kuu_i

日日是好日。たわいもない話。

kuu_i

日日是好日。たわいもない話。

最近の記事

かけがえのない時間を共に生きるということ

『ロボット・ドリームズ』 また、とんでもない映画に出会ってしまった。 予告編をちらっと見ただけで、これは!!となった。コミカルな絵のタッチにも一瞬で心惹かれた。 こういうのもひとつの"縁"なんだろう。 なぜかタイミングがバッチリ合って、心に突き刺さって離れないまま小さな劇場に向かった。 あらすじはこんな感じ↓(以外 #ネタバレ を含みます) ーーーーーーーーーーーー 時代は80年代。ニューヨークの街で一人暮らしをするドッグ。 テレビゲームをやっていてもどこかつまらない表情。

    • 日常のマーチ

      最近、というより日を増すごとに「生活」が好きになっている。 自称「生活愛好家」を名乗ってもいいのではないかと謎の自信まで出てきてしまっている。 小さい頃から朝が苦手だったけれど、睡眠は安定してきて、朝すっきり目覚めることが増えた。 もともとよく寝るタイプなので年齢を重ねても、まだ朝5時にパチっと勝手に目覚めることはないけれど、とにかく寝起きのダルさがない。 昨年、睡眠の専門家である先生の講演会で聞いた話を可能な範囲で実施してみた結果が出ている。 朝は起きたらカーテンを開けて、

      • 巡る

        ちゃんと秋がやって来た、と感じる夜があった。 地下鉄の駅の階段を登り切ると、涼しくて心地いい、やさしい風が頬をかすめた。 今年も猛暑が続いていたから、その時は本当に夏は終わるのだろうかと思っていた。 だけど、すべてのものには必ず終わりがくることを思い出した。 突然終わることは、少し物哀しくもあるけれど。 季節は巡る。心配しなくてもちゃんと巡る。 時間だって同じことだ。 時計の針は、今日も回り続けている。 同じところをぐるぐる巡っているようで、同じじゃない今を繰り返していく。

        • 車窓から見える世界

          世界はいろんな色が溢れている。 目に映る景色は、一体何色でできているのだろう。 今年の夏は、山、湖、村、街の景色をこの目で見てみたいと思い、旅の行き先をスイスに決めた。 これまでの海外旅行で国内の移動を伴っての旅は、意外としたことがなかった。大体が、同じホテルに連泊して、そこを拠点に近郊を見て回ることが多かった。 大きめの登山用のリュックサックを購入し、バックパッカーとして旅に出た。 もう若者ではないけれど、リュックサックに必要なものを詰め込んで旅に出ることは、なんだかこれか

          39度のとろけそうな日と37度のとろける湯船

          人間の平熱を平気で超えてくる夏。 先日、いつもの八百屋さんに行ったら店主に「毎日暑すぎて、もう、わろてまうねぇ!」と言われ、私も「わろてまいますねぇ」と言った。 いろいろおかしいので、本当に面白おかしく笑うしか暑さ対策はないかもしれない。 小学生の頃、真夏のマンホールの上にお肉を置いたらジュッ!ってなるかを試したかった。 だけど、小学生の子どもが家から生肉をこっそり持ち出すことは容易ではなかった。 その欲望は叶えられず、あっという間に口を開けば暑いと言う大人になった。 でも、

          39度のとろけそうな日と37度のとろける湯船

          背中

          先日観た映画「ルックバック」が非常によかった。 上映時間58分の中に、大切なものがぎゅっと詰まっていて気がついたら涙が止まらなかった映画というものは久々の感覚だった。 「絵を描くことが好き」という共通点がある、性格が正反対の小学生だった二人が成長していく過程を描いた作品。 グッとくる部分は沢山あるのだけれど、全体を通して“人は人との出会いで変わっていく”というところに心を動かされた。 他者を含めた外の世界に触れることで、自分を救っていける。 自分を救うことができた人は、今度

          また、いつか

          今週月曜日朝、耳音で鳴る爆音で飛び起きた。 緊急地震速報。 いつもほぼ同時間にスマホでアラームをかけていたので、ぬるぬる起きるいつもと違って脳が一気に覚醒した。 震源地は居住地から遠かった。 (あー、大丈夫だ) そう思いつつ、身体を横に戻す。 …大丈夫? そう思った自分に違和感のような罪悪感のような嫌悪感のような、なんとも言えない感覚が薄膜となって心にペタッと張り付いてモヤモヤする1週間が始まった。 どんなことがあっても生活は続く。 泣いたり辛いことがあっても、ちゃんとお

          また、いつか

          縦に流れる川 横に流れる景色 ヒリヒリする日差し 遠いのに掴めそうな雲 夏のはじまりを 知らせる鐘が鳴った

          縦に流れる川 横に流れる景色 ヒリヒリする日差し 遠いのに掴めそうな雲 夏のはじまりを 知らせる鐘が鳴った

          深呼吸

          「一旦、深呼吸してみましょうか」 ゆっくりと声をかける。 早くなっていた呼吸が、激しい鼓動が、少しずつ遅くなる。大丈夫、大丈夫。 つい最近もこんなやり取りがあった。 普段、人は無意識に呼吸をしている。 それとは反対に、深呼吸は意識的に行うものだ。 深呼吸をするためには、立ち止まる必要がある。 歩きながら、走りながらでは、深呼吸はできない。 立ち止まり、心と頭に余白を作ること。 ゆっくりと吸い込む酸素は、「安心」という膜で覆われているのかもしれない。 先日、ふと「深呼吸の

          先日、38歳の誕生日を迎えた。 調べると、日本人の平均寿命は84.4歳らしいけれど、どうやら人間の本来の寿命は38歳であるという説があるようだ。 これを「自然寿命」と言うらしい。 生物学的には、自然寿命を超えた40歳以降は「おまけ」のようなもの。言わばボーナスタイム。 ここまで生きてこれただけで、なんと幸運なことなんだろう。有り難すぎる。 特にここ数年、思考や好みが変わっていってる実感はある。 食べ物に関しては、脂っこいものですぐに胃はやられ、ジャンクフードより、いも・く

          春はあけぼの

          短い春が終わってしまった。 木々はピンク色から緑色にささっと衣替えを完了させていた。 毎年、春服がクローゼットから失くなる怪奇現象が起きるけれど、今年はその心配がない。 もう半袖シーズンだ。 夏のような暑さ、というか、もう夏なので今日髪を短くした。 美容院の帰り道、少し手前の駅で下りて、寂れた商店街(大好き)を見つけたので日除けにもなるし、とアーケードを歩いた。 ジャイアンの実家みたいに雑多な日用品を売っているお店の店主は、大口を開けて寝ていた。セキュリティーが甘すぎる。捨て

          春はあけぼの

          春の海を泳ぐ

          気づいたら4月も半分を過ぎていた。 桜が咲いたと思ったら、もう散っているように、一日一日の時間が一瞬で散っていく。 穏やかに、まったりと過ごしたいのに、春はいつも慌ただしい。 自分の仕事も新年度の4月が、1年の中で最も忙しい。 休日出勤の分の振替をようやく取れたけれど、まだ業務の波は落ち着いていない。だけど、自分が荒波に呑み込まれないように、一旦岸辺に船をつけて腰を下ろす。 昼下がり、行ってみたかった純喫茶のブレンドコーヒーと自家製プリンを食べて、満足顔で緑豊かな場所でこれ

          春の海を泳ぐ

          余白は埋めない その余白がきっと君を救うから じっくりゆっくり 見つめるその先に いつか光が射すのを待つのだ

          余白は埋めない その余白がきっと君を救うから じっくりゆっくり 見つめるその先に いつか光が射すのを待つのだ

          社会人になる君へ。

          これは、15年前の3月31日に書いた自分の日記。字が幼くて、ちょっと恥ずかしい。 普段、日記を読み返すことはないので、過去の日記帳はクローゼットの中に保管してある。 だけど、いつからか3月31日だけは、あの日の日記帳を読み返すことがルーティン(?)になってしまった。 先日、38年勤め上げた上司の慰労会をしたばかりなので、社会人になって15年なんてまだまだペーペーの域だけれど、それでもなんだか随分遠くに来たもんだと思う。 世の中には色んな人がいる。 学校生活が終わることが嫌で

          社会人になる君へ。

          世界は大きな森でできている

          人は仮面を被って生きている。 学校や社会という舞台で、ある程度自分を演じながら、折り合いをつけながら生きている。 自分は仮面などつけず、どの場面でも素の自分です、と言える人はどのくらいいるのだろうか。 仮面をそっと外して、肩の荷物を下ろして、ホッとする。今日もお疲れ様。 何気ない雑談が、ちょっとした嬉しいひとことが、車窓に流れる景色が、今日も小さな幸せを心に運んでくれる。 年度の終わりの日に、暖かい春の風が吹いて、新しい始まりを予感させた。 「あなたは大きな木みたいです」

          世界は大きな森でできている

          ロールモデル

          生き方がかっこいいなぁ、と思う人がいる。 生き方というと抽象的で、具体的に何がと問われればことばにしにくい。 その人の性格や人生のすべてを知っているわけではないけれど、その人の全身から滲み出る何かを感じ取って、自然と惹かれてしまうという感覚だ。 容姿とか肩書きとか外見的なことではなく、子どもの頃テレビで見たプロスポーツ選手や部活の先輩に憧れをもつこととも少し似ているかもしれない。 でも、ただ単に技術が高いとかみんなから人気があるとか、そういうものではない。 私が惹かれてしまう

          ロールモデル