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谷郁雄の詩のノート51

仕事が終わり、高円寺駅のホームで電車を待っていたぼくの目の前に、ふくよかな背中に「世界地図」のタトゥーを彫り込んだ女性がいました。めったに見られないタトゥーなので記念に一枚。この「世界地図」には日本は描かれていないようです。残念。でも、素敵なタトゥーでした。さて、29日夜の詩のイベント「Poetry  Hour  ポエ泡」が間近。ぜひ遊びにいらしてください。「文喫 六本木」のイベント情報をチェック願います。



「片思い」

おやおや
そうとは
知らなかったよ

君の
片思いの相手が
他ならぬ
君自身の
人生だったなんて

とりあえず
学校には
行ったほうがいいよ



「帰らぬ人」

やれやれ
また一日
同じことの
くり返しか

いつものように
会社に出かけて
帰らぬ人と
なってしまった
誰かさんも

そんなふうに
一日を
始めたのだ



「生きよう」

心の中の
暗く
曲がりくねった道を
通りぬけて
ぼくの口から
ぼそりと
出てきた言葉

 生きよう



「道」

一人で
歩いた道を
いまは
二人で歩く

二人で
歩いた道を
また
一人で歩く

そして
からっぽの道に
風が吹き
時が流れる

©Ikuo  Tani  2024



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