
スッタニパータ 第1章『チュンダ』Cundasuttaṃ(チュンダ・スッタ)第88偈
原文
「Yo dhammapade sudesite, magge jīvati saññato satīmā;
Anavajjapadāni sevamāno, tatiyaṃ bhikkhunamāhu maggajīviṃ.」
訳
仏陀が答えた。
「法の言葉が正しく説かれたとき、
その道に従い、生きる者がいる。
彼は自制し、常に気をつけ、
汚れなき言葉を実践する者である。
このような者こそ、
『道に生きる者(マッガジーヴィ)』と呼ばれる。」
話の背景
仏陀は、「道を生きる者」について説明する。
それは、説かれた法(ダンマ)を忠実に守り、
日々の行いの中で実践する修行者 である。
彼らは完全な悟りには至らないが、
修行の正しい道を歩んでいるとされる。
注釈・補足
「法の言葉が正しく説かれたとき(Yo dhammapade sudesite)」
「Yo(ヨ)」 は「~する者」、
「dhammapade(ダンマパデ)」 は「法の言葉」、
「sudesite(スデーシテ)」 は「正しく説かれた」。
これは、仏陀によって明確に説かれた教えを意味する。
「その道に従い、生きる者がいる(Magge jīvati)」
「Magge(マッゲ)」 は「道の上に」、
「jīvati(ジーヴァティ)」 は「生きる」。
これは、修行者が仏陀の教えに従い、実践しながら生きていることを示す。
「彼は自制し、常に気をつけ(Saññato satīmā)」
「Saññato(サンニャトー)」 は「自制する者」、
「Satīmā(サティマー)」 は「常に気をつける者(念を持つ者)」。
これは、自己を律し、気を緩めることなく修行する者を指す。
「汚れなき言葉を実践する者である(Anavajjapadāni sevamāno)」
「Anavajjapadāni(アナヴァッジャパダーニ)」 は「汚れなき言葉」、
「Sevamāno(セーヴァマーノ)」 は「実践する」。
修行者は誤った言葉を避け、清らかな言葉を話し、正しい行為をすることを大切にする。
「このような者こそ、『道に生きる者』と呼ばれる(Tatiyaṃ bhikkhunamāhu maggajīviṃ)」
「Tatiyaṃ(タティヤン)」 は「第三の」、
「bhikkhunamāhu(ビックフナマーウ)」 は「修行者と呼ばれる」、
「maggajīviṃ(マッガジーヴィン)」 は「道に生きる者」。
これは、修行者の三つ目の分類として、「道を実践して生きる者」を示している。