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本の分厚さ分『みかづき/森絵都』は、おもしろかった

みかづき/森絵都/分類913モ』の分厚い本を読んだ。おもしろかった。
昭和から平成までの教育をめぐる家族の葛藤と奮闘の物語。月の満ち欠けに心を重ねた。小学校の用務員の吾郎は千明とその家族に取り込まれて塾を開くことになる。登場人物の情熱は、昭和という時代のパワーが源かしら。

読む随所にそんな時代もあったなと思う。学校五日制の「ゆとりある教育」に戸惑う家庭。塾通いがますます激しくなり、受験競争についていけない家庭。いつまでも教育の格差あり。文部省としての実質的な方針転換は子どもたちを思ってのことかもしれない。でもなんだかいつもズレている。
教育の自由化ってなんだろうとか。教育は国を滅ぼす力もありそうだとか。教育という名のもとに、子どもたちをコントロールしようとする悪い輩がいるかもしれない。どちらも支配的でなく、互いに寄り添いあえればいいと。

「教育基本法」、教育についての原則を定めた日本の法律がある。文部科学省のホームページでまじまじ見てみた。理解はむずかしくはない。これに則って私たちは動いているのだろう。

『みかづき』に出てきた「スホムリンスキー」、「綴方教室」が興味深かった。登場人物に刺激を与え、成長させていた。

小説の参考資料と載っていた、

『教育の仕事/スホムリンスキー著/笹尾道子訳(新読書社)』
『新編 綴方教室/豊田正子著/山住正己編(岩波文庫)』

『みかづき』より

検索するとYouTubeに『綴方教室』1938年に公開という映画がいくつか出てきた。数分だけ鑑賞、しぶい。女子学生(?)が荷物を頭に乗せて歩いている、びっくり。

卒業してしまえば無縁の教育現場。今、自己研鑽のために何かしているのと聞かれれば何もしていない。食って寝て出して、散歩して読書して、生活のために働く。超少子高齢化社会の時代、いずれの核家族もいつか孤立無援かも。でもまぁ、そう悲観することない。

「新しい道はいつだって、歩いてみるまで正体が知れないものですよ」

『みかづき』23頁より

たえず世の中は更新している。月の満ち欠けみたいと本が教えてくれる。

子どもはいつだってキラキラだ。
あの元気さと思いがけない言葉にやられっぱなし。
笑える。

ではでは

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