
スッタニパータ 第1章『田を耕すバーラドヴァージャ』Kasibhāradvājasuttaṃ(カシバールアドヴァージャ・スッタ)第78偈
原文
「Kāyagutto vacīgutto, āhāre udare yato;
Saccaṃ karomi niddānaṃ, soraccaṃ me pamocanaṃ.」
訳
「身体を制し、言葉を制し、
食においても腹を控えめにし、
真実を礎とし、
穏やかさを私の解脱とする。」
話の背景
この偈では、仏陀が修行の核心について述べている。
身体と言葉を制御し、節度ある食生活を送り、
真実を土台にし、穏やかさを解脱への道とすることが説かれている。
これらの要素は、精神的な農耕の比喩として表現されている。
注釈・補足
「身体を制し、言葉を制し(Kāyagutto vacīgutto)」
「Kāyagutto(カーヤグットー)」 は「身体を守る(制御する)」、
「vacīgutto(ヴァチーグットー)」 は「言葉を守る(制御する)」。
修行者は、行動や言葉に注意を払い、慎みを持つべきである。
「食においても腹を控えめにし(Āhāre udare yato)」
「Āhāre(アーハーレ)」 は「食事において」、
「udare(ウダレ)」 は「腹」、
「yato(ヤト)」 は「抑制する者」。
修行者は暴食を避け、適度な食事を心がけることが重要である。
「真実を礎とし(Saccaṃ karomi niddānaṃ)」
「Saccaṃ(サッチャン)」 は「真実」、
「karomi(カローミ)」 は「私は行う」、
「niddānaṃ(ニッダーナン)」 は「基盤、礎」。
真実を生きることが、修行の根本となる。
「穏やかさを私の解脱とする(Soraccaṃ me pamocanaṃ)」
「Soraccaṃ(ソーラッチャン)」 は「穏やかさ、慎み」、
「me(メー)」 は「私の」、
「pamocanaṃ(パモーチャナン)」 は「解脱」。
穏やかさと慎みのある生き方が、真の解脱へと導く。