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私の城下町と夜空ノムコウ

よしなしごと【気まぐれ選67】

 小柳ルミコさんが、まだ「清純派」だった頃。歌っていたのが『私の城下町』。「格子戸をくぐり抜け 見上げる夕焼けの空に〜」という歌ですね。

 ところがカラオケで歌うと・・
 ♪コウシドヲー|クグリヌケー|ミアゲルユウヤケ|ノーソラニ〜 と歌う人が少なからずいる。

 正確には・・
 ♪コウシドヲー|クグリヌケー|ミアゲルユウヤー|ケノソラニ〜  なのですが、
 「夕焼け」は日本語として分解できないので、小節をまたいで「ユウヤ」「ケ」とはなかなかならない。本能的に「ユウヤケ」までを前の小節に繰り込んでしまうわけです。

 こうした音のまたぎ方は日本では、本来タブーとされていました(『私の城下町』は当時、まだ新人作曲家だった平尾昌晃氏の出世作ですが、この「夕焼け」の一点で「所詮ロカビリー上がりの素人が!」と先輩作曲家たちにいじめられたとか・・?)。
 
 と、こんな古い話を思い出したきっかけは、SMAPの『夜空ノムコウ』。
 「あれから僕たちは 何かを信じて来れたかな」です。

 音のまたぎ方は・・
 ♪アレカラーボ|クタチハーナ|ニカヲシンジテコ|レタカナー が正解です。
 が、大抵の(おじさんたち)人は・・
♪アレカラー|ボクタチハー|ナニカヲシンジテ|コレタカナー ・・となる。
 
 これからカラオケに行くあなた(特におじさん)、転ばないよう、またぎ方にはくれぐれも気をつけて。
【よしなしごと0175・2007年1月 4日 (木)掲載】

【よしなしごと】シリーズは『tanpoPost』に2004~2013年にかけて掲載したブログ記事です。エッセイ風のショートストーリー、パロディ、ニセ論文、小ネタ、などなど。思いつくままに書き散らした小文をランダムに【選】としてご紹介します。お付き合いいただければ幸いです。

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