社会人になる君へ。
これは、15年前の3月31日に書いた自分の日記。字が幼くて、ちょっと恥ずかしい。
普段、日記を読み返すことはないので、過去の日記帳はクローゼットの中に保管してある。
だけど、いつからか3月31日だけは、あの日の日記帳を読み返すことがルーティン(?)になってしまった。
先日、38年勤め上げた上司の慰労会をしたばかりなので、社会人になって15年なんてまだまだペーペーの域だけれど、それでもなんだか随分遠くに来たもんだと思う。
世の中には色んな人がいる。
学校生活が終わることが嫌で社会に出たくない人たち、学校生活なんて早く終わって働きたい人たち、学校生活も嫌だし社会人になるのも嫌な人たち…etc.
不器用で、いつも集団生活では疎外感を感じながらも、なんとか上手いこと擬態して、周りに合わせて窮屈な学生生活から解放されることを待ち望んでいた私は、学校生活なんて早く終わって働きたい人たちの中のひとりだった。(大学で学びたいことがあったので一応大学は卒業したけれど)
22歳の私へ手紙を書くつもりで、この文章を書こうと思う。
だけど、明日からの新生活に期待と不安で胸がいっぱいになっている新社会人のどこかの誰かが何かの縁でチラ見してくれたら、少し嬉しいかもしれない。
「社会人になる君へ」
今はどんな気分?
日記帳を見返すと、これから先の未来を楽しみにしているようだね。
見えないことやわからないことは、とても不安だよね。でも、それをワクワクして面白がろうとしているところは君らしいところだ。今となっては、それが君の「強み」になっている。
君が思い描くように未来は結構楽しいし、「そのときの出逢い」が君を成長させてくれる。
学生時代には感じることができなかった感動や少しでも自分が役に立ったと思える達成感や喜びも沢山待っている。
でも、楽しいことばかりじゃなく辛いことや苦しいことも待っている。
大人になってこんなに泣くことがあるんだと思うくらい泣いたりする日もあるよ笑
でもそれは避けられないからある程度、覚悟しておくといい。一種の成長痛だと思えばいい。
働き始めてからの君も、相変わらず不器用で物覚えが悪くてできることも少ないけれど、優しい先輩たちが助けてくれる。
社会は面白いよ。20歳とか30歳以上年上の人とも一緒に働くから、色んな価値観に触れたり、知らないことを教えてもらえたりする。
初めはできなくて当たり前だから焦る必要はない。教えてもらって少しずつできることを増やしていくといいよ。そして、自分にできることとできないことの理解を深めていくといい。
挨拶と御礼と謝罪はしっかりしよう。
それを律儀に守ることは、生きていく上でも大切にした方がいい。今でもそれは大切にしているよ。職場でも、味方は多い方がいいからね。
「3年間はきついし大変だと思うけど、4年目からは楽しくなるよ」と教えてくれる尊敬する先輩に出会ったりもする。挫けそうになる時も、何気ない一言が背中を押してくれて、また前を向こうと思える。
繰り返しの日々は、退屈に思えるかな?でも、そんな日々もちゃんと楽しめるようになるから安心して。
あと、同期や学生時代の友だちも大切にするといい。
彼らはやっぱり貴重な存在で、同じような境遇にいる人たちでしか分かち合えないことはある。そして、愚痴や弱音をきちんと吐いた方がいい。
君は一人で抱え込んで20代半ばに潰れる寸前までいってしまったから。
困ったら人に相談すること、辛いことを辛いと言えること、無理せずに早めに休むことが一番大切なことだよ。
自分の身体や心を守れるのは結局自分だけだから、美味しいものを食べて、よく寝て、休日は楽しいことに癒されて。安定した日常生活があってこその仕事だからね。
社会人は学生時代のような枠組がなくなる。
自分で選んで自分で決めた道を進んでいけばいいよ。例えば、出世とか転職とか、結婚とか出産とか、周りがどんどん変わってくように見えるかもしれないけれど、それぞれが決めた人生を進んでいるから、比較して苦しんだりしなくていいよ。君が選んで君が決めた人生を堂々と歩いていけばいいよ。
君が15年前の今日、日記帳に書いた通り、今日だって見えない未来にワクワクしているよ。
ゆっくりでも1日1日成長しているから大丈夫。
これからも出逢いを大切に、自分を大切にね。