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軽度の精神障害者やグレーの人にとっての福祉について考える

ただの素人当事者が思ったことなので、福祉や医療に関わる人には批判されるかもしれないし、間違ったこと書いてるかもしれないけど、福祉について思ったことを書きました。
プライバシー保護のために一部事実を変更しています。
くっそ長いので気になるところからどうぞ。


適応障害→フリーターになった友達について

私の友達で、大学を卒業後、正社員として就職するも、その職場でモラハラパワハラを受け、さらに給料も低くブラック過ぎたことで適応障害になり退職した子がいる(Ⅾちゃんとする)。
もう少し詳しく書くと、Ⅾちゃんはそんな環境の中でも最初は頑張って出勤していたが、そのうちうつ状態になってしまい、精神科のクリニックに行ったら適応障害と言われたみたいだ。その職場をおそらく3カ月くらいで辞め、そこから半年くらいは家族や友人に悩みを聞いてもらうなどして休養し、最近フリーターとして社会復帰したと聞いた。
病院は今も行っているのか聞いたら、今はもう行っていないと言う。
行っていた時のことを話してくれたのだが、薬は何も出されず様子見しようという感じだったらしいが、これはⅮちゃん自身は納得していたしそのほうがよかったと言っていた。なぜならⅮちゃんの家族の知人で、精神科の薬に依存してしまい、それがないとおかしくなってしまった人がいるらしく、薬に抵抗があったためだと言う。
今はⅮちゃんは元気そうで、職場の人もいい人ばかりで、前の職場で体調を崩したこと等も受け入れてもらえたそうだ。

しかし、ここでoverthinker(考えすぎる人)のわたしはまた考えすぎてしまったことがいくつかある。
Dちゃんに対してではなく、世間一般に対してだ。
それは
①精神科の病院や薬について誤解されている部分があるのでは?
②フリーターの不安定さについて、経験談から思うこと
③医療や福祉の支援を利用したほうが確実な場合もあるのでは?
ということだ。
ひとつずつ詳しく述べていく。

1,精神科に対する誤解

まず、Ⅾちゃんが通っていた病院は、不必要な人にも薬をもりもり処方してくるようなところではなさそうなので、それは本当によかった。
しかし、精神科の薬すべてに依存性があるわけではないし、薬が必要な病気もあるので(統合失調症など)、精神科の薬がすべて悪いわけでは決してないということだ。
それに薬物療法しかないわけではなく、カウンセリングやデイケアなどもあり、それらをうまく活用すれば、薬なしでも体調を安定させる方法を身に着けられる(場合もある)。

精神的に体調を崩したときに、心療内科に行くか迷う人が多くいるだろう。わたしもそのうちの一人だったが、迷う理由として、お金がかかる、薬に依存しそう、親にバレたくない、自分は病気じゃないから、などがあると思う。
お金がかかることについては、最初は初診料や薬代がかかってしまうが、自立支援医療という制度があり、市町村によって医療費が1割または0割になるため、診察代と薬代の負担を減らすことができる。
(これは重度かつ継続、という条件があるけど、審査に落ちてる人見たことない。適応障害の人もちゃんと通ってたから、申請すればほぼみんな使えると思う。)
薬については前述のとおりだ。いろんな精神科があると思うけど、ベンゾダバダバ処方するヤバいところじゃなければ、必要最低限の処方しかされないので安心してほしい。
またこれは私の知人の話になるが、不登校などで悩んでいてカウンセリングのみで病院に通っている子や、薬は出されずにデイケアのみを利用している人もいる。
病気や障がいと診断されないからと言って、突っぱねたりしない病院も意外と結構あったりするし、病院や精神科医によって考えは様々だ。

2,フリーターのフリーは誰にとってのフリー?

フリーターとして社会復帰したⅮちゃんだが、わたしはⅮちゃんの行く末を勝手に心配している。なぜならフリーターとして働き始め、なんやかんやあって派遣社員などをし、中等度のうつ病になってしまった妹を見てきたからだ。妹はもともとASDやIBS(過敏性腸症候群)があり、小学校の頃から不登校だったり高校を辞めたりした過去がある。苦手な場所や場面があり、体調も安定しないことから高校卒業後はフリーターを選んだわけだが、フリーターというのは、企業にとってもフリー、つまりいつでもクビにできるということでもある(と雨宮処凛さんが言っていた)。また正社員と違って福利厚生や有休などもない(に等しい)。体調や特性が理由で正社員として働くことに不安があってフリーターを選んだ妹は、配慮も福利厚生もない不安定な場所で頑張りすぎてうつ病になってしまった。でももちろん、Ⅾちゃんは彼女なりに考えているプランがあるかもしれないし、まだ若いからこれから正社員になれる可能性は全然あるし、妹と状況は違う。しかしそんな不安定な面もある働き方では、Ⅾちゃんの精神にとっても良くないのでは、と思ってしまうのだ。一度メンタルをやった経験があるなら尚更だ。

3,医療や福祉の支援を利用したほうが確実な場合もあるのでは?

そこで、まず妹に関して言えば、高校の頃に少しだけ精神科に通っていたけど、卒業後からうつ病になるまでは通っていなかった。でも今思えば、高校卒業後に就労移行支援を利用したり、障害者手帳をとって福祉サービスを受けたりすれば、違った未来になっていたのではないかと思うのだ。
なぜそういう支援を活用しなかったかというと、企業で合理的配慮を受けて働けるという知識がなかったことと、両親が障害者手帳というものに対して当時は偏見があったためだ。妹のASDが軽度であることもあって、障害者雇用は遠い存在だと思っていたのもある。
Ⅾちゃんも、デイケアや就労移行を使えば、復職プログラムなどを利用して、支援を受け体調を安定させる方法を学んだうえで復職できたかもしれないな、と思うわけだ。それに対してⅮちゃんがどう思うかは分からないけど、そういう方法もあったということだ。

しかし現状日本では、メンタルや体を壊さないと休めないような空気があるように感じる。精神科や障害者支援に関しても、病状や程度が重い人が利用するというイメージを持つ人も多いだろう。
そうじゃなくても困っている人はたくさんいて、使ったほうが本人にとっても周りにとっても良い例がたくさんありそうなのに、あまり知られていなかったり悪いイメージを持たれたりしている。
みんな全然知識がないのだ。わたしだって知らなかった。知識不足や偏見のせいで、福祉や医療から遠ざかり、受けたほうがいい/受けられる支援を使わずに後々もっと体調を崩しかねない人がたくさんいると思う。

こんなことを書くと、医療福祉関係者の方や若しくはそうではない人でも、そんなことしたら医療や福祉が崩壊するとかなんとか言われるかもしれない(私自身、もっと精神科に通ったり障害者手帳を持ったりする人が増えることについての問題点を明確に把握しているわけではないのでどういう批判があるか分からないけど、とにかく問題点を指摘する意見もあるだろうということだ)(わたしに思いつく問題点と言えば、一度そういった障害者支援などを受けると、その後の一般就労のハードルが少しあがってしまうことや、逆に精神科医療のせいで症状が悪化していく人もいるかもしれないということだ。少ないけど私のまわりにも実際にいる)(あと本来はもっと重い人や環境に恵まれなかった人のためのものだって言う人もいるかもしれない)。

元パートナーのうつ状態に関して

またもう一人精神科を拒んでいた例として、私の元パートナー(Eとする)を取り上げる。
Eは高校卒業後、実家を離れ医療系の大学に進学し一人暮らしを始めた。
しかし勉強の忙しさや人間関係などで悩み、うつ状態になってしまったそうだ。ひどかったときは、料理も入浴も掃除もする気力がなく部屋はぐちゃぐちゃで、大学とバイトだけは必死でやっていたそうだ。
Eはわたしと付き合い始めたころも、別れるまでもずっと、軽いうつ状態だったように思うし、実際そう言っていた。またEはいつも自分に自信がなかった。病院や大学のカウンセリングを勧めたが全力で拒否された(その頃わたしがベンゾに依存してるのを見てたからだとも思うけど)。
でも今思えば、気分変調症の症状に近いな、と思う。
なんで拒んでたか知らないけど、自立支援医療のことは教えたし、学生だからこそのうちに無料でカウンセリング受けられる場所があるんだよ、って言ったのに、頑なに拒否してた。気分変調症っていう病気かもしれないから、薬でましにできるんだよ、って言えれば分かってくれたのかも(頭はすごくよかったから理解力はあった)。別れてしまったのでその後は知らないが。(とてもちなみにだが、双極性障害に関してもテンプレのような誤解をしてた。1日の中で気分変動が激しい、みたいな。一応違うよって教えといた。)

追記:幼馴染について

もう一人、早くから支援を受けていたらよかったのではないかと思う友達のことを思い出した。彼女は高校卒業後就職するが、うまくいかず退職し、スーパーでフリーターとして働いていると聞いた。保育園児~中学生のころまで彼女をそばで見てきた身としては、境界領域知能~軽度知的障害があるんじゃないかと思う。勉強にかなり苦労していた覚えがある。特に数学などは、努力家なので何度も何度も繰り返し解きなおすが、何度やっても正解できなくて、ずっと勉強しているのを見ていた。また彼女はとても繊細で、他人への共感力が高すぎて友達が叱られているのを見て泣いていた。味覚や聴覚なども過敏で、保育園では給食をすごく苦労してゆっくりゆっくり食べていた覚えがある。彼女はとてもやさしくて素直で努力家な子だ。今彼女とは連絡をとれていないが、支援を受けて安心して社会復帰できているといいなと思う…。

めちゃくちゃ長くなってしまったが、これがoverthinkerの頭の中である。
んんん、どうすればもっとこの世界を良い場所にできるんだろう。
どうすれば精神科や福祉を身近に感じてもらえるんだろう。
いつも考えすぎなるえなでした。
最後まで読んでくれてありがとう。

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