強制シャットダウン
「ご飯を食べたくないな、っていう時にはね、無理に食べなくてもいいんですよ」
医師、かつ気学の専門家でもあるその人は、”気が上がっている”という理由で治療内容を変更した日の診療終わり、そう言った。
そして続けて、
「食べたくないな、っていう時に無理に食べるでしょ。すると、口内炎が出来たりするんですよ。」
「でね、今度口内炎が出来ると、痛くて食べられないでしょ?つまりそれはね、身体からの”強制シャットダウン”っていう事なんですよ」と。
いやいやいや。
そんな理由の口内炎、もあれば、違う理由の時もあるんでは?
そう思いつつも、やってみる気になったのは、”強制シャットダウン”の言葉のインパクトがあまりにも大きかったからだ。
食べさせたくないが為に口の中に爆弾を作る、そんなにも身体は伝えたがってるんだ、って。
最初の何度かはいわゆる絶食、してみたのだが、これだと次に食事をした後の負荷がすごく大きい。
「うっわー、急にまた色々消化するものが来たんかい」。
そんな、身体からの声が聞こえてきそうな感じ。
もうちょっと濃やかに、身体の声を訊いて、チューニングしよう。
そう思って試した結果、
・野菜の味噌汁
・納豆 or 卵 or しらす
・ごはん
の3点セットが基本になった。
別の医師からの、
「胃が弱っている時は挽いた物の方が良い(米でなく、パンやうどん等)」
というアドバイスも取り入れ、コンディションで主食を変更する時も。
こんな事もあった。
ある日の夕ご飯、疲れていて作る気力もなく、大戸やへ。
そんな感じで食欲もあまり無いのに、期間限定のステーキのメニューを見た途端、身体が「これ食べたい」と言う。
しばし、メニューとにらめっこしながら頭(理屈)と身体で協議。結果、「ご飯なし」でそのステーキを頼んだ。
食べ終わった後の身体は、「そうそうそう。これこれ~♪」って言っている気がした。
そんなこんなで、かれこれ5~6年が過ぎた。
気づけば、口内炎が出来ることはほとんどなくなっていた。
厳密に言うと、出来ても”芽”の状態から酷くはならず、すっと引いてしまう。
胃が弱く太れない体質。スタミナ切れでどうにもならない、という事も以前はしばしばあったが、それもそう酷くはならなくなった。
だがしかし、noteを書き始めてから10日ほど、久しぶりに口内炎の芽吹きを感じた。ま、10年以上ぐだぐだと思いつつやらなかった「書くこと」を始めたから、そりゃ色々と「悪いモノ」とか「悪い気」が出てくるでしょう、と思いあまり気にしていなかった。
そして、正直忘れていた。
あんなに痛くて辛くて、生活に支障をきたすモノだってことを。
きみの芽生えを感じたあの日
コンビニの鬼辛担々麵 花椒も残らず振りかけ
辛さに酔いしれながら味わっていたのは
もうすっかり 遠い日の想い出さ
いやいやいや。
歌詞(もどき)作ってる場合じゃない、すっかり腫れあがった口内炎。
しかも、舌の裏・歯茎内側・唇内外の境というトドメのトリプルアタック!
全部左側!!
本業の喋る仕事に、めちゃくちゃ支障をきたしている。
”タ行”、喋りたくない。担々麵(鬼辛)なんて、よく食べられたもんだ。
困り果てた私に、同僚が言う。
「最近は、いいクスリが、あるのよ」
それは、甘い誘惑、悪魔の囁き…
いやいやいや。
普通に薬、いわゆる「口内炎パッチ」と呼ばれている第二類医薬品。
口内でもぴったりくっついてはがれず、痛みも治まるという。
早速薬局で薬剤師さんに相談して購入、仕事の休み時間に貼り付けてみる。
1コ目・・おぉ、痛みがなくなった、痛くない口の中ってこうだったのね。
2コ目・・さらに!これは凄い。もうこわくない。
が、次の瞬間。口の中で2つがくっついてしまったのだ!
つ・ま・り、
腫れあがった口内炎同士が 薬のシートを介して おもわぬ密着
瞬間、驚愕。
反射的に面に垂直方向に引き離そうとして、悶絶。
落ち着いて深呼吸ひとつ。面に水平方向にゆっくりずらしたら、無事、2つは離れてくれました。合掌。
仕事の休憩時間で本当によかった。ロッカールームで1人、涙目になりながら悶絶してたこと、きっと誰も知らない(はず)。
実はnoteを書き始めてから、「毎日更新」を何とか頑張っていたのだが、この期に及んでやっと気づいた。
私の身体、「緊急メンテナンス中」って叫んでいる…
初心に還れ(まだ10日だけど)。身体の声を訊け。そんなに若くない。
とりあえず「身体(口内爆弾)メンテナンス終了」(たぶん)の現在、いろんなバランスを取りながら、本日も鋭意note執筆中でございます。