点。松葉とは対照的に的を絞らせず危なげない投球で片付けた。

そう簡単に崩れねぇよ。

6回表、1アウトで打席には松葉……………ではなく岡林。5回77球で降板し西よりも先にマウンドから降りることに。その岡林がヒットを放つなどチャンスを作るもあと1本が出ず、6回1失点でQS。先発として淡々と仕事をする姿はオリックス時代となんら変わりない姿だった。その裏と7回裏に阪神打線が四球をきっかけに1点ずつ奪い試合は9回表へーー。このまま勝ち切れば西勇輝が勝ち投手。松葉に負けはつかないものの「同僚対決」として西勇輝に一歩先を譲る形となる。

しかし、ここでドラゴンズの打線が息を吹き返す。ヒットと四球でノーアウト満塁。セカンドゴロの間に1点を返し点差は1点。1死1・3塁で打席には中田翔。
チェンジアップに狙いを絞った形が功を奏し、レフト前への値千金のタイムリーで同点。この瞬間、西勇輝の勝ちは消え2度目の対決はまたも「ドロー」だった。

来年こそ…

西勇輝、松葉貴大、2人がプロの世界に飛び込んで約10年。かつて同僚だった2人はリーグとチームを変え、同じリーグのライバルに。そうして2度にわたり実現した念願の初対決は、2度とも勝ち負けのつかない結果に。だからこそ来年,正々堂々投げ合ってほしい。松葉貴大を推している者として「西勇輝に投げ勝つ松葉貴大」を一目見たい。

冒頭にも書いたように自分自身、こんな対決が見れるなんて思いもしなかった。思ってもいなかった対決が実現するなんて僕は本当に胸が熱くなった。8年前、オリックスファンになった時の自分に「8年後、松葉貴大が中日、西勇輝が阪神に移籍して投げ合うんだよ」と言いたい。8年前の自分は絶対信じないだろうなぁ。

※文章中の写真は中日スポーツより。


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