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船上の助産師
昨日、借りて読み終えた本は
「船上の助産師」 小島毬菜 著
日本で看護師として働くも、日本の規則に縛られた病院に馴染まず、
海外へと目を向けた先で申し込んだ「国境なき医師団(MSF)」。
そこで助産師として世界中の困難な地域で医療支援活動を行うことになった彼女が地中海の難民救助捜索船での救助の困難さや問題点などについて語られている一冊。
国際間の政治や難民の受け入れ態勢、横行する詐欺行為など、様々な現状について触れ、船上で赤子が生まれる様子、アフリカでの視察や、戦争中のウクライナで市民が普通に生活をしている中、本人自身も投下された爆弾から地下に避難する様子なども。また夫の暴力から逃げ、救助したシングルマザーとのパリでの再会などの喜びについても語られている。
彼女は本の中で、世界に目を向け、一度はどんな形でもいいから日本から海外へ出て欲しい、「英語」など語学を身に着けて欲しいと訴えている。
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著者は、日本というのはある意味「特殊な国」だと言う。
清潔で便利な面がある一方、規則が多い国で、それに従っているままではは生きる力が弱まっているんじゃないか…と危惧もされている。
著者の受けた人種差別や、社会的な要因によるご苦労など一読されると、世界にはあらゆる問題が山積みなのだと知ることができます。
そして、たしかに本を読んで薄々感じましたけれど、生き延びることにおいて命がけで海を渡る人々の力強さには、圧倒されるであろうな…と、あくまで他人事のようにしか受け取ることができませんが…。
日本で見られる情報もテレビやニュースなどでは制限されていて、日本に入ってこない情報の方が多いこともあるのでしょう。いかに情報を取りに行くか、それをキャッチするにも語学が必要だということですね。
いろいろ考えさせられる一冊でもありました。