
スッタニパータ 第1章『チュンダ』Cundasuttaṃ(チュンダ・スッタ)第84偈
原文
「Caturo samaṇā na pañcamatthi, (cundāti bhagavā)
Te te āvikaromi sakkhipuṭṭho;
Maggajino maggadesako ca,
magge jīvati yo ca maggadūsī.」
訳
仏陀がチュンダに答えた。
「沙門は四種類であり、それ以上はいない。
チュンダよ、汝の問いに答え、彼らを示そう。
道を征服した者、道を説く者、
道の上に生きる者、そして道を汚す者。」
話の背景
チュンダは、仏陀にこの世に存在する修行者の種類について尋ねた。
仏陀は彼に対し、修行者は四種類に分類され、それ以上の種類はないと答える。
これらの四種類の修行者の違いを明確にすることで、
真の修行者と誤った修行者を見極める重要性が説かれている。
注釈・補足
「仏陀がチュンダに答えた(Cundāti bhagavā)」
「Cundāti(チュンダーティ)」 は「チュンダよ」、
「bhagavā(バガヴァー)」 は「仏陀」。
仏陀がチュンダの問いに答えていることを示している。
「沙門は四種類であり、それ以上はいない(Caturo samaṇā na pañcamatthi)」
「Caturo(チャトゥロ)」 は「四つの」、
「samaṇā(サマナー)」 は「沙門(修行者)」、
「na pañcamatthi(ナ パンチャマッティ)」 は「五つ目はない」。
仏陀は修行者の分類が四種類に限られることを示している。
「汝の問いに答え、彼らを示そう(Te te āvikaromi sakkhipuṭṭho)」
「Te te(テー テー)」 は「彼らを」、
「āvikaromi(アーヴィカローミ)」 は「明らかにする」、
「sakkhipuṭṭho(サッキプットホ)」 は「汝に問われたゆえに」。
仏陀は、チュンダの質問に対して明確に説明しようとしている。
「道を征服した者(Maggajino)」
「Maggajino(マッガジノ)」 は「道を征服した者」。
これは仏陀や阿羅漢のように、完全な悟りを得た者を指す。
「道を説く者(Maggadesako)」
「Maggadesako(マッガデーサコ)」 は「道を示す者、導く者」。
これは仏教の教えを広める者や指導者を指す。
「道の上に生きる者(Magge jīvati)」
「Magge(マッゲ)」 は「道の上」、
「jīvati(ジーヴァティ)」 は「生きる」。
これはまだ完全な悟りには至らないが、正しい修行を続ける者を指す。
「道を汚す者(Maggadūsī)」
「Maggadūsī(マッガドゥーシー)」 は「道を汚す者、誤った修行者」。
これは正しい修行を行わず、教えを歪める者や偽りの修行者を指す。