感想文「ようこそ映画音響の世界へ」
Netflixでずっと気になっていた映画音響のドキュメンタリー映画を観た。音楽、セリフ、効果音などに焦点を当てて、映画のクリエイター達が、音響の役割や素晴らしさ、大切さを、実際に公開された映画のシーンを交えて語っていく。冒頭から知っている映画がたくさん登場してワクワクと胸が高鳴った。
歴史についても詳しく掘り下げてあってすごく分かりやすい。無音映画から始まって、映画館で直接音を入れていた時代、音作りに試行錯誤していた時代。そして、デジタル化が進んだ現在でも、沢山の人の手と努力があって創られていく。
例えば、R2-D2の電子音などは、無機質な感じのロボットが可愛らしいキュルキュルと小鳥が混ざったような声を出す。するとキャラクターに愛情が沸く。その声が誕生した時のエピソードなどは胸がキュンとなる。サウンドデザイナーのベン・バードさんの試行錯誤した音造りとか、それに対して絶対の信頼を置くジョージルーカスとか、本当に様々な、工夫や信頼関係とか構築されないと良い作品が作れないのだなあと感じた。
最近、私はいよいよ書くことを始めようと少しずつ進んでいるのだけど、映画を観て感動する反面、ほんの少し焦りも感じた。
今の私、傍で叫ぶ娘、山積みの家事、限られた時間。私の始めた少しずつは遅くはなかったかと思ってしまう。しかし、時間は皆人に平等にある。チャンスも然り。それは始めるかどうかは人それぞれだ。まずは気がついて進めた事を褒めて良いのではと思った。そのあと、私に出来る事を地道に続ける事だと切り替えてこの文章を書いている。
ベン・バードさんの初めての作品はまったくダメだったと言っていた。上手くいかなかったそうだ。私の初めての小説は超短文だった。中身も満足とはいえる内容ではなかった。しかし、今まで書こう書こうと思っても、書き出しで止めていた小説だ、最後まで書き上げた。そのスタートは胸を張っていい。
そして、傍で騒ぐ娘、屁理屈を言う息子がいる事はどれだけ幸せな事か。まずは日々の生活を丁寧に送っていることも褒めてよい。慌ただしい毎日を過ごしているだけでも偉いんだ。だからこそ家庭の基盤をしっかりと整えて自分のペースで進めたい。そう思った。
誰しもがスタートは同じ。まずはコツコツと整えて継続したい。背中を押してもらって、昨年末初めて書いた短編小説。そこから、時々休むこともあるけど、ほぼ毎日、なにかしらを書いている。読書も復活した。近頃は、心をニュートラルにする、というヨガで教わった事を意識している。すぐに出来なくても、意識するだけで変わるそうだ。
それから私はすごく高い目標を立てて焦っていた事に気がついた。今朝、実は、朝のヨガでできなかったポーズがきれいに出来て褒められた。先生のアドバイスは
「ヨガはすぐに出来ない。身体の声に寄り添いながらコツコツよ」
だった。私はすぐに出来たら良いなと思い、朝晩特訓したが、そのポーズはあまりうまくいかなかった。他のポーズを毎日コツコツ朝に続けていたらいつのまにか出来るようになっていた。
今朝は「コツコツはすごく大事なんだ」心から実感した。映画の音響も、昔は長い月日をかけ、旅をしながらコツコツ音源集めをしていたそうだ。よりリアルに臨場感を出して視聴者に喜んでもらいたい、その熱い思いは観た人の心に何十年も残り続けるのだ。
ベン・バードさんがもうひとつ言っていた事は、仕事に打ち込むには、現実に戻れる場所(家庭)を妻がしっかりと維持して家族と支えてくれる事が秘訣だと(確かそんな言葉だったと思う)言っていた。なんだか私も同感だった。私はお母さんでもあるから、しっかりと毎日を生きる事も重要なんだ。もうひとつの目標にした、現実をしっかりと拡充させること。家族を支える事も大事にしたい。それでいいと思う。それがあってのマイペースでコツコツで夢を形に、だ。
そう思ったら心強かった。
日々の生活で見落としがちな、特にお母さん達は多いかも。自分を否定することだけはやめようと思った。まずは自分が成し遂げた事を認めて自分を讃える、目の前の事に集中して、だけどマイペースに。
私の出来ることを少しずつ積み重ねよう。そう思った。
とにかく、何かを創る、生み出し続ける、それはとてもすごい事だ。刺激的で。そう感じられるようになった今がとても面白い。遠回りでもぶれずに進む事。大切だなあと思った。
踏み出せずにいた自分が、踏み出せたなら、もう変身出来てるんじゃないだろうか?自分で決めて歩き進む。変身した新たな自分、まだまだこれから楽しみだ。
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