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小川糸好きが語る、小説「にじいろガーデン」について

こちらは”小川糸好きが語る”シリーズの2記事目です。

突然ですが、レインボーフラッグについて知っていますか?正直私は、この小説を読むまで知りませんでした。LGBTの社会運動を象徴した旗のことで、調べてみると1970年代ごろから使用されているようです。

今回語る小説は、LGBTQが大きなテーマとなっています。私自身もこの小説からLGBTQについて、考えるきっかけをもらいました。
ただ、私が安易に決めつけるようなことは言いたくないですし、話の本質がずれてしまうように感じたので、社会問題にはあえて触れずに書いていきますね。

「にじいろガーデン」

夫との関係性に悩む泉が、飛び込み自殺をしようとしていた女子高生(千代子)と出会い、お互いにかけがえのない存在となります。レズビアンの2人が、障害を乗り越えながら「家族」を築いていくお話です。

泉と千代子の2人が築いていく家族は、とにかく優しくて暖かいんです。そこに辿り着くまでには、2人は悲しい思いをたくさんする必要がありました。
でも、レズビアン同士が日本で家族を築くことが、決して楽な道のりではないって、きっと最初から分かってたと思います。それを乗り越えてでも、泉と千代子はお互いに大切にしたい人だったんですよね。

その、大切な人の近くにいる覚悟に、とにかく圧倒されました。大切な人、守りたい人のためなら、人はここまで強くなれるのかと、胸が熱くなります。

私は、ネタバレがあまり好きではないので、ここからはちょっと感覚的な話になります。

小川糸さんの小説ってポカポカって言葉がよく似合うと思うんです。ただ、そのポカポカの中にも一部、人が目を背けたくなる"どうにもならない現実"もとても丁寧に描かれているんです。ポカポカした、ただの夢物語ではなくて、そこでストンと現実に引き戻される感覚になるんですよね。

この2人が築いた家族の形がただの夢物語ではなくて、ちゃんと現実にもあってほしいと思いました。

はじめにレインボーフラッグについて触れましたが、そんなセクシャルマイノリティの叫びも、「にじいろ」と言い方を変えるだけですごく親しみやすく感じます。自分が知らない、興味がないと思っていることでも実際はすぐ近くにあったりするんじゃないかと思います。
2人の築いた家族に圧倒されてしまいましたが、私のそばにも当たり前のように、家族がいてくれます。


結局のところ……読んだ方語りましょう!
この記事をここまで読んでくれた方には、ぜひ読んで感じてほしい作品です。


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