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次代を創る「スマートビル・スマートシティ」

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スマートビルの概念は、さらにあらゆる信号がネットワークで結ばれ、個々人の端末ともつながり、ワーカーにとっては、スマートフォンや顔認証の生態認証により、個々人にとって働きやすい物理…
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#スマートシティ

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その1

海外で進む不動産のデジタル化「スマートビル」:ミレニアル世代  ミレニアル世代と呼ばれる80年代以降に生まれた10代、20代の若者たち。生まれた時からインターネットに接し、デジタルネイティブとも言われる。  そのミレニアル世代、黒電話を知らないらしい。黒電話を見せたら、電話であることは認識したものの、使い方を聞くと、ダイヤル番号が書かれた数字を押して使う、と回答したそうだ。  携帯電話に慣れたミレニアル世代にとって、電話をかけるとは、プッシュボタンを押すことを意味するから

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その7「4. SDGs・エネルギー削減・働き方改革につながるスマートビル」

4.1.  アメリカで進むビルのエネルギー削減に活用されるデジタル技術 アメリカの不動産業の最大の注目は、エネルギーコストの削減だ。エネルギー価格は原油価格の上昇と共に、大きなコスト増要因となっている。 ハワイ州の電気料金が全米1位。2位がアラスカ。カリフォルニア、ニューヨークもトップ10州に数えられる。それゆえ、いかにエネルギーコストを削減するかが、不動産経営上重要となっている。 また、米エネルギー省(Department of Energy)は「Better Buil

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その9「5.2 物流ロボット」

 新型コロナウイルスの影響により世界各地で外出が規制される中、無人配送ロボットは人々に生活物資を届け活躍している。そのリーディング企業となるのが、米スタートアップ企業のStarship Technologies社だ。電動無人配送ロボットは2020年6月現在までに10万回以上の配送をおこなっており、欧米の各都市で既に「普通のサービス」として認識され始めている。  スターシップロボットのサービスは2018年ミルトンケインズで始まって以来、着実にサービスを拡大させてきた。米国では

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その14「8. スマートビル」

8.  スマートビル事例  スマートビルはすでに欧米で先行し、日本でもここ最近、いくつかの事例が生まれている。  本章では、いくつかの先端的な事例についてご紹介しよう。 8.1.   世界のスマートビル事例: 欧米では、すでにスマートビルと呼ばれるオフィスビルが導入され、実際の活用がはじまっている。  ここでは、そのいくつかについて、事例を紹介する。 8.1.1.     Edge  コンサルティングファームのDeloitteがメインテナントのスマートビルディングが、オ

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その15「9. スマートビルに必要な要素技術」日本のゼネコンの取組み

9. スマートビルに必要な要素技術  本章では、スマートビルを構成するそれぞれの要素技術について紹介する。要素技術を知ることで、それらの組み合わせでスマートなビルになるはず。 9.1. 日本のゼネコンにおける取組み  日本の大手ゼネコン各社では、独自に都市・建物OSを導入するなど、スマートビルの要素技術を磨いている。 ここでは、そのいくつかの事例について、紹介する。 9.1.1. 大林組「Wellness BOX」  大林組では、自社開発のオフィスビルにて、ワーカ

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その16「9.2. スマホを利用したワークプレイス管理プラットフォーム」

9.2. スマホ(携帯端末)等を利用したワークプレイス管理プラットフォーム 9.2.1. ワークプレイス管理プラットフォームとは  ワークプレイス管理プラットフォームは、オフィスビルで働くワーカーがオフィスを効率的に利用できるサービスや働きやすくなるサービスを統合した新たな概念のサービスである。 例えば、建物施設や会議室の予約、ビル内のイベント予約、ビルに入っているワーカー同士のSNS、コンシェルジュの派遣などが同アプリから簡単に利用できる。  また、オフィス清掃、設備

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その22「10. スマートビルが集積した未来の「スマートシティ」とは」

10.   スマートビルが集積した未来の「スマートシティ」とは10.1.  センサーを活用したまちづくり日本におけるデジタル社会構築の一環として、2019年6月に、マイナンバーカードの取得促進を図るため、カードへの自治体ポイントの付与、健康保険証への活用等を発表した。現在、マイナンバーカードを取得している人の数は、2019年4月時点で全人口のわずか13%(1千7百万人)でしかない。かなり低い数値だ。 その主な要因は、「マイナンバー」の扱いそのものにある。他人に見せてはならな

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その23「11. デジタルツイン(Digital Twin)」

11.   デジタルツイン(Digital Twin)メタバース(Metaverse)の世界は仮想の空間であり、実際には存在しない空間を構築したもの。 メタバース上に作られた会議室で世界中の人が集まってミーティングをしたり、メタバース上に作られたショッピングモールで買い物を楽しんだりします。一方、デジタルツインは現実世界を再現したもの。 ともに、バーチャルな世界でシミュレーションすることで、実空間ではできない実験やシミュレーション、ビジネスが展開される。 本書では、実空間

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その24「12.1. 一口 コラム 「明治150年で考えること」(2017年6月9日)」

12.1. 一口 コラム 「明治150年で考えること」(2017年6月9日) 今年が明治何年にあたるのか、みなさんはご存知だろうか? 1868年が明治元年なので、そのまま明治が続いたとすると、今年は明治150年になる。 この150年で、急速に世の中は変化した。 150年前の武士は、今日のように超高層ビルが林立し、ハイブリッド車が道路に溢れ、大型飛行機で容易に移動し、スマホであらゆる情報が入手でき、離れていても世界中で通信ができるような世界を創造できたであろうか? 150

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その26「12.3. 一口 コラム 「デジタル・ディスラプション」」

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次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その27「12.4. 一口 コラム 「日本に必要なIT投資」(2017年9月6日)」

12.4.   一口 コラム 「日本に必要なIT投資」(2017年9月6日)夏休みで海外に行かれた方も多いと思う。 海外でのIT環境の充実度に驚いたので、それについて考えたい。 デンマークのような小国でも、屋台であれ、スーパーであれ、すべての場所において、カード決済できる環境が整っている。1週間いたが、現金を使う場面はほとんどない。街のコンビニでも、屋台でもカード決済できるし、動物園の飲料自販機でさえ、カード決済できる。結果、空港で両替した現金はそのまま残ることとなった。

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その28「12.5. 一口 コラム 「パラダイムシフト2」(2017年8月25日)

12.5.    一口 コラム 「パラダイムシフト2」(2017年8月25日)1769年、ジェームス・ワットが蒸気機関を発明し、石炭の時代が生まれた。第2次世界大戦直前には石炭が世界のエネルギーの8割を占め、「石炭の時代」がピークを迎える。しかし、戦後、エネルギー資源の中心が石炭から石油に代わり、石炭産業が衰退していった。