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谷郁雄の詩のノート66

23日に浜松町の産業貿易センターで詩歌と日記のZINEフェスがあります。最近は文学フリマやZINEフェスの盛り上がりがすごくで、若者たちを中心に文学の新しい風が吹いているようです。ぼくが若い頃は文学イベントなどあるわけもなく、地味な同人誌活動があったくらい。詩を書いては街の印刷所に持ち込んで詩の雑誌や詩集を作っていました。明日は浜松町まで行ってみようと思います。(ただふらっと行くつもり)ZINEフェス会場で会いましょう。noteでつながっている皆さんともばったり出会えるかもしれません。怪しいじじいがいたらそれがぼくです(笑)



「砂の城」

いつもの
コンビニで
いつもの
お茶を買って

いつもの
ビルの日だまりで
一息ついて
お茶を飲む

いつもは
いつまでも
続かない
いつも

やがて
時間の
いじわるな指が
崩してしまう
美しい砂の城



「森永さん」

すっかり
やせてしまった
森永卓郎さん

体調は
いかがですかと
問われて
笑顔で答えた

がん以外は
元気です
いつ死ぬか
分からないけど
それ以外は元気です

ぼくは
笑った

ぼくも
笑顔で
言ってみたい

苦しくて
死にそうだけど
それ以外は
元気です



「忘れ物」

部屋でのんきに
朝のコーヒーを
飲んでいたら
少し先の未来で
道を歩いている
ぼくが見えた

とりあえず
その未来まで
行ってみよう
先に行ってしまった
慌て者の
ぼくを追いかけて

おーい
スマホも
財布も
ハズキルーペも
忘れてるぞ!

ついでに
自分自身も
忘れているよ

©️Ikuo  Tani  2025


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