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#思い出
#16 自然とこころのごっつぉ
8月の猛暑日。真夏の陽射しは容赦なくそそぐ。
歩いて歩いて、目的地へとカメラをぶら下げ歩き続ける。
絞れるほどになって、使いものにならないタオルで額をぬぐい、暑さに顔をゆがめながらも夏らしさを感じた。
たんぼの横で手招きする農家のおじさん。
「この水は地下水だから飲めるよ。お兄ちゃん汗だく。飲んだらいい。こんなところまでよう来たね。」
水のキンとした冷たさがのどから体を伝ってしみていく。
#14 緑、青、夏、新潟。
毎日が東京の鉛色の空の下で過ごす日々の中、久しぶりの新潟は天気予報が裏切り、気まぐれな青空を見せてくれた。
稲たちが喜ぶほど、雨は大地を潤したのかは定かではないが、空は圧倒的にお日さまと青空が優勢だ。
下に目をやると緑のじゅうたんがふさふさと風になびき、弥彦山と角田山はここが新潟なんだと誇らしげである。
ゆっくりとした風に乗るふっくらとした雲。
まだまだ降らせるぞという意気込みの一方で、もう
#13 モノトーンの世界
場所は新潟、長岡。
早朝に目覚めてカメラを持って車を走らせる。
走っても走っても霧が濃く、果たして写真は撮れるのか。
現場に着いて東の空を何度も見返しながら、真っ白いしけった空気をまとった私はかすかな期待をしながら三脚にカメラを据えた。
太陽が山の頭から顔を出す。一気に暖かさと光がやわらかく射し込んできた。
すると一帯の景色が幻想的な世界のように一変。
霧で霞んだ中に無数に立ちならぶ枯草の